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Intel Core Duo & Viiv
TEXT:多和田新也
最新CPUをベンチマークで検証
トータルパフォーマンス
 それでは、ここまでに紹介したCPUの性能を見るべく、ベンチマークを実施したい。用意した環境はページ下のとおり。Core Duoに関しては、現在デスクトップPC環境で利用できるマザーボードが存在しないため、Core Duo T2500を搭載したエプソンダイレクトの「Endeavor NT9500Pro」を使用した。とくにHDDやグラフィックスでは能力差が大きい構成となっているので、参考値としたい。

 では、FutureMarkの「PCMark05」の結果から見てみよう。まず、トータルの結果を見ると、全体にAthlon 64 FX/X2環境が上位となっているほか、シングルコアの製品がやや劣るのが特徴的な結果となっている。

 もう少し詳しく各コンポーネント単位に見ていくと、CPUとメモリでPentium XE勢、グラフィックスとHDDでAthlon 64勢が、それぞれ優位の結果を残していることが分かる。とくに、各メーカーの最上位モデルについて見てみると、たとえば、4タスク同時処理が含まれるCPUテスト、動作クロックの高さからくるキャッシュ性能が結果に影響するメモリテストではPentium XE 955がもっとも優れたスコアを残している。つまり、CPUやメモリに対して集中して負荷がかかるようなシチュエーションにおいては、Pentium XE 955はかなり有効なCPUということになる。ただ、実際のアプリケーションでは、これにグラフィックスやHDDの性能も加味されることが多いわけで、トータルバランスという意味ではnForce4と組み合わせたAthlon 64 FX-60のほうに分があると見てよいだろう。

 注目のCore Duo T2500については、CPUテストにおいて、Pentium D 820(2.8GHz)やAthlon 64 4200+(2.2GHz)を上回る結果を残している。キャッシュ容量などに差はあるものの、クロックあたりの性能の高さを感じさせる結果と言えるだろう。ほかのコンポーネントの影響が小さいこのテストでは、これも一つの指標として大きな意味をなすと思われる。

 一方、メモリ性能は、今一つである。同じデュアルチャンネルDDR2-667環境となるIntel 975Xを利用したPentium XE/4に対して大幅にスコアが劣っている。これは、Core Duo T2500環境のチップセットがIntel 945PMであるためにメモリ最適化機能のIntel MPT(Memory Pipeline Techonlogy)を搭載しない上、実クロックが劣るためにキャッシュ性能が振るわないためだろう。Pentium D 820やPentium M 760とのスコア差から見ても、やはりキャッシュメモリの性能差が大きく影響したと考えてよさそうだ。
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動画エンコード
 動画エンコードテストは720×480ドットのAVIファイル(DVコーデック)をTMPGEnc 2.524を利用してDivX 6.1(1,000kbps CBR/よりよい品質)へ、TMPGEnc 3.0 XPressを利用してMPEG2(8Mbps CBR)、WMV9(1,000kbps CBR)へとエンコード。結果はエンコードに要した時間から割り出した、1秒間に処理したフレーム数である。

 DivX 6.1、WMV9はAthlon 64 FX-60、MPEG2のエンコードではPentium XE 955が最速という結果だ。MPEG2エンコードは今ではさほどCPUに負荷をかける作業ではなく、動作クロックやメモリ性能でアドバンテージを発揮している。一方のDivX 6.1、WMV9はMPEG2と比較して演算が複雑であり、クロックあたりの性能が結果に影響したと考えられる。

 また、いずれのエンコーダもマルチスレッド対応を進めており、シングルコア製品のスコアは明らかに低くなっている。その点、コーデックによってはPentium XE 840に迫る性能を見せたCore Duo T2500はモバイル向けCPUとしては革命的なエンコード性能を見せている。

 さて、さらにワットチェッカーを利用して、アイドル時と、WMV9エンコード中の消費電力も計測している。なお、速度に多少なりとも影響が出るCool'n'QuietやEISTはONにしていない。定評どおり、デスクトップPC向け製品ではAthlon 64シリーズの消費電力の小ささが目に留まる。一方、Pentium XE 955は、Pentium XE 840に比べるとピーク時の消費電力が抑えられているのが分かる。Intelでは130nmから90nmへプロセスを移行する際、リーク電流の多さから消費電力が大きくなってしまったが、65nmプロセスでは抑制することに成功しているのだろう。ちなみに、アイドル時には逆にPentium XE 955のほうが消費電力が大きいが、システムバスクロックが1,066MHzとなっているため、同じ速度で動作するチップセットの消費電力が影響していると思われる。Pentium M 760はモバイル向けということもあって、消費電力はかなり小さい。CPU以外はデスクトップPC向けコンポーネントを使用した結果であり、消費電力を抑えた環境を作りたい場合には、かなり効果があると言ってよい。

