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映画やライブビデオなど再生専用のBlu-ray Discソフトが発売されるようになってから約1年。これまでは、家庭用プレイヤーやレコーダを中心に展開されてきたBlu-ray Discだが、いよいよPCでも本格的な展開が始まる。パイオニアが発売するBD-ROM・DVDコンボドライブ「BDC-S02J」は、Blu-ray Discの再生のみをサポートすることで低価格化し、その存在をぐっと身近にしてくれる製品だ。

BD-ROM・DVDコンボドライブを選ぶ理由

　ハイビジョン映像を収録したBlu-ray Discソフトの再生は、PCにとって負荷の高い処理の一つで、事実上、これまではハイエンドPCでのみしかサポートされていなかった。しかし、最近ではビデオカードの映像再生支援機能が大幅に強化され、CPUの性能も向上するなど再生環境が大きく変化している。今なら、ミドルクラスのPCでもBlu-ray Discソフトを楽しめる。その上、Blu-ray Discの映画タイトルは順調に増加してきており、今後も続々と新しいタイトルがリリースされる予定だ。

　CDやDVDといった従来の光ディスクは、まず再生専用の機器が普及し、その後、記録に対応した機器が普及してきた。まずは、新しいもののよさを体感することから始まるというわけだ。パイオニアのBD-ROM・DVDコンボドライブ「BDC-S02J」は、Blu-ray Discの記録機能を省き、再生のみとすることで価格を抑え、再生環境の敷居が低くなったBlu-ray DiscをPCで手軽に楽しむことを目的とした製品だ。

　加えて、記録型DVDドライブとしても使用できるので、次世代の光ディスク――Blu-ray Discを体感しつつ、従来のCD/DVDの記録再生も行なえる。Blu-ray Discの魅力を知るには、現時点でのベストの選択肢と言えるだろう。

（1）Blu-ray Discソフトを再生するためのPC環境が整った

（2）Blu-ray Discソフトの国内向けタイトルの急増

パイオニア

BDC-S02Jシリーズ

　BDC-S02Jは、Blu-ray Discの再生機能を搭載しつつ、記録型DVDドライブとしても使用できる世界初のBD-ROM・DVDコンボドライブだ。

　BD-ROM、BD-R、BD-REなどの各種BDディスクが再生でき、DVD±R（DL含む）、DVD±RW、DVD-RAMなど、現時点で発売されているすべての記録型DVDメディアへの記録をサポートする。もちろん、CD-R/RWへの記録も可能だ。

　また、キズや指紋、汚れによるエラーで再生が止まってしまうBlu-ray DiscソフトやDVD-Videoなどを強制的に読み出す再生支援機能「PowerRead」を搭載。スムーズな映像再生を実現している。
　PCとの接続は、光学ドライブでも普及が進むSerial ATAを採用する。

再生速度：BD-ROM/R/RE 最大5倍速（映画再生時 2倍速）、BD-ROM/R/RE DL 最大2倍速（映画再生時 2倍速）、DVD-ROM 最大12倍速（映画再生時 5倍速）、DVD-ROM DL 最大8倍速（映画再生時 5倍速）
記録速度：DVD±R 最大12倍速、DVD±R DL 最大4倍速、DVD±RW 最大6倍速、DVD-RAM 最大5倍速、CD-R 最大24倍速、CD-RW 最大24倍速
インターフェース：Serial ATA
本体サイズ（W×D×H）：148×185×42.3mm
重量：980g
バンドルソフト：PowerDVD 7、PowerProducer 3、Power2Go 5、InstantBurn 5、PowerBackup 2、Medi@Show 3

黒いディスクトレイを採用。左右2本のスリットは、ディスク回転中の共振によるたわみを防ぐためのエアインダクションスリット

インターフェースはSerial ATA。従来のIDEよりケーブルが細く、接続も容易だ。ケース内部のエアフローを乱さないというメリットもある

ここがすごいぞBDC-S02J

（1）ここがすごいぞBDC-S02J

デュアルピックアップ

Blu-ray Disc、DVD、CDのすべてで理想的な光学系を実現安定した性能を実現

BDC-S02Jは、Blu-ray Disc用とCD/DVD用の二つの対物レンズを搭載した2対物レンズ方式のピックアップを採用する。2対物レンズ方式は、Blu-ray Discのみに最適化した光学系と、すでに技術もこなれ安定しているCD/DVD用の光学系を別々に搭載することでBlu-ray Disc、DVD、CDのすべてを高い次元で安定動作できることが特徴だ。これによってBDC-S02Jシリーズでは、Blu-ray Discの高い再生性能と記録型DVDの高品質な記録性能の両方を兼ね備える。

（2）ここがすごいぞBDC-S02J

新空気循環メカニズム

ディスクの安定した回転と静音化、ドライブ内部の冷却の三つを同時に実現

BDC-S02Jは、ディスク回転時に引き起こされる空気の流れをドライブ内部で循環させることでピックアップなどの主要パーツを冷却し、ドライブ内部の温度上昇を抑える空気循環メカニズムを採用している。また、この空気循環メカニズムは、回転時のディスクのたわみを空気の力で押さえつけるようにも設計されており、安定したディスクの回転を実現することで記録再生精度の向上も果たしている。

（3）ここがすごいぞBDC-S02J

マルチエフェクト液晶補正

ディスクの製造上のばらつきによる品質の差を吸収し、安定した記録再生を実現

光ディスクでは、ビームスポットの形状にボケや歪みが生じる「収差」が発生すると、記録再生性能に大きな影響が出る。収差は、ディスクの製造上のばらつきが要因で簡単に発生するが、BDC-S02Jでは、マルチエフェクト液晶補正機構を搭載することでこの問題に対処する。マルチエフェクト液晶補正は、非点収差やコマ収差など記録再生時に問題となる多くの収差を補正でき、高品質かつ安定した記録再生性能を実現する。

（4）ここがすごいぞBDC-S02J

可動コリメータ

記録再生に理想的なレーザー光を作り出すことで、ディスクの記録再生マージンを拡大

マルチエフェクト液晶補正は各種収差を補正する機構だが、BDC-S02Jは、その精度高めると同時にマージンを拡大するために、可動コリメータレンズを採用している。コリメータレンズとは、記録面までの距離が異なるBlu-ray Disc/CD/DVDという3種類のメディアに対し、それぞれ理想的なレーザー光を作り出すためのもの。このコリメータレンズを可動型にすることで、Blu-ray DiscだけでなくCD/DVDの記録再生時にも従来以上の高精度な収差補正を実現している。