お手頃価格と優れた冷却性能で人気を集める定番モデル最新版
いまだに人気の高い、CM690の後継モデル。前面、天板にメッシュパネルを採用した冷却重視仕様で、電源は底面配置。前面に14cm角ファン、天板と背面に12cm角ファンを標準で備えるほか、底面やサイドパネル、マザーボードベースの裏側にもファンが増設可能という、アレンジ性の高さも魅力となっている。2.5/1.8インチドライブが搭載できるアダプタも付属しており、ほとんどのトレンドを網羅している。
冷却をきわめるにはファンの追加を考慮する必要があるが、標準搭載のファンだけでも高いレベルの冷却性能を備えているのはうれしい。ミドルタワーサイズなので、同社の上位モデルと比べると内部空間に余裕はないが、ビデオカードは30cmクラスまでのほとんどのモデルに対応(31cmクラスのRadeonHD 5970などは不可)。なお、シャドーベイ6基中、下部4基は底面のネジを外すことで、取り外すことができる。この底面にファンを取り付けて、残りのベイに装着したドライブを強力に冷やす、といったことも可能だ。
さすがに開口部が多いので、音漏れはそれなりにあるが、各部のファンがマザーボード接続によるファンコントロールに対応しているので、アイドル時はそれほど気になるレベルでもない。初心者が標準装備で使っても、上級者がグリグリチューンナップしても、多彩なスタイルに対応できるバランスの高さが最大の魅力だ。(保坂陽一)
- Color Master
- CM690II Plus
- 実売価格:14,000円前後
- 問い合わせ先:support@cm-industry.co.jp
(CMインダストリー) - URL:http://www.coolermaster.co.jp/
■規格:ATX■カラー:ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×4(5→3.5インチ変換アダプタ×1)、3.5インチシャドー×6(3.5→2.5/1.8インチシャドー変換アダプタ×1)■標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)、12cm角×1(天板)■追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(天板)、14/12cm角×1(底面)、12cm角×1(底面)、8cm角×1(右側面、15mm厚まで)、14/12cm角×2(左側面)、12cm角×1(内部シャドーベイ後方)■本体サイズ(W×D×H):214.5×528.8×511.8mm■重量:約9.19kg
竹内亮介
機能面で突出した部分はないが、組みやすさや拡張性の高さについては前モデル譲りの安心感がある。ただ、開口部が多く、音漏れは大きいと感じた。
保坂陽一
静音には向かないが、初心者が素直に組んで安心なケース。ただ、どちらかと言うと下部ではなく、上部のシャドーベイが取り外せたほうがうれしかった。
インターフェースは天板前方に集約。その後ろは小物置きになっている。この部分と側面以外はほぼメッシュパネルで構成されている
背面と天板に12cm角ファンを1基ずつ標準搭載。マザー背面のメンテナンスホール部にもダクトが用意されており、8cm角ファン(15mm厚まで)が増設可能
シャドーベイの下部4段分は取り外すことができ、底面ファンや水冷ユニットのラジエータが装着可能。残念ながら大型ビデオカード向けの仕掛けではない
マザーボードベースは、各部の曲げ加工により剛性が高められている。背面配線用の穴は大きく取り回ししやすい。メンテナンスホールはやや小さめ
XL-ATX対応のギミック満載 ゲーマー向けモデル
- Cooler Master
- HAF X
- 実売価格:29,000円前後
「High Air Flow」の名を冠するシリーズ最新フラグシップ。ExtendedATXのみならず、縦に長いXL-ATXにも対応した大型モデルで、側面には20cmの大型ファンを搭載。各部を確実に冷やすためのダクトが配置され、大型ビデオカード固定用のホルダーも付属している。
■規格:ExtendedATX■カラー:ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×6(5→3.5/2.5インチ変換アダプタ×2)、3.5インチシャドー×5(3.5インチ×1→2.5/1.8インチシャドー×2変換アダプタ×5)■標準搭載ファン:23cm×1(前面)、14cm角×1(背面)、20cm×1(天板)、20cm×1(側面)■追加搭載可能ファン:20cm×1(天板)、12cm角×1(内部シャドーベイ後方)、8cm角×1(内部ビデオカードホルダー)■本体サイズ(W×D×H):230×590×550mm■重量:約14.35kg