 Core Duo T2500はさらに消費電力が小さいが、これはノートPCという消費電力の小さいコンポーネントの集合体を使った結果であり、Pentium M 760環境と直接の比較は難しい。あくまで参考値と考えていただきたい。
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3Dグラフィックス
 続いては、CPUを利用して3Dレンダリングを行なうCineBench2003の結果だ。これはマルチCPUレンダリング時には4スレッド同時処理も可能だが、結果はAthlon 64 FX-60がもっともよい結果を見せた。MPEG4系の動画エンコード同様、複雑な演算を必要とするソフトウェアでは、Pentium XEの論理CPU 4個(実コアは二つ)に対して、論理CPU 2個(実コアも二つ)のAthlon 64 FX-60であっても優位に立つことが可能なことがここでも確認できる。

 ちなみに、このテストはCPUに負担が集中するテストなので、Core Duo T2500の結果も参考となるだろう。Pentium XE/D/4シリーズのCPU(つまりNetBurstアーキテクチャのCPU)と比較してみると、おおよそ3.4GHz前後に相当するパフォーマンスだ。また、Athlon 64 X2との比較で言えば、先のPCMark05の結果と合わせて考えると、Athlon 64 X2 4200+とよい勝負ができる位置付けとなりそうだ。

 最後に、3DMark05、QUAKE 4の結果を見てみたい。ここも先のPCMark05のGraphicsテスト同様、Athlon 64 FX-60が好結果を出している。ForceWare 81.98のデュアルコア最適化があるとはいえ3DMark05はマルチスレッド化されていないこともあり、シングルコアでもクロックの高い製品がまずまずの性能を見せる。一方、QUAKE 4はマルチスレッド化を進めており、同クロックならデュアルコア製品に分がある格好になっている。今後登場する3Dゲームは、この傾向がより強まると予想される。

 ベンチマーク全体を見ると、ハイエンド向けCPUとしてはAthlon 64 FX-60がテストを問わずバランスよく高いパフォーマンスを見せているのが印象的だ。一方のPentium XE 955は、動作クロックの高さと4スレッド同時実行が活きる場面、たとえばオフィス系アプリケーションを数多く並列実行するような場合はよいパフォーマンスが期待できそうだ。気になる新アーキテクチャのCore Duoであるが、CPUに負荷が集中するテストから推測すると、クロックあたりの性能は多くの場面においてAthlon 64 X2を若干ながら上回っているようだ。消費電力は今回の環境では断言できないが、Pentium XE/Dより小さいのは間違いなく、モバイル向けという性格からすればAthlon 64 X2よりも小さいだろう。クロックあたりの性能に加えて、電力あたりの性能も高いCPUとして、デスクトップPC用コンポーネントが利用できるマザーボードの早期販売開始を期待する。
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【ベンチマーク環境】
[Core Duo環境]
エプソンダイレクト Endeavor NT9500Pro(i945PMチップセット搭載ノートPC)
メモリ:PC2-5300 DDR2 SDRAM(CL=5)512MB×2
グラフィックスチップ:ATI MOBILITY RADEON X1600(256MB)
HDD:日立GST Travelstar 5K100(2.5インチ、Serial ATA、4,200rpm、100GB)
OS:Windows XP Professional SP2(DirectX 9.0c)、Vsync:OFF

[Pentium XE/D/4環境]
マザーボード:Intel D975XBX(i975X)
メモリ:PC2-5300 DDR2 SDRAM(CL=5)512MB×2

[Pentium M環境]
マザーボード:AOpen i915Ga-HFS(i915G)
メモリ:PC2-4200 DDR2 SDRAM(CL=4)512MB×2

[Athlon 64環境]
マザーボード:ASUSTeK A8N32-SLI Deluxe(NVIDIA nForce4 SLI X16)
メモリ:PC3200 DDR SDRAM(CL=3)512MB×2[共通環境(Core環境を除く)
ビデオカード:NVIDIA リファレンスGeForce 7800 GTX(256MB、ForceWare 81.98)
HDD:日立GST Deskstar T7K250(Serial ATAII、7,200rpm、250GB)
OS:Windows XP Professional SP2(DirectX 9.0c)、Vsync:OFF
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