毎年この時期になると、自作の虫が蠢いてきて何か作るということをここ数年間繰り返しているのであるが、今回は偶然にもこのオーバークロック大会があるということで、この大会への参加資格が持てる構成で組むことにした。
大会にエントリーするからには、当然賞を取ることを狙いたい。しかし、パフォーマンス勝負では相当の費用がかかってくる。まあ、費用面を考えると、いつものとおり基本はあり合わせのパーツになってしまうが、それでは全く目立つことができない。
コンセプトがなかなか思いつかないまま、ふと、手元に転がっている古い電源が目に入った。Seasonicの350W電源である。メインマシンで使っていたが、HDDが5台構成になった時点で電力不足で起動しなくなったため、放置されていたものである。「これでオーバークロックしたら、どの程度までいけるのだろうか」上限が350Wということなので、一応省エネともいえる。よし、これでいこう。
必須のベンチマークは3Dmark06なので、350W電源でどこまでスコアを上げられるかに挑戦してみることとなった。

いずれにしても、まずは測定が必要である。とりあえず、グラボにGeForce7800GTを使ってワットチェッカーで電力を測定してみた。
Q6600を3.6GHzにオーバークロックするのはそう難しいことではなかったが、この状態で電力を測定すると、ピークで280Wを付けてきた。
けっこう長く使った電源なので、一応スペックではピーク380Wであるが、おそらくそこまでは耐えられないだろう。そうすると、あと100W増えるとアウトである。
到底4870X2やGTX280などは使えない。色々とネットで調べてみると、3Dmark06はATIが高スコアを取っており、中でも3850のCrossFireは、標準解像度であればGTX280を超えるスコアになっている。3850はほぼ7800GTと消費電力が同レベルなので、何とかCrossFireで380W以下に抑えられそうだ。

結果はごらんのとおりである。
350W電源で、17000を超えたPCは自分が最初に違いない、そう思いたい。ピークで370Wを記録し、コンスタントに340Wを超えていた。電源FANは唸りを上げて回っており、ベンチマークを終えてもしばらくはそのままだった。

測定値の中で、CPUスコアは7800GTで測定したときに比べると、200程度落ちていた。もしかしたら電源容量の不足で何らかの問題が発生していたのではないかと思う。残念ながらこのPCを常用することは難しそうなので、次回は電源を強化して、本当の性能を引き出しつつ、常用できるようにしたいと思う。

ちなみに、このPCはかなり低コストで組み上げている。一応パーツについて費用を出してみる。

今回購入したもの
CPU Q6600 G-0 \18,900 (中古)
MB Blitz Extreme \29,800
VGA Sapphire Radeon HD 3850 Ultimate PCIE \6,480 (中古)
VGA Sapphire Radeon HD 3850 256MB GDDR3 PCIE \7,980 Memory PQI DDR3-1333 1G x 2 \9780

合計　\72,940

以下は家に転がっていたもので、値段は不明である。
HDD Deskstar HDS722516VLSA80
DVD-ROM Pioneer DVD-120S
スチールの安ケース
電源 Seasonic SS-350AGX
CPUクーラー

まあ、実際総額で10万もいかない程度だと思われる。マザーが不相応のような気もするが、3.6GHzでも非常に安定しており、これでこの性能は非常に安価ではないか、と思う。

また、今回のテーマとは無関係であるが、今回使ったSapphireの256MB版3850であるが、秋葉原ではこの値段であちこちの店で叩き売られているのだが、これは買いではないかと思う。2枚買っても16000円でおつりがくるし、コアクロックが標準で702MHzになっており、Sapphireのホームページでのスペックより40MHz程度OVされている。皆さんも是非試してみてください。

エントリーマシンの構成パーツ