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全面リニューアルしたCore 2シリーズの全貌
TEXT:鈴木雅暢
1,066MHz→1,333MHzで何が変わる?
システムバス高速化のメリット
システムバスを高速化する合理的な理由とは
 今回のCore 2 Duo新モデルの最大の特徴はシステムバスの1,333MHz化だ。システムバスとは、CPUとチップセットの間のバスのことを指す。システムバスが高速化するということは、CPUとチップセットとのデータのやり取りがより高速にできることを意味する。

 Pentium 4のシステムバスが400MHzから始まって533MHz、800MHzと拡張されてきたように、このシステムバスはCPUの進化とともに不定期的なスパンで高速化されてきているが、高速化されると、チップセット、マザーボードもそれに対応する必要がある。今回の新モデルも、基本的にはP35/G33チップセットなどシステムバス1,333MHzに対応したチップセットを搭載したマザーボードのみでしか使えない。自作ユーザーとしては、新しいCPUを導入するためにまたしても新しいマザーボードを要求されることになり、歓迎したいことではないだろう。それでも、わざわざ新しいチップセットまで用意してシステムバスを高速化するのは、それ相応の合理的な理由があるからだ。

 システムバス高速化の目的は、CPUの高速化をシステム全体のパフォーマンスの高速化へとつなげることである。と言うのも、現在のPCの仕組においては、CPUが高速化するだけではシステム全体が高速化しないためである。
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システムバスとは、CPUとチップセット間のバスのこと。Intel CPUのアーキテクチャでは、CPU←→メモリ間のスピードを高速化するための大きなカギを握っている。一方、AMDはCPUとメモリ間のデータ転送にチップセットを経由しないため、システムバス(HyperTransport)の重要度は比較的低い
ストアドプログラム方式の宿命的なボトルネック
 現在のPCは、CPUが使うプログラムやデータをCPU自体が持たず、CPU外部の記憶装置(メインメモリ)に置き、そこから読み出す仕組になっている。これをストアドプログラム方式と言い、こういった特徴を持つコンピュータは「ノイマン型コンピュータ」と呼ばれる。このストアドプログラム方式の場合、CPUが高速化するだけではシステム全体が高速化するとは限らない。

 CPUだけが高速化しても、CPUが計算に使うデータやプログラムがCPUにまで到達しない時間ができてしまうと、その間はCPUは計算ができず、待っているしかなくなる。つまり、CPUが高速になればなるほど、CPUとメモリ間のスピードも、CPU内部と同じように高速化する必要があるわけだ。理想を言えば、CPUとCPU←→メモリ間のスピードは同じであることが望ましいが、半導体の内部と、その外部を同じスピードで動作させるというのは絶対にムリである。そのため、このCPUとその外部との速度ギャップは、「ノイマン・ボトルネック」と呼ばれ、ストアドプログラム方式の宿命的なボトルネックとして認識されている。CPUと、メモリバス、この速度ギャップの緩和および隠蔽は、ノイマン型コンピュータにとって永遠のテーマなのである。

 そして、システムバスの高速化は、この速度ギャップを緩和する直接的なアプローチの一つだ。Intel CPUのプラットフォームアーキテクチャでは、CPUとメモリ間のデータ転送にチップセットを経由するため、システムバスとチップセット←→メモリ間のバス(メモリバス)は、両方ともノイマン・ボトルネックの緩和に大きな影響がある。逆に言えば、どちらかが高速でもどちらかが低速ならば、低速なほうがボトルネックになってしまう。SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAMと、CPUとともにメインメモリの速度を高速化させてきたのもそのためである。

 要するに、苦労して製造した高性能なCPUの性能をフルに引き出すためには、CPUが一定以上に高速化したタイミングでシステムバスとメモリバスを両方ともに高速化する必要があるわけで、システムバスの1,333MHz化もDDR3 SDRAMのサポートも、その理屈どおり忠実に実行しているだけのことである。

 ちなみに、CPUとメインメモリの間にキャッシュメモリを置く構造も、このギャップの隠蔽策の一つ。そして、Core 2シリーズは、CPUコアと等速で動作する4/2MBあるいは4MB×2の大容量キャッシュを内蔵する上、メインメモリのアクセスレイテンシを隠蔽する仕組も取り入れるなど、間接的にこのノイマン・ボトルネックの緩和を果たしており、以前のCPUに比べて、システムバスの高速化がシステム全体の高速化に果たす影響力が小さくなってきている面はある。

