12cm角ファン4基搭載の低価格冷却重視モデル
3R SYSTEMと言えば低価格ケースを多くラインナップするというイメージがあるが、冷却重視をうたう本製品もやはりリーズナブルな価格設定となっている。しかし低価格ながら、印象的なオレンジ色の12cm角ファンを前後と天板に合計4基備え、ボディは内部までブラック塗装と、なかなか凝った作りになっている。マザーボードベースなどの剛性はやや足りない印象だが、背面配線や、底面に設けられたメッシュの吸気口など、イマドキのギミックを盛り込んだ製品に仕上がっている。
天板に乗るような構造となっている2基のファンは、ファンコントローラを使って3段階で回転数を調整できる。実際にその効果を試してみたところ、回転数を上げてもそれほど冷却効果が上がっているようには感じられなかった。ただし、回転数を最大にしても動作音はさほど気にならないレベル。側面などの開口部が大きいので、静音ケースとは言えないが、優秀な冷却性能とあわせて考えると、なかなかバランスの取れた製品と言えるだろう。なお、側面にも12cm角ファンが2基増設可能となっており、ファンの換装や追加ファンのアレンジしだいでは超冷却ケースに化ける可能性を感じさせる。前後ファンは4ピンペリフェラルコネクタ接続の一定速だが、ここも一工夫してみる価値アリだ。ちなみに、背面のケーブル取り回しスペースはそれほど余裕がないので、結束バンドなどを駆使して整理する必要がある。
- 3R SYSTEM
- R120-V3BK
- 実売価格:7,500円前後
- 問い合わせ先:03-5215-5650(アスク)
- URL:http://www.3rsys.com/
■規格:ATX■カラー:ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×4、3.5インチシャドー×4■標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)、12cm角×2(天板)■追加搭載可能ファン:12cm角×2(側面)■本体サイズ(W×D×H):200×485×470mm■重量:7.5kg
竹内亮介
実売7,500円とは思えないほど充実した装備。安くても機能性や作りも上々なのは好印象。ただし開口部が多く、動作音はそれなりにするのが気になるところ。
保坂陽一
この値段でこの仕様なら合格点だが、まずは前後ファンの換装をしてみたい衝動に駆られる。天板ファンなどを活かすには、もう少し内部構造に余裕が欲しいかも。
2基の天板ファンは、手前のスイッチでOFF/LOW/HIGHの3段階で調節が可能。フロントパネルとは別に、ここにもUSBポートが2基備えられている
下部のシャドーベイは着脱可能。スプリングでHDDをつり下げることで共振を抑制するというユニークな構造だが、HDDの固定作業は少々めんどう
天板のUSBポートはケーブルが直接裏側に出ており、そのままマザーのUSBポートに接続する大胆な作り。前後の12cm角ファンの回転数は一定だ
側面にも2基のファンを増設可能。底面には吸気口が設けられており、ダストフィルタが付いているのはポイントが高い
奥行きの短い省スペース&激安ケース
- 3R SYSTEM
- R650
- 実売価格:3,000円前後
3,000円前後という最安クラスのATXケースだが、シャドーベイを側面に配置することで、省スペースながらも大型ビデオカードの搭載を可能にしている。サイズが小さいので、冷却性能や拡張性が低い点には注意したいが、価格も含めて独自の魅力を備えた1台だ。
■規格:ATX■カラー:ブラック/ブルー/レッド■付属電源:なし■ベイ:5インチ×1、3.5インチ×1、3.5インチシャドー×2■標準搭載ファン:8cm角×1(背面)■追加搭載可能ファン:12cm角×2(側面)■本体サイズ(W×D×H):175×373×410mm■重量:3.24kg
7基のファンを標準搭載する空冷モンスター
従来のHundredシリーズをさらに強化した、冷却重視の大型モデル。前面に3基、背面、天板に2基ずつファンを搭載し、それぞれにファンコントローラが用意されており、個別に調整が可能という徹底ぶりだ。天板前方にはユニークな2.5インチホットスワップベイを備え、USB 3.0ポートも1基使用可能と、最新規格にも対応。
冷却性能だけでなく、自作PCとしての使い勝手にもさまざまな配慮がなされているのが特徴で、フロントパネルは扉式で簡単に開閉が可能。専用トレイなどを使わずに、そのままドライブを挿し込むことができる。また、9基のシャドーベイのうち、4基がホットスワップに対応しており(ホットスワップベイの位置は変更可能)、サイドパネルを取り外すことなく、ドライブの着脱が可能となっている。
さすがにファンを7基も備えているだけあり、すべてのファンの回転数を最小にしても冷却性能は十分。逆に、すべて最大にするとかなりの爆音になるものの、圧倒的な冷却性能は心強い。ハイスペックのCPUとビデオカードを組み込んでも、これなら安心だ。
見た目はいかにもゲーマー向けといった感じのケースだが、しっかりとした剛性を備えており、分かりやすく扱いやすい、初心者にもお勧めできるケースである。
- Antec
- ダークフリート DF-85
- 実売価格:22,000円前後
- 問い合わせ先:03-5812-5820
(リンクスインターナショナル) - URL:http://www.antec.com/
■規格:ATX■カラー:ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×3、3.5インチシャドー×9、2.5インチ×1、2.5インチシャドー×1■標準搭載ファン:12cm角×3(前面)、12cm角×2(背面)、14cm角×2(天板)■追加搭載可能ファン:12cm角×1(側面)■本体サイズ(W×D×H):213×505×596mm■重量:11.3kg
竹内亮介
PCゲーマーにとってマストの機能をフル装備で、安心感がある。冷却性能はさすがで、ロングセラーを予感させる。動作音をどうこう言うのはもはやヤボ。
保坂陽一
大型なので環境を選ぶが、分かりやすい構造が◎。安定した冷却性能を求めるなら買って損はなし。個人的には天板の2.5インチベイは不要かな。
フリートリリースドアと名付けられた前面パネルは簡単に開閉可能。3基の前面ファンにはそれぞれダストフィルタとファンコントローラが備えられている
天板部の2.5インチホットスワップベイは透明パネルで、中身が見える仕組。前面のインターフェースは、一番右のUSBポートがUSB 3.0対応になっている
天板には14cm角の大型ファンを採用。天板と背面のファンも、背面のスイッチでそれぞれの回転数を2段階で調節できる
2基ずつ計4基のシャドーベイがホットスワップに対応。ネジを外せば任意の位置に変更可能だ。なお、ケース底面にも2.5インチドライブが取り付けられる
剛性を高めたエントリー向け静音ケース
- Antec
- Sonata Proto
- 実売価格:8,000円前後
DF-85とは対極に位置する、開口部の少ない静音ケース。上部電源配置のスタンダードな構造で、内部に余裕はあまりないが、防振ゴムを装備したシャドーベイに、底面取り付けの2.5インチベイと、不足のない出来。グラフィックス機能搭載マザーとの相性は◎。
■規格:ATX■カラー:ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×3、3.5インチ×2、3.5インチシャドー×4、2.5インチシャドー×1■標準搭載ファン:12cm角×1(背面)■追加搭載可能ファン:12cm角×1(シャドーベイ裏)■本体サイズ(W×D×H):216×475×430mm■重量:7.5kg