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大容量時代の最新HDD極め術
取材・文 橋本新義
Interview
大容量、低消費電力HDDは新たな市場を開けるか?
Western Digitalに聞く
最新HDD事情
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ウエスタンデジタルジャパン株式会社フィールドアプリケーション エンジニアリング シニア マネージャーの長田徳二氏。同社製HDDに搭載された技術の詳細をていねいに説明してくれた
PC自作派の間で、現在もっともアツいHDDメーカーは、おそらくWestern Digitalではないだろうか。10月に入り、1TB HDDの最新製品であるWD Caviar GP WD10EACSが大ヒットとなっているからだ。この人気の秘密は、価格面だけでなく、低消費電力化を実現すべく、さまざまな技術が導入されているという点にもあるだろう。今回は、ウエスタンデジタルジャパンの長田徳二氏と澤田直樹氏に、Caviar GPの省電力技術「GreenPower Technology」の詳細などについてお聞きした。
  WD Caviar GP
 
WD10EACS
  実売価格:31,000円前後
  URL:http://www.wdc.com/jp/
image
――まずは、Caviar GPシリーズの基本的な狙いについてお聞かせください。

長田(以下、敬称略) 基本的なコンセプトは、グリーン――地球環境に優しいHDDです。従来HDD業界では、容量や速度の向上が第一でした。こうした戦いは今後も続けていきますが、弊社は新たな製品価値として、地球環境への配慮という視点に注目しました。そこで「地球環境に対してHDDは何ができるのか?」と考えた結果、消費電力を積極的に低減するというアプローチを採ったのです。

 HDDはPCパーツ全体で見ると消費電力は比較的小さい部類ですが、HDDの搭載台数が多くなる大規模サーバーやストレージといった業務用途では、システム全体の消費電力に対するHDDの占める割合も大きくなります。こうした状況でも、消費電力を増やさずに容量を増やせるのがCaviar GPなのです。WD10EACSの場合、消費電力はリード/ライト時で7.5W、アイドル時で4.0W、スタンバイ時には0.3Wとなっています。これは数世代前の製品と同程度なので、既存の電源インフラを変更しなくとも容量を増やせるわけです。さらに、消費電力とともに発熱も抑えられます。PC内部の冷却機構やビルの空調など、冷却に必要な電力も減少しますし、ファンレスPCなどへの導入も容易になります。

澤田 外付けHDDの内蔵ドライブとしても好適です。現在の外付けHDDはファンレスが標準となっていることから、発熱に対する条件が厳しいのです。実際に、弊社の最新外付けHDDはCaviar GPシリーズを搭載しています。

――現在WD10EACSに注目しているユーザーの間では、7,200~5,400rpmという回転数可変の仕様が話題になっています。これはどのような技術で実現しているのでしょうか?

長田 現状のHDDにおいて、消費電力の削減にもっとも効果的なのが、プラッタの回転数を落とすことです。ただし回転数を落としただけでは、当然性能が低下します。そこで、性能と消費電力のバランスを突き詰めるため、アクセス状況により回転数を変化させる設計を導入したのです。これをIntelliPower(インテリパワー)機能と呼んでいます。

――一口に回転数可変と言っても、実際には非常に難しいと思われますが、そのポイントは?

長田 実は、従来導入していた技術の蓄積が大きなポイントになっているのです。
 まずは垂直磁気記録(PMR)ですが、HDDはプラッタにヘッドが接触すると傷が付き、簡単にクラッシュしてしまいますから、リード/ライト時はプラッタの回転に伴う空気圧でヘッドを浮かしています。PMRでは、プラッタに対して強い磁界で記録を行なっているので、水平磁気記録(LMR)の最終世代と比べて、ヘッドとプラッタの距離を広く取ることができました。これにより、回転数を変える際の空気圧変動に対するマージンが確保できるのです。

 さらに、Dynamic Flying Hight(DFH)という技術も関連します。これは、ヘッドの装着される箇所に特殊な金属を用いて、微細な距離でヘッドを突起させるという技術です。プラッタとヘッドの距離は空気圧変動に加え、HDDの内部温度などでもわずかに変化しますが、DFHによりこれを補正しています。

 そして、IntelliPark(インテリパーク)技術も挙げられます。これはHDDの非動作時に、ヘッドをプラッタの外周に設置した待避場所に移動させ、空気圧が大きく変動した際に万が一のクラッシュを防ぎます。

――制御系の省電力に関してはいかがでしょうか。最近のHDDでは、インターフェースや内部転送速度の高速化によって、コントローラチップの消費電力と発熱が問題となりつつあるようですが。

長田 チップ自体の省電力化も進めていますが、Caviar GPでは電源管理の技術に重点を置いています。従来の機種でも、非動作時にはコントローラをスタンバイさせるといった配慮をしていましたが、Caviar GPでは、PCからのアクセス要求がないタイミングではコントローラの電源を切るといった、より進んだ電源制御を行なっています。実はこうした高度な省電力機能を実現できるようになったのは、コントローラの演算速度が高速化されたためでもあるのです。Caviar GPに搭載されたIntelliSeek(インテリシーク)という機能で説明しましょう。

 HDDアクセスの基本手順の中に、読み込むセクタの位置に合わせてヘッドを移動させるという動作がありますが、従来は、まずヘッドを可能な限り高速に移動させ、対象となるセクタを待つという動きでした。対してIntelliSeekでは、ヘッド移動の前に対象セクタがヘッドの位置に来るタイミングを計算しておき、読み取りが可能な範囲で、可能な限りゆっくりヘッドを移動させるのです。これにより、ヘッドを移動させるモーターの消費電力が低減できます。これは、わずかな時間にヘッド移動時間の計算が可能となるほど、コントローラの計算速度が高速化したからこそ実現した技術と言えます。

――Caviar GPシリーズの位置付けについてお聞きします。既存のCaviarシリーズの上位となるのでしょうか? また、1プラッタあたりの容量はどのくらいですか?

長田 高級シリーズではなく、既存のCaviarシリーズと並行する別バージョンという位置付けです。先ほども紹介したように、新しい市場を作るための製品と位置付けています。

 プラッタ容量は250GBです。Caviar GPは4枚プラッタで、容量別に750GBと500GB、また320GBのモデルもラインナップされています。出荷はすでに開始されていますのでパーツショップにも近々登場すると思います。

澤田 GreenPower技術はCaviar GPだけにとどまるものではありません。将来的にはほかのシリーズにも搭載させていきたいと考えています。

長田 実際にはマーケットの需要などを見ての判断になりますが、弊社としては、性能面だけでなく、こうした省電力化の技術を前面に打ち出していこうと考えています。このため、今後はGreenPower搭載製品をラインナップの中心に据えていこうと考えています。
image垂直磁気記録(上)と水平磁気記録(下)の原理図。Caviar GPでは高密度化のみならず、信頼性向上にも寄与している
imageIntelliSeek機能の概念図。アクセス対象となるセクタ(ヘッド近くのオレンジ色の箇所)がヘッドに到達するタイミングに合わせてヘッドをなるべくゆっくり移動させ、消費電力を減少させる
imageSecurePark機能(IntelliParkの前身)の概念図。オレンジ色の部品がヘッドの待避場所となり、空気圧変動や非アクセス時の外部衝撃といった事故からヘッドとプラッタを保護する
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