ナナオの性能と品質を
低価格で実現した入門機
高画質ディスプレイのメーカーとして知られるナナオは、AV機能に優れた製品やテレビ兼用製品を「FORIS」ブランドとして展開している。このブランドでもナナオらしい性能と品質を具現化した製品を展開しており、「魅力も高いが価格も高い」ため、初心者には手を出しにくい面があった。こうした消費者の声を受けて急遽提供されることになったのが「FORIS FS2331」だ。
FS2331は、直近に登場した地デジチューナー付きの液晶ディスプレイである「FORISFX2301TV」の流れを受ける製品で、チューナーを省いたモデルという位置付けだ。ただすべてのスペックがグレードダウンしているわけではなく、FX2301TVのTNパネルに対し、FS2331ではVAパネルを採用しているなど、表示品質の面ではむしろFX2301TVを上回る。実際の画質だが、VA型液晶パネルの恩恵で、コントラスト感に優れている。ネイティブコントラストは公称値3,000:1。これは液晶テレビ並で、暗部に黒浮きが少なく、かなり暗い領域の色みまで正確に表現する。業界最速の表示遅延0.13フレームを達成していることから、ゲーム用ディスプレイとしても定評がある。
(西川善司)
- EIZO
- FORIS FS2331
- 実売価格44,000円前後
- 問い合わせ先:0120-956-812
URL:http://www.eizo.co.jp/
- VAパネル
- 23型ワイド
デザインワークにも対応する高画質モデル
VA型液晶らしい黒の締まりが魅力。このFS2331、実はデザインワーク向けディスプレイであるFlexScan EV2334Wがベーススペックになっており、画質は保証付き
ヘッドホン端子を装備
本体側面にはヘッドホン端子が用意されている。スタンドは上20゚、下5゚のチルト調整が可能だが、高さやスイベル調整機構はない
スペック上の視野角は、上下左右ともに178゚でIPSパネルと同等だが、斜めから見た場合にVA型液晶のほうが色みが変化する
入力インターフェースはDVI-DとDsub 15ピンのほか、2系統のHDMI端子を装備している
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:25ms(中間色域7ms)●輝度:300cd/m2●コントラスト比:3,000:1(コントラスト拡張 10,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上20゚、下5゚●インターフェース:Dsub 15ピン×1、HDMI×2、DVI-D(HDCP)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):549×212×403mm●重量:約6.9kg
コストパフォーマンスの高い
マルチメディアIPS液晶
三菱電機の「RDT232WX-S」は、いわゆるマルチメディア液晶ディスプレイに属し、PCやAV機器、ゲーム機までを想定した「何でも接続できる」製品だ。AV機器との接続に対応した接続端子を揃えているだけでなく、ステレオスピーカーまで内蔵しているのも特徴だ。ディスプレイ内蔵のスピーカーは「音質が悪い」、「音量が小さい」という製品が多い中、本機のスピーカーは比較的大きな音量で再生でき、しかもなかなかフラットな周波数特性で音質もよい。HDMIで伝送されてきた音声の再生にも対応しているので、HDMI端子を持つAV機器やゲーム機を接続すれば本機だけでコンテンツを楽しむことができる。
液晶パネルはIPSを採用している。色再現性と広視野角性能に優れ、高画質AVモニタとしても利用できる。ラインナップとしては光沢パネルを採用したRDT232WX-Sと、非光沢パネル採用のRDT232WXが用意されているので、好みに応じて選択できるのもメリット。なお、映り込みに配慮した設置ができるのであれば、フォーカス感とコントラスト感に優れる光沢パネルモデルのほうをオススメしたい。
(西川善司)
- 三菱電機
- Diamondcrysta WIDE
RDT232WX-S - 実売価格42,000円前後
- 問い合わせ先:03-3424-9298
URL:http://www.mitsubishielectric.co.jp/
- IPSパネル
- 23型ワイド
鮮やかな発色でAV用途にも最適
階調再現性が高く、シャドー部からハイライトまでなめらかにグラデーションを表示している。発色も鮮やかで、IPSらしい表示品質の高さを堪能できる
付属ブロックで高さを調整
スタンドの支柱は、設置したい高さに応じてダルマ落とし的にブロックで調整するユニークな構造。上20゚、下5゚のチルト調整にも対応する
IPSパネルだけあって斜めから見たときの視野角変調が少ない。その点で、メインディスプレイの左右や上に設置するマルチディスプレイ環境用にもオススメだ
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:中間色域3.8ms●輝度:300cd/m2●コントラスト比:1,000:1(CRO 5,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上20゚、下5゚●インターフェース:Dsub 15ピン×1、DVI-D(HDCP)×1、HDMI×2、コンポーネント(D5)×1、LINE IN×1、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):546×230×393~453mm●重量:約6.3kg
ゲーム用途に最適な機能を
多数搭載した高級モデル
HDMIが普及したことから、PC用ディスプレイにAV機器やゲーム機をつないで使うといったことがめずらしくなくなった。三菱電機から登場した「VISEO MDT231WG」は、こうした用途に最適な機能を多く盛り込んだ液晶ディスプレイだ。
注目したいのは、映像のブレを抑えるために搭載された「LEDバックライトブリンキング」と、残像感を抑える「LEDバックライトスキャンニング」という二つの機能である。前者は液晶が応答している間はバックライトを消し、応答が完了する直前にバックライトを点灯するという仕組だ。これによって書き換え途中の映像を人間の目から隠蔽し、映像のブレを抑えている。LEDバックライトスキャンニングは、1フレーム分の映像を一度に表示するのではなく、バックライトを制御して部分ごとに順次走査するよう制御することで残像感を抑えるというもの。この二つの機能でブレや残像感を低減し、キレのある映像を実現している。
これらの機能がとくに威力を発揮するのがゲームプレイ時で、とくにリアルタイム性が高いゲームでは大きなアドバンテージとなるだろう。
(川添貴生)
- 三菱電機
- VISEO MDT231WG
- 実売価格110,000円前後
- 問い合わせ先:03-3424-9298
URL:http://www.mitsubishielectric.co.jp/
- IPSパネル
- 23型ワイド
- LEDバックライト
- 倍速補間
- ピボット表示
IPSパネルらしい鮮やかな発色
単にゲームに最適な機能が盛り込まれているというだけでなく、出力される映像のクオリティもハイレベル。映像作品の視聴に使っても満足できる
ステレオスピーカーを搭載
スタンドはチルトとスイベルに対応。ステレオスピーカーも搭載しており、HDMI経由で入力された音声を高音質で出力できる
IPSパネルということで、視野角も文句なし。多人数でのゲームプレイでも十分に対応できるほか、身体を動かして遊ぶゲームでも問題ない
スタンドはピボット表示に対応している。なお回転するのは液晶パネルだけで、スピーカーはもとの位置から動かない
【Specification】 ●液晶パネル:23型ワイド●最大表示解像度:1,920×1,080ドット●応答速度:中間色域5ms●輝度:350cd/m2●コントラスト比:900:1(CRO 5,000:1)●視野角:水平178゚/垂直178゚●チルト:上20゚、下5゚●スイベル:左右70゚●インターフェース:Dsub 15ピン×1、DVI-D(HDCP)×1、HDMI×2、S-VIDEO×1、VIDEO×1、コンポーネント(D5)×1、S/P DIF OUT(光角型)×1、LINE IN×2、LINE OUT×1、ヘッドホン×1●本体サイズ(W×D×H):543×226×387~447mm●重量:約11kg