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Blu-ray Disc vs. HD DVD 真冬の決戦
TEXT:北川達也
メディアの製造コストは下げやすいHD
低価格化への課題はピックアップ
 次にHD DVDのメリットだが、これは、メディアの製造コストやピックアップの設計のしやすさなどの部分だ。とくにHD DVDメディアの製造コスト低減における潜在能力は非常に高い。HD DVDでは、従来のDVD製造ラインとの兼用ラインを設計でき、製造する側にとっては投資リスクが少なく、DVDからHD DVDに移行する場合にも効率的な製造が行なえる点はメリットだ。メディアの構造が従来のDVDと同じであるため、製造ノウハウが活かしやすく、台湾メーカーなどの参入障壁が低いことも低価格化に寄与する。

 対してBDでは、保護層が0.1mmと薄く、厚みのバラツキを「±2μm」以内に収めなければならないなど製造難易度はHD DVDと比較して高い。メディアは最終的に数多く出荷したほうが安価になるものだが、同じ数を出すなら製造しやすいHD DVDのほうが有利だ。

 ピックアップの設計に関しても同様だ。HD DVDでは、従来のDVDとほぼ同じ光学系であるため、1対物レンズ方式のHD DVD/DVD/CD兼用ピックアップを製造する場合にCD/DVD用ピックアップ製造のノウハウを活かしやすいのがメリットだ。と言うのも、通常、1対物レンズで複数のレーザーの波長を制御するピックアップを設計する場合、最新の技術(規格)にまず適応させ、その後、残りの古い規格に適応させてゆく。これを前提に考えると、対物レンズの開口数が従来のDVDとほぼ同じ「0.65」のHD DVD場合、残りの部分に相当するCDとDVDがもともと「0.6」の対物レンズで設計されていたので、調整しやすいのだ。対して、BDは従来のDVDよりもはるかに高開口数の「0.85」の対物レンズを採用するため、HD DVDほど簡単にはいかない。実際に、記録型BD用のピックアップは、BD専用の光学系と、すでに完成されたCD/DVDの光学系を別々に搭載する2対物レンズ方式が現時点では「ベスト」の解と言い切るメーカーもある。これは、難易度の高い1対物レンズ方式のピックアップを開発するよりも、それぞれで合わせ込める2対物レンズ方式のほうがコスト、性能の両方で作りやすいことを意味している。

 ただし、現時点では、HD DVDのピックアップ開発のメリットは価格には反映されてないのも事実だ。と言うのも、記録型BD/HD DVD用のピックアップは、主要パーツである高出力の青紫色レーザー素子の歩留まりが悪く、これがピックアップの価格に影響を与えているからだ。青紫色レーザー素子の歩留まりは、PS3の製造でも話題になったが、現状では再生用のレーザー素子が軌道に乗ってきたという感じで、記録用はまだこれからと言うところにある。結局のところ、ピックアップも数がどれだけ出るかで価格は大きく変動する。現時点では記録用ピックアップの単価が高いだけでなく、ドライブ自体の出荷量も少ない。要するに数が出ていない。この状況下では、多少のメリットがあろうともコスト的な差はほとんどない。
image左がSDコンテンツ、右がフルHDコンテンツ。画質の差は一目瞭然だ。これからはこのHDクオリティが標準となってゆく
次世代光学メディアも徐々に登場
image現在もっともメジャーな記録型DVDメディアであるDVD-Rは16倍速対応が最速
imageBD-Rメディアで現在一般的なのは1~2倍速記録に対応した1層メディア。写真の日立マクセル製データ用は1枚1,800円前後
image2006年12月現在、店頭で唯一入手できる日立マクセル製のHD DVD-Rメディア。1層の録画用で1枚1,600円前後
記録型DVDを徐々にリプレース 本格的な普及は、2008年か!?
 BD/HD DVDは、いずれも現時点では、ドライブ、メディアともに価格が高いだけでなく、コンテンツも少ない。このため、両者とも記録型DVDをリプレースしながら徐々に普及するというのが、現状での予測だ。また、2008年にはドライブの価格も安くなり、急速に普及する可能性が高いと予想される。

 と言う一つの理由は、前述した高出力レーザーの歩留まりが、2007年には改善されるのではないかと予測されることだ。これによって、多少なりともピックアップの低価格化が図れると同時に安定生産が見込めるようになる。ドライブの価格は、記録型DVDのときもそうであったが、年30~40%程度価格が下がっていくのが一般的だ。これからいくと、2007年は、5万円前後、2008年ぐらいには、3万円台で購入できるようになるはずだ。