密閉性の高い筐体で静音性に優れる
最新トレンドのほぼすべてをカバーする高機能な製品だ。前面のカバーや、内部に貼られた分厚い防音シート、3基までのファンの回転数を調整できるファンコントローラなど、静音性を重視した設計となっている。ベンチマークテストでの動作音は一番静かで、その設計の確かさを実感できる結果となった。その分、冷却性能はもの足りないが、ファンを追加搭載可能な箇所が多く設けられており、パーツ構成に応じたチューンが可能と、優れた柔軟性も兼ね備えている。(竹内亮介)
- Fractal Design
- Define R3
- 実売価格:14,000円前後
- 問い合わせ先:
support@cm-industry.co.jp
(CMインダストリー) - URL:http://www.fractal-design.com/
■規格:ATX■カラー:チタニウムグレー/ブラック■付属電源:なし■ベイ:5インチ×2(5→3.5インチ変換アダプタ×1)、3.5/2.5インチシャドー×8■標準搭載ファン:12cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)■追加搭載可能ファン:12cm角×1(前面)、14cm角×2(天板)、14cm角×1(底面)、14cm角×1(側面)■本体サイズ(W×D×H):207.4×521.2×440mm■重量:12.5kg
竹内亮介
静音重視派なら見逃せない1台。ファン追加用の開口部には防音材でフタがしてあり、音が漏れるのを防ぐというコダワリにはいたく感動した。
保坂陽一
ゴツい防音シートはいかにも効果がありそうで○。その気になれば天板ファンなども増設可能。メンテナンスホールも実用性が高く、しっかり使えるお買い得製品だ。
天板や側板には、防音シートが貼られている。このシートは「歴青」と呼ばれる、道路舗装や接着剤に使われる素材でできており、防音性に優れる
シャドーベイのトレイは、すべて2.5インチドライブを搭載できるネジ穴が設けられている。シャドーベイは8基と多く、静音サーバーにも適している
microATXなのに最長カード搭載可能
冷却性能に優れるPCゲーマー向けの製品。前面と天板に搭載した14cm角ファンを含め、合計4基のファンで内部を強力に冷やす。シャドーベイや電源を底部に配置し、その上に拡張カード用に実測値で32cmもの空間を確保していることも特徴の一つ。ATI Radeon HD 5970搭載カードなど、30cmを超える長大なビデオカードもゆったりと装着できる。ただ、底部に設置する電源とシャドーベイの距離が短く、電源は160cm程度の短めのものを使ったほうがよいだろう。(竹内亮介)
- In Win
- Dragon Slayer
- 実売価格:8,000円前後
- 問い合わせ先::03-5783-0052
(ユーエーシー) - URL:http://www.inwin-style.com/
■規格:microATX■カラー:グレー■付属電源:なし■ベイ:5インチ×3(5インチ×2→3.5インチ×2変換アダプタ)、3.5インチ×1、2.5インチシャドー×2■標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、9cm角×1(背面)、14cm角×1(天板)、8cm角×1(底面)■追加搭載可能ファン:12cm角×4(側面)■本体サイズ(W×D×H):196×426×430mm■重量:5.5kg(実測値)
竹内亮介
「コンパクトだが強力なゲームマシンを作りたい!」という欲求をかなえる1台。冷却性能は確かだが、メッシュだらけなので動作音はそれなりに覚悟しよう。
保坂陽一
大型ビデオカードが使えるのはうれしいが、小さいファンが多く側面からは動作音がかなり漏れる。ゲーマー向けだからこそ、もっとシンプルな構造でよいのでは。
前面と天板には大型の14cm角ファン、底面のシャドーベイと背面にも8cm角と9cm角のファンを搭載し、microATXらしからぬ冷却重視設計だ
本体のサイズがコンパクトなわりに、メンテナンスホールはかなり広く、さまざまなマザーボードのレイアウトに対応できる