クアッドコア&DDR3 オーバークロック大会 結果発表!

DOS/V POWER REPORT賞 賞金50,000円+Gainward HD 4870 512MB

<空冷パーツのみを使い、常用環境でどこまでオーバークロックできるかを評価>

zodiac brave氏

●到達クロック:4,203.3MHz(Core 2 Quad Q9550) ●3DMark06 Score:15,160 ■エントリーページ

4.2GHzオーバーで、Prime95クリア。しかも内蔵HDD10台(うち9台が1TB)の大きなオマケ付き! パワフルな空冷常用環境を実現した1台。

審査員から対象は空冷パーツの常用環境ということで、どこまでOCできるかだけでなく、総合的な使い勝手を合わせて評価しました。本作品は、普段使っているマシンのパフォーマンスを最大限まで高めたいからOCする、という意気込みが伝わってくる構成です。OC環境には不利になる総計10TBにもおよぶHDD群やサウンドカード、eSATAカードなどを実装しつつ、4GHzを大きく超えるCPUクロックを達成した秘訣は、ケースのTwelveHundredと電源のSILENT BLACK JAPAN 1100Wでしょうか。
(DOS/V POWER REPORT編集長 佐々木修司)

RoadRunner氏

●到達クロック:2,970.3MHz(Core 2 Quad Q6600) ●3DMark06 Score:1,099 ■エントリーページ

クロックこそ3GHzに届かないものの、何とmicroATXケースにファンレス巨大クーラーのOROCHIを搭載。ACアダプタ電源でスペースを確保している。

審査員からOCしたい、でも小さい筐体で使いたい、静音性も譲れない。全部工夫でカバーできています。こういうオーバークロックの楽しみ方は大いにアリ! 市場にあまたとあるPCパーツの中には、意外なマッチを見せるものもあります。本作品の場合は、microATXケースのSST-SG03Bと巨大ファンレスクーラーのOROCHIですが、ACアダプタ電源がこれをうまくつないでいます。こういう意外性も自作PCのおもしろいところです。
(DOS/V POWER REPORT編集長 佐々木修司)

AKIBA PC Hotline!賞 賞金50,000円+Western Digital WD VelociRaptor WD1500HLFS×2台

<なるべく低いコストで最大限のパフォーマンスを狙うオーバークロックマシンが対象>

ぽぽろ氏

●到達クロック:3,262.5MHz(Core 2 Quad Q8200) ●3DMark06 Score:6,753 ■エントリーページ

「金銭面でムリをしない」をコンセプトに、秋葉原で購入したジャンク品や特価品を中心に構成を固め、3.26GHzのオーバークロックCPUでコストパフォーマンスを高めた1台。

審査員からコストパフォーマンスへのこだわりが光っています。パーツの購入価格と購入ショップ名をしっかり記録しているところもポイント高し。パーツの性能と秋葉原での実売価格を熟知している人ならではのPCでしょう。
(AKIBA PC Hotline!編集人 石橋文健)

Salt氏

●到達クロック:3,520.4MHz(Core 2 Quad Q9450) ●3DMark06 Score:5,065 ■エントリーページ

10年ものの電源と、コア電圧を少々上げてもクロックが伸びないハズレのQ9450で挑戦。設定を詰めることでここまでのOCを達成した。ユーザーの工夫だけでOCを楽しめるという好例。

審査員からあえて10年前から使っている300W電源をそのまま使おうというコンセプトがおもしろい。これでHDD 3台に4GBメモリ搭載したうえ、Core 2 Quad Q9450をオーバークロックして動かせているのはなかなかすごい。家に古い電源が余っている人は多そうだから、いろんな人を刺激するかも。
(AKIBA PC Hotline!編集人 石橋文健)

総評

総エントリーは82件。参加者を問わないオープン大会としたため、世界記録を狙うつわものから、OC初挑戦マシンを披露する自作ビギナー、PC本体やパーツを作成、販売するショップやメーカーまで幅広い層から参加がありました。
到達したCPUクロックという観点から見ると、約30のエントリーが4GHz超を達成、このうちのほとんどが45nmプロセスのCPUを使っていました。さらに、その中で4.5GHz以上を記録したのはわずか6名のみで、この辺りに一つの壁があることが分かります。この中でダントツのトップは5GHzオーバーを実現したBooooon氏のみでした。ちなみに、この上位6命中、3、4、5位は空冷仕様で、空冷でもテクニック次第で意外とクロックを伸ばすことができるという印象でした。ただ、2位の最速の大学生氏の水冷システムと3位のEKKE氏の空冷システムとの間には100MHz以上の開きがあることから、水冷のポテンシャルの高さを感じることができます。

おしくも賞を逃したマシンたち

最速の大学生氏

エントリーページ

CPUクロック堂々の2位! 5GHz越えのグランプリ作品とCore 2 Quad Q9650の空冷で4.5GHz越えを達成した2台のインパクトに挟まれ、おしくも賞は逃してしまいましたが、文句なしに立派な記録です。

ABR氏

エントリーページ

多くの審査員から好評だったのがこれ。往年の名機Gataway 2000 P5-90のAT筐体を改造し、ATXベースのCore 2 Quad Q9650システムを構築しています。しかも、4.2GHz駆動で静音性にも配慮、仕上げも美しいと、かなりの見どころがある作品です。以下、とくに思い入れの強かった“神様”天野氏のコメントです。

「神様賞は私、天野が好きに選んでいいよ、ということだったのですが(本当か?)、最高クロックのエントリーがグランプリに選ばれたため一旦白紙に戻してほかのエントリーを見ていたところ、懐かしい牛箱を使っている方を発見! ぜひこれで……とお願いしたのですが、審査委員会からの猛反対にあってしまい(w、あえなく断念。ただ、この箱がもとになって委員会は懐かしい話題で盛り上がりました……世代がバレるって(汗)」

ZKKE氏

エントリーページ

ゆうパックの箱を筐体とした改造バカ賞系のエントリー。審査員がウケていたのは、「ATXマザーがちょうど収まるゆうパックの箱がある」ことと、チープさを演出しつつよくまとまった外観でした。65nm世代のCPUで唯一4GHz越えのエントリーという点からも注目です。