DOS/V POWER REPORT

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	OCGP 2010 - Core i7&i5 オーバークロックチャレンジ - 豪華景品多数! OC初挑戦も世界記録狙いも全部集まれ!!


各賞をゲットしたのはこのマシンだ!OCGP2010 -Core i7&i5 オーバークロックチャレンジ- 結果発表!!

総評

OCGP 2010クラス別エントリー数

 Intelの最新CPU、Core i7/i5を使用したオーバークロック自作PCのコンテスト「OCGP 2010 ー Core i7&i5 オーバークロックチャレンジ ー」は、1カ月半に渡る開催期間中に223件ものエントリーを集め、無事締め切りを迎えました。すでに発表したクラス賞、特別賞、協賛メーカー賞、協賛ショップ賞に続き、最高賞“オーバークロックグランプリ”を発表いたします。

 グランプリ発表の前に、エントリーの全体的な傾向を見てみましょう。使用CPUに関しては、Core i7-920がもっとも多く、48件ものエントリーがこのCPUを使っていました。そして1件の差で自作派に人気の高いCore i7-860が続くのですが、なんとこれと同数のエントリーがフラグシップモデルのCore i7-980X Extreme Editionを使用していました。もともとExtreme Editionは倍率ロックフリー仕様であることからオーバークロック向きではあるのですが、予想を上回る応募が集まりました。ベンチマークスコアも優秀なものが多く、最新の32nmプロセスと6コアの威力を見せ付ける結果となりました。次いで、Core i5-750/670/661/680とCore i5勢が続きます。とくに6xxシリーズは32nmプロセス製造のデュアルコアCPUということでクロックの向上率が高く、動作クロックそのものが評価対象となる“PiFast空冷最高クロックチャレンジクラス”で健闘しました。実際に空冷で5GHzを超えるエントリーが続出しており、そのOC耐性はかなり優れたものと言えそうです。

 使用されたマザーボードのメーカーは、自作市場においてシェアトップのASUSTeKが半数近くを占めており、オーバークロッカーからも強く支持されていることが分かります。GIGABYTE、MSIといった大手もオーバークロック機能を充実させた製品をラインナップしていることから多くの使用者がありました。オーバークロックがテーマであるOCGPならではのトピックとしては、EVGAの使用エントリーが2位となっていることが挙げられます。同社は極冷環境をも意識したOC向け仕様のマザーボードをラインナップしており、ベンチマークでの記録を狙うパワーユーザーを中心に多くの使用例が見られました。

 CPUクーラーの使用状況を見るとサイズ製品の使用率が高くなっています。十分な冷却能力を持ちながら比較的静音性が高く、コストパフォーマンスに優れる同社の製品は実用派のオーバークロッカーに多く使用されている感があります。2位のPROLIMA TECHと3位のThermalrightの製品は空冷タイプのクーラーでは高級なもので、その確かな冷却能力が認められているようです。また、オーバークロックメモリで有名なCorsair Memory製の間に水冷キットのユーザーが目立ったのもおもしろいところです。

 ちなみに、エントリーされたCPUの定格クロックの平均値は2971.8MHz、オーバークロック後の平均値は4612.1MHz、なんと約55%もクロックを引き上げることができています。液体窒素などで冷却した記録も含まれているとは言え、Core i7とCore i5のオーバークロック耐性の高さが確認できる結果と言えるでしょう。

CPUモデル別使用件数(Twitterエントリー含む)マザーボードメーカー別使用件数(Twitterエントリー含む)CPUクーラーメーカー別使用件数(未記載エントリー、Twitterクラス除く)

オーバークロックグランプリ

賞品

トロフィー ・・・・・ 1名
合わせてDOS/V POWER REPORTにて受賞者へのインタビュー記事(1ページ)を掲載。掲載ページを額装の上で贈呈。

(提供:株式会社インプレスジャパン)

<受賞者>
Eric 氏
<受賞作品テーマ>
GT-Rは伊達じゃない! 電源以外ファンレスで4.3GHz動作
<応募クラス>
制限なし!オレのOCを見ろ!!クラス
<受賞マシンの構成パーツ>
CPU Intel/Core-i7 920(D0)
マザーボード GIGABYTE/GA-EX58A-UD7
メモリ Corsair/TR3X6G1600C7D
ビデオカード PowerColor/AX5750 1GBD5-S3DH
HDDもしくはSSD Intel/SSDSA2MH080G2R5、Western Digital/WD15EADS、WD5000AAKS *2(RAID0)
光学ドライブ IO-DATA/BRD-SM4B
CPUクーラー 水冷システム:Alphacool/HF 14 Livingstone
ケース Owltech/黒鉄(くろがね)=OWL-PC720(B)
電源 Seasonic/SS-750KM
そのほかの
冷却関連パーツ
水冷システム:Laing/D-5 DC-Pump、D-4 Basic DC-Pump(ポンプ)、KOYORAD/BNR34 GT-R TYPE-R(ラジエター)、BILLION/SUPER THERMO LLC TypeS(冷媒)、EK Water Blocks/EK-Multioption reservoir 250(リザーバー)、KOOLANCE/INS-FM17(流量計)、標準添付品(チップセット)
使用OS Microsoft/Windows 7 Ultimate 64bit
上記以外のパーツ
CPUクロック 4325.8MHz
PiFast10M
(second)
PiFast100M
(second)
3DMark06-CPU

OCと静音、相反する要素に挑戦した意欲作

最高賞“オーバークロックグランプリ”の栄冠は、制限なし!オレのOCを見ろ!!クラス賞を受賞したEric氏に輝いた。水冷用のラジエータに日産スカイラインGT-R用のものを採用。電源以外ファンレス化しており、水冷用のポンプもクローゼットに収めて遮音するという徹底ぶり。「Windows 7杯 自作PCの祭典 2009」エントリー時に使用していたGeForce GTX 285搭載ビデオカードを発熱の小さいRadeon HD 5750カードに交換することで生まれた冷却能力の余力でCPUをOCしている。

審査員より

オーバークロックPCと言っても、記録狙いや実用時の性能アップを意識したもの、コストパフォーマンスの引き上げ、所有パーツの可能性を引き出してみたいなど、コンセプトは実にさまざまです。そのため、最高の1台を決めるオーバークロックグランプリの選出ではさまざまな意見が交わされました。結果として選ばれたのが本エントリー。とくに高く評価したのは、オーバークロックと静音性という相反する要素の両立に挑戦し、水冷システムを駆使して4GHz超での常用可能なクロックとファンは電源の1個だけ、という静音性を実現した点です。クロック自体は高いベンチマークスコアを記録したほかのエントリーよりも控えめですが、そのクロックや電圧の設定は常用を意識したもので、しっかりと説得力があります。そして、ラジエータまで含めて、完成されたPCとしてルックスの美しさも保たれています。このバランスを追求した点に自作PCとしての大きな可能性を感じました。
(DOS/V POWER REPORT編集部 編集長 佐々木修司)