2万円台の価格を実現した
衝撃のIPSパネル採用モデル
「IPS236V」は、これまで高価格帯の製品でしか用いられていなかったIPSパネルを採用しながら、2万円台半ばとTNパネル採用機と変わらないインパクトのある価格を実現した液晶ディスプレイだ。
IPSパネルは色再現性が高く、また視野角が広いことが特徴となっている。IPS236Vでも色調の再現性は申し分なく、また左右、あるいは上下の角度のあるところから見ても、色変化はわずかしかない。
ただ、IPSパネルは開口率が低いことから、輝度やコントラストは高くないことが多い。しかしIPS236Vでは、開口率を高めたUH-IPSを採用することにより、輝度は250cd/m2、コントラスト比1,000:1と、最近の液晶ディスプレイと変わらない水準の数値を実現している。ただ、応答速度は中間色域で14msと速いとは言えず、ゲーム機などを接続する際には気になるかもしれない。
高級液晶の代名詞であったIPSパネルをTNパネルと同じ価格帯でリリースした本機は、今後の液晶ディスプレイの主流を見据えた意欲的な製品と言えるだろう。低価格でも表示品質を重視したいユーザーは要チェックの製品であるのは間違いない。
(宇野貴教)
- LG Electronics
- FLATRON IPS236V
- 実売価格24,000円前後
- 問い合わせ先:0120-813-023(LG Electronics Japan)
URL:http://jp.lge.com/
- IPSパネル
- 23型ワイド
- LEDバックライト
自然な色合いでグラデーションもなめらか
コントラストがやや低めで若干淡い色調だが、全体的に自然な色合いが出ている。階調もつぶれずに細部まで確認できるなど、2万円台の製品とは思えない表示品質だ
独特のデザインのスタンド
スタンドはチルト角度の調整のみが可能。バックライトはLEDを採用しており、パネルの薄型化に貢献しているほか、消費電力も36Wと低い
斜めからでも階調に不自然さはない。端の部分はやや変化が見られるが、この程度であればさほど気にならないレベルだろう
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:中間色域14ms●輝度:250cd/m2●コントラスト比:1,000:1(DFC 5,000,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上15゚、下5゚●インターフェース:Dsub 15ピン×1、DVI-D(HDCP)×1、HDMI×1、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):548.7×230×421.9mm●重量:3.95kg
IPSパネルを採用した
老舗メーカーの意欲作
NECディスプレイソリューションはプロフェッショナル向けの液晶ディスプレイを中心にラインナップしているメーカーだが、今回実売価格4万円以下という一般ユーザーにも十分手の届く価格帯の製品「MultiSync LCD-EA232WMi」をリリースした。
この製品の最大の魅力は、IPSパネルを採用している点だろう。これにより上下左右178゚の広視野角と、鮮やかな発色の映像を実現している。バックライトは流行のLEDを採用することで消費電力を40Wに抑えているが、通常は250cd/m2の輝度を100または200cd/m2に抑える2段階のエコモードを搭載することで、消費電力を21Wまで低減させることが可能だ。また、周辺の明るさや表示画面の白領域を検出して輝度を自動調整するオートブライトネス機能も搭載している。
パネル部分を90゚回転させて縦位置で表示するピボット機能を搭載するほか、110mmの高さ調整と340゚のスイベルを持つ高性能のスタンドを採用するなど、画質以外の面でも手抜きはない。2万円台の低価格機から比べると若干高価に感じるかもしれないが、投資に見合った満足感を得られるはずだ。
(宇野貴教)
- NECディスプレイソリューションズ
- MultiSync
LCD-EA232WMi - 実売価格39,000円前後
- 問い合わせ先:0120-975-380
URL:http://www.nec-display.com/
- IPSパネル
- 23型ワイド
- LEDバックライト
- ピボット表示
- DisplayPort
IPSならではの発色のよい映像が魅力
IPSパネルらしい鮮やかな色合いで、レタッチなどの用途に適している。コントラストも十分でメリハリのある映像が楽しめる。画質目的でチョイスするユーザーの期待を裏切らない1台だ
ピボット表示に対応
高さとスイベル、チルト調整に対応したスタンドを装備。さらにピボット表示も可能と、低価格帯の製品とは思えない多機能なスタンドとなっている
上下左右178゚の広視野角だけあって画面隅の色変化はかなり抑えられており、一般的な使い方であれば視野角の不安はない
HDMI端子の代わりにDisplayPort端子を備える。スピーカーを装備しているほか、ヘッドホン端子があるのも便利だ
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:14ms●輝度:250cd/m2●コントラスト比:1,000:1(DV MODE DYNAMIC 25,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上30゚、下5゚●スイベル:左右340゚●インターフェース:DisplayPort×1、Dsub 15ピン×1、DVI-D(HDCP)×1、LINE IN×1、USB 2.0×4、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):550.1×220×379.1~489.1mm●重量:7.4kg
ピボット表示に対応した
PVAパネル採用ディスプレイ
「SyncMaster F2380MX」は、サムスンのフルHD解像度のPVAパネルを採用する液晶ディスプレイだ。PVAパネルはサムスンが開発した改良型のVAパネルで、コントラスト比の高さを特徴としている。実際、F2380MXでも、コントラスト比は3,000:1と優れた数値を実現している。
視野角も広く、画面の中央と端での色みの違いが小さく抑えられている。sRGBカバー率100%の色再現性を持つため、デザイン用途にも堪え得る表示品質を持つなど、静止画質重視の作りの製品と言えるだろう。
本機ならではの特徴として、低価格帯の製品ではめずらしいピボット機能が挙げられる。たとえば複数のウィンドウを並べて使いたいときは横位置、Webサイトを集中して見たい場合は縦位置など、用途に応じて使い分けられる。さらにこのスタンドは、高さやスイベル、チルトの調整が可能なため、場面に応じて液晶ディスプレイの位置を自在に変更できるのもメリットだろう。 高画質のPVAパネルやピボット機能など、高価格帯の製品に劣らない装備を誇り、魅力的な製品に仕上がっている。幅広いユーザーにお勧めできる製品だ。
(宇野貴教)
- Samsung
- SyncMaster
F2380MX - 実売価格35,000円前後
- 問い合わせ先:0120-327-527(日本サムスン)
URL:http://www.samsung.com/jp/
- VAパネル
- 23型ワイド
- ピボット表示
高コントラストでメリハリのある画質
全体的にコントラストが高く、明暗がハッキリと再現されている。ただ白黒部分以外の色みはやや淡く、あっさりとした印象を受ける
高機能なスタンドを装備
スタンドは高さとスイベル、チルトの調整に対応しており、柔軟性は高い。シンプルなデザインで飽きの来ない作りになっているのも魅力だ
色変化はほとんど感じられず、斜めから見てもまったく問題ないレベル。複数のユーザーで映像を見るといった用途にも堪えられる
画面を90゚回転できるピボット機能を持つ。この価格帯でピボット可能なスタンドを備える製品はめずらしく、貴重な1台だと言える
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:8ms●輝度:300cd/m2●コントラスト比:3,000:1(DC 150,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上20゚、下1゚●スイベル:左右270゚●インターフェース:HDMI×1、DVI-D(HDCP)×1、Dsub 15ピン×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):545×216×346.5~476.5mm●重量:6.3kg