Windows Vista杯 自作PCの祭典 2008

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水冷はどこまで小さくなれるか?

小型フォームファクタの宣伝マン(水冷教徒) (勝手にオレが一番!部門) 2009年01月16日 10時56分

◆エントリーマシンのアピール

08年夏にmicroATXキューブ系ケースで自作したマシンがあるのですが(もう一台のエントリー機ですね)、水冷用のポンプ搭載方法を検討するためにCADを利用したところ、これは最適化の手法として絶大な効果があると感じました。
それでは、この手法をマシン全体に適用したとしたら、いったいどんなものが出来上がるのだろうか?
新しいマシン(Phenom9750)と、サブマシンとして利用していた旧メインマシン(AthlonXP 2400+)の能力差が大きすぎて、もう少し処理能力の高いサブマシンが欲しかったこともあり、製作しました。
小型フォームファクタの持つ大きな可能性の一端でも示せたら、と思いました。

製作の方針としては、水冷であること、可能な限り水冷部分を増やすこと、筐体内完全内蔵を実現すること、リザーバを排した新しいタイプの水路を試すこと。
また、ケースの選定にあたって、可能な限り、吸気を底面より行うこととしました。天板や側版に穴をあけるのは、簡単なのですが、どうしても騒音の元となってしまいます。
当初案ではAbeeのacubic R10でしたが、筐体の内部構造上、以前に製作したマシンと同じようなものになってしまい、技術的な新規性が薄いという事情から、今回は除外。より面白いチャレンジとなりそうな(その分製作に苦労しそうな)、同社のC10を選択しました。もしかしたら、オレンジ色が気に入っただけなのかもしれませんが^^;
実際に設計作業に入ると…想像をぶっちぎる困難さが待っていました。妄想の上では2週間ほどでさくさくっと終わるはずが、ゲロ吐きそうになるほど頭悩ませながら1ヵ月半以上。配管が鬼門でした。なまし銅管(パイプベンダで曲げられる)の存在に気付いてよかったです。
設計開始より今の形になるまで、ほぼ3ヶ月かかっています。

こだわりのポイント
・フル水冷
17cmX17cmという超小型のM/Bでありながら、CPU、NB、SB、RAM、パワーモジュールの5箇所の水冷化を達成しました。見た目の迫力がけっこうすごいのが自慢ですが、普段は見えません。
他のパーツとの干渉を避ける低全高も達成しています。
出来上がってしまえば、なんてことのないものに見えるんですけどね…(溜め息)。
・完全内蔵
ケース外に余計なものが一切出ない完全内蔵設計です。ケースの省スペース性を生かし、スタイルを一切崩しません。
・新規製作の5インチベイ
ラジエータの搭載位置適正化および配管スペース確保のため、5インチベイを新規の形状で製作しています。バイスと金槌でコツコツ板金しました。地味な思い出です。
・準リザーバレス構造
インラインの冷媒タンクを排した野心的な設計です。内部スペースの節約に貢献します。小さなサブ配管で若干の水量調整とメンテナンスを行います。。
・300W電源内蔵
将来的にもっと高消費のCPU搭載を予定しているため、300WのSFX電源を搭載しました。
また、外付けのACアダプタを必要としないため、非常にスマートです。
・リッチなドライブ構成
あまり小さなケースではなかったので、その分中身の充実度にこだわりました。純正の3.5インチおよび5インチドライブベイスペースがそのまま利用可となっています。
さらには、5インチベイ上方に新たに2.5x2ベイを増設し、流行の2.5SSDを搭載できるようになっています。

◆Windows Vistaを使って良かったと感じた点

今回システムドライブを2.5SSDx2のRAID 0としているわけですが、XPをインストールしようと思うとFDDが必要だったりドライバ統合CDを作らなくちゃならなかったりなど非常に面倒なのですが、Vistaなら、どこのご家庭にも必ず転がってるようなUSBメモリ一本あればいいので楽ですね。ハードウェア製作で疲れた心にはとても有難かったです。
エアロはきれいで、安くなった大画面高解像度液晶にピッタリです。
使い勝手に与える影響も、今回大仰な内部構造のわりには控えめなパフォーマンスのPCですが、それでも操作感にはまったく問題ありません。こと重さに関しては、今から自作するなら、XPじゃなくても心配はないように思います。

◆エントリーマシンの構成パーツ

CPUAMD Athlon XP 5000+ BE
マザーボードJ&W MINIX-780G-SP128MB
メモリーPatriot DDR2-800 SO-DIMM 2GB x2
CPUクーラー水冷
HDDSILICON POWER SP032GBSSD650S25 x2(RAID 0)
Western Digital WD10EACS
光学ドライブPlextor PX-B910SA
ビデオカードN/A
ケースAbee acubic C10 パプリカオレンジ
電源Owltech SS-300SFD
モニター三菱 MDT241WG
上記以外のパーツ水冷システム:
CPU - Alphacool NexXxos XP Silver Chipset - Alphacool NexXxos SNB-N Silver Northbridge
メモリ - Thermaltake Spirit RSベース改造品 VRM - Alphacool MB Heattrap RegCooler Universal G1/4
ラジエーター - HARDWARE LABS Black Ice GTX-M160   ポンプ - Bitspower CYBER PUMP X1
使用OSHome Premium 64bit
使用OSの
パッケージ形態
DSP版(Ultimate α/Σなどを含む)
水冷はどこまで小さくなれるか? 1 水冷はどこまで小さくなれるか? 2 水冷はどこまで小さくなれるか? 3 水冷はどこまで小さくなれるか? 4 水冷はどこまで小さくなれるか? 5

コメント(3)

いやー凄いですね!
驚きました。
私もMINI-ITX好きで自作してますが、水冷化においては、
せめてリザーバとラジエターくらいは外付けかなぁー
と考えてました。

しかし、水冷教徒さんの場合は全て内蔵じゃないですか!?
いや、凄い!
感嘆です。

あはは、ありがとうございます。
店頭でケース内部じーっと眺めてて、「あれ、これいけるんじゃね?」って考えてしまったのが地獄行き切符。
図面あるんですけど、やります? なんてw
でも、内蔵ラジは本当はもう一手間必要なんですよね。X4化すると多分耐えられない。
今回時間の関係で詰め切れなくてβ版って感じなんですけど(という点はナイショですw)。
リザーバは外付けも味があっていいと思います。エア抜きのために一時的に背負わせてましたけど、このままでいいんじゃないかってだいぶ悩みましたもん。


いいですよね、小型マシン! Atomとか出てきて最近盛り上がってますけど、ハイパフォーマンス系にもっともっと!! 注目集まって欲しいです。Dual GPU全内蔵水冷とか野望です。
あ、ちなみに水冷化ならR10の方が適してると思います。C10はホントただの酔狂。
http://www.dosv.jp/contest/vistacup/entry/2009/01/005412.htm
↑これの応用でいけるはず。ご参考まで~

これぞ自作!って。
もっと評価されてもいいのでは。

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