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液晶ディスプレイを取り巻くトレンドに注目！

低価格液晶ディスプレイを一斉テスト 1/4

低価格液晶ディスプレイを一斉テスト 2/4

低価格液晶ディスプレイを一斉テスト 3/4

低価格液晶ディスプレイを一斉テスト 4/4

その他の特集（2011年）

高級 vs. 低価格！液晶ディスプレイ群雄割拠

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TEXT：宇野貴教

買う前に覚える液晶ディスプレイの基本

PC本体と同じように、液晶ディスプレイにも細かなスペックが存在する。自分の使い方を見きわめた上で、どんなスペックや付加機能が必要なのかを知ることが、液晶選びで失敗しないための近道と言える。

　PCの用途によって、液晶ディスプレイに求められる性能は変わってくる。まずは自分の目的を明らかにしておこう。たとえば、フォトレタッチや動画鑑賞が中心なら、画像を見栄えよく表示させるにために輝度やコントラスト比が重要だ。この値が大きいほうが明るくメリハリのある画像になる。実用的なアプリケーションが中心なら、解像度が高いほうが快適に作業できる。複数のPCを持っているなら、入力端子を数多く装備しているほうがなにかと便利だ。

　現在の液晶ディスプレイはアクティブマトリクス制御のTFT方式が主流だが、同じTFT方式でも光を透過させる仕組はTN、VA、IPSなど複数の種類があり、どの仕組を採用しているかで画質と価格が大きく変わってくる。今回紹介している製品はいずれもTNパネルが採用されているが、この方式はローコストで製造できるかわりに、視野角が狭く、少し視点をズラしただけで色みが変化するという弱点がある。TNパネルを使う際は、視点と液晶を適度に離して利用するのがよいだろう。

スペック表はここに注目

（1）入力端子

デジタル入力のDVI、アナログ入力のDsub 15ピンが主流。HDMI端子を装備していれば、ゲーム機やAV機器も手軽に接続できる

（2）視野角

視野角は一定以上のコントラスト比で表示できる角度。170°前後が標準クラスだが、数値を過信せず実際に製品を見たほうがよい

（3）輝度・コントラスト

輝度は400cd/m2以上、コントラスト比は700：1以上で優秀な数値と言える。動画再生重視するなら押さえておきたい

（4）応答速度

ゲームや動画といった動きのある映像を残像感なく表示させるのに必要。10ms以内なら心配のないレベルである

液晶ディスプレイの内部構造

液晶層に電圧を加えると、中に含まれる分子の向きが変化する。これによりランプの透過量を調節し、カラーフィルタを通してさまざまな色を表現している。液晶の1画素は光の三原色「RGB」で構成され、それぞれが最大輝度のときに白く見える

TN（Twisted Nematic）方式

電圧をかけていないと液晶分子は偏光板と並行に90°ねじれた状態だが、電圧がかかると偏光板に対して垂直になり、光が遮断される。中間階調では斜めの状態なので、見る角度により光の量が異なり視野角が狭くなってしまう

VA（Virtical Alignment）方式

電圧をかけていない状態では液晶分子が偏光板に対し垂直に、かけている状態では水平になる。電圧OFFでは光をほぼ完全に遮断するので、黒が美しく表示される。中間階調は液晶分子が斜めになるが、色みの変化はTNより少ない

　液晶はその構造上、色を変化させるのに時間がかかるため、いかに色の切り換えを素早く行なうかが重要な要素となっている。この指標となるのが応答速度で、一般的に黒→白→黒と変化するまでの合計時間を示している。しかし、パネル方式にもよるが、グレー→白→グレーといった中間階調域では黒→白→黒よりも時間がかかってしまうため、パネルにかける電圧を一時的に増減させて駆動を速める「オーバードライブ回路」を搭載する製品がある。オーバードライブ回路を搭載していると残像感の低減に効果があるので、ゲームや動画再生がメインなら有無をチェックしておきたい。

　ディスプレイは入力される電圧に対し、輝度が曲線的に上昇する。この関係をガンマ特性と呼ぶが、液晶パネルによってはこの曲線が荒い変化をしている場合があり、階調の変化が雑になってしまう。低価格機では採用例が少ないが、「ガンマ補正」機能が搭載されていれば、この曲線をなめらかに調整してくれる。

残像感を減らすオーバードライブ

オーバードライブ回路は、液晶分子にかける電圧を変化させるときにその変化量を一時的に増減することで素早く液晶分子を移動させる。動画再生やゲームといった動きのある画像を表示させる場合に絶大な効果を発揮する

ガンマ補正で階調変化をなめらかに

入力した信号を高bit数で多階調化しガンマ補正をかけることで、ガンマ特性が描く曲線をなめらかにしている。これにより、グラデーションのきれいな画像を表示できる

USB接続のディスプレイアダプタを使う

ラトックシステム

REX-USBDVI

実売価格：8,000円前後

問い合わせ先：03-5207-6420/06-6633-6766
URL：http://www.ratocsystems.com/

　多くのノートPCは外部ディスプレイ端子を装備しているが、大抵がアナログ出力のDsub 15ピンである。SXGA程度であればアナログでも問題ないが、最近の高解像度液晶だと伝送劣化によるにじみなどが発生しやすいため、DVIと比較すると画質はどうしても劣ってしまう。こうした問題を解消するのがUSB接続のディスプレイアダプタで、最近はDVIに対応した製品が増えている。ラトックシステムの「REX-USBDVI」もその一つだ。

　製品の構造は非常にシンプルで、本体のUSBポートをPCに、DVI-I端子を液晶に接続するだけだ。本体サイズは手のひらに乗る程度であり、USBバスパワーで動作するためACアダプタは必要ない。実際に使用してみたところ、Windowsからはディスプレイアダプタとして認識されているようで、画面プロパティでは接続した液晶ディスプレイがビデオカードとは別のディスプレイアダプタにぶら下がって見えている。オーバーレイでの動画再生はコマ送りになってしまったが、それを除けばとくに不満点はなく、実用性の高い製品と言えるだろう。

　デスクトップPCでも、ビデオカードが増設できない場合に簡単にディスプレイ端子を増やせるというメリットがある。手軽にDVI端子を増やしたいという人にオススメのアイテムだ。

ノートPCでもUSBポートの空きさえあれば簡単にDVIでディスプレイが接続できる。本体は小さく、ACアダプタも必要ない