 ただ、Intelの現在のクアッドコアCPUは、デュアルコア×デュアルダイ方式を採っているため、一部コア間の通信をシステムバス経由で行なう。このようなクアッドコアCPUの場合は、高速システムバスのメリットがより大きく反映される可能性がある。
Intel CPUのシステムバスの進化
  PentiumIII Pentium 4 Pentium D Core 2 Duo
システムバス 100~133MHz 400~800MHz 533~800MHz 800~1,333MHz
特徴 システムバス100MHzの製品と133MHzの製品が両方用意された。当時のIntelチップセットではPC133 SDRAMへの対応が遅れたが、徐々に133MHz品が主流に クロックの4倍でデータ転送ができるQuadPump方式の採用により、システムバスが一気に高速化した。400MHzでスタートし、最終的に800MHzまで高速化した Pentium 4後期に引き続いて64bit、800MHzのシステムバスを採用。後から追加された廉価版モデルの一部にシステムバス533MHzのモデルがある Pentium 4/Pentium D世代ではエンスージアスト向けブランドのみが対応していた1,066MHzからスタートし、今回1,333MHzに拡張された。廉価版は800MHzにとどまる
なぜシステムバスのクロックは上げにくいのか?
 「こんなにも頻繁にチップセットを変える必要があるなら、初めからから十分に高速化しておいてくれ」という声があるのは当然だろう。しかし、これはすべてのバスに共通して言える話だが、もともとそう簡単に高速化できるものではなく、常に最新の技術ギリギリのところでやっている。

 マザーボード上においては、送信側のチップはクロックとデータもすべて電圧の振幅として受信側に送り、受信側は、その受け取ったクロックを基準にデータを判断する(ソースシンクロナス方式)。たとえば、クロックの立ち上がったときに、各データ線の電圧がプラス(基準電位よりも上)だったら「1」、マイナスだったら「0」というように判断する。Intel CPUのシステムバスは64bitのパラレルバスだが、64bitなら64本のデータ線すべてが同時に送出され、受信側に届くことが前提となっている。送信側から送られた信号が受信側に伝わるまでの時間は、配線長や抵抗成分など、さまざまな条件で変化するため、すべて長さが等しくなるように配線されていても、どうしても信号線間に時間のズレ(スキュー)ができる。クロックが低速なうちはそれでもよいが、高速になればその問題が表面化し、クロストーク(隣接するデータがノイズになる)や外部ノイズの影響も深刻になる。バスをシリアル化すればスキューの問題は解消されるため、その方向で検討は進んでいるが、シリアル化すると送信受信側ともコントローラ部分が複雑化するといった弊害もある。
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マザーボード上ではすべてのデータは電圧の振幅で表現される。クロックの立ち上がったときに、各データ線の電圧がプラス(基準電位よりも上)だったら「1」、マイナスだったら「0」というように判断する
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パラレルバスで問題になるスキューとは、信号線の振幅の時間的なズレのこと。クロックが低速なうちは少しくらいは許容されるが、高速になると致命的なことになる。
AMD CPUのHyperTransport
 AMD CPUとチップセットの接続にはHyperTransportが使われている。次世代CPUであるPhenomが採用するAM2+プラットフォームでは、これがHyperTransport 3にアップデートされる。転送速度が最大2.6GHz(帯域41.6GB/s)に高速化されるほか、データの転送量に応じてバス幅を動的に変化させて消費電力を最適化する機能もサポートするなど、より高速に、よりインテリジェントになっている。

 Intel CPUの場合は、CPUとメモリの間にチップセットを挟んでいるため、システムバスの高速化はCPU←→メモリ間の高速化につながるが、AMD CPUの場合は、Intel CPUと違ってチップセットを経由せずにCPUとメモリを直結しているため、シングルCPU構成を採る限り、システム全体のスピードに影響が大きいのはメモリのスピードのみで、HyperTransportの影響力は小さい。
image速度アップだけでなく、消費電力の削減にも貢献するHyperTransport 3。AM2+プラットフォーム対応のCPU、マザーボードの登場が待たれる
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