 PC向けには、再生PCのスペックの問題もある。BD/HD DVDで採用されたH.264やVC1などの最新コーデックは、その再生に多くのCPUパワーを必要とする。BD/HD DVDのフルスペックの機能をきちんと再生するためには、現状の最速CPUがベストだ。このため、2007年では、ミドルレンジぐらいのPCが最低でも必要で、ローエンドまでカバーするためには、2008年ぐらいまでかかるだろう。

 BD/HD DVDの普及にはコンテンツの普及も欠かせないが、これも2008年頃から本格化することが予想される。現時点では、ハリウッドは、DVDの延命に力を注いでおり、2007年はコンテンツのダウンロード販売に力を入れるようだ。このため、BD/HD DVDに本腰を入れるのは2008年以降になる可能性が高い。また、2008年には北京オリンピックという大きなイベントもある。BD/HD DVDの本格的な普及は、さまざまな状況が2008年頃を示しているのである。
動画コーデックいろいろ
BD/HD DVDでは、従来のDVD-Videoに相当する再生専用の規格として、それぞれ、BDMV(BD-Videoとも呼ばれる)とHD DVD-Videoが準備されている。動画コーデックは、いずれもMPEG2、H.264、VC-1の3種類が使用でき、どのコーデックを使用するかは、コンテンツを発売するメーカーが自由に選択できる。とくに注目されるのは、H.264とVC-1である。これらは最新の動画コーデックということもあり、MPEG2と同レベルの画質を約3分の1のbitレートで実現できる点が特徴だ。現時点では、H.264もしくはVC-1を使用したコンテンツは、平均16Mbps程度のbitレートで作成されており、25GBの容量で、約3時間の映像を収録できるが、将来的にはより低いbitレートが使用される可能性が高い。
MPEG2:従来のDVD-Videoでも採用されていた動画コーデック。BDでは、最大40Mbpsのbitレートを使用できる

H.264:MPEG4 AVCとも呼ばれる動画コーデック。MPEG2と比較して、約3倍の高圧縮を実現する点が特徴だ

VC-1:Microsoftが開発した動画コーデック。技術的にはH.264に非常に似ており、とくにPC再生環境との親和性が高い
次世代DVDにおける著作権保護
BD/HD DVDでは、ハイビジョンコンテンツを扱うということで、現行のDVD以上にさまざまな著作権保護技術が採用されている。その技術は大きく分けて三つある。一つがメディアの複製を制限するもので、「AACS(Advanced Access Content System)」と呼ばれるものだ。もう一つ、再生にかかわる保護技術で、「HDCP(High-band width Digital Content Protection system)」とPCで再生する場合に使用される「COPP(Certified Output Protection Protocol)」がある。HDCPはディスプレイなどに送る信号を暗号化し、不正なコピーを防止するために使用される保護技術。COPPは、コンテンツ保護の制御を行なうアプリケーションとGPUの間で著作権保護の仕組をコントロールするための技術で、OS側の対応も必要だ。Windows Vista/XP SP2には、この技術が実装されている。
image
DVD、HD DVD、Blu-ray Discの主な仕様の違い
  DVD-R DVD-RW DVD-RAM HD DVD-R
記録容量 1層:4.7GB
2層:8.5GB
1層:4.7GB
2層:8.5GB(策定中)
1層:4.7GB 1層:15GB
2層:30GB
転送速度 11.08Mbps 11.08Mbps 11.08Mbps 36.55Mbps
ファイルシステム UDFブリッジ UDFブリッジ UDFブリッジ UDF 2.5
コンテンツプロテクション CPRM CPRM CPRM AACS
  HD DVD-RW HD DVD-RAM BD-R BD-RE
記録容量 1層:15GB
2層:30GB
1層:20GB 1層:23/25GB
2層:46/50GB
1層:23/25/27GB
2層:46/50/54GB
転送速度 36.55Mbps 36.55Mbps 36~72Mbps 36~72Mbps
ファイルシステム UDF 2.5 UDF 2.5 RRM/SRM:UDF2.5
SRM+LOW:UDF 2.6
UDF 2.5
コンテンツプロテクション AACS AACS AACS BDCPS(Ver.1)
AACS(Ver.2)
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