むき出しパーツをクールに演出するスタイリッシュまな板
- Lian Li
- PC-T60
- 実売価格:13,000円前後
- このパーツはこう使え!
- ・オーバークロック検証などのお供に
- ・他人とは違ったルックスを求める人にも
Specification 規格:ATX●カラー:ブラック、シルバー、レッド●付属電源:なし●ベイ:5インチ×2、3.5インチ×3、2.5インチ×2●標準搭載ファン:なし●追加搭載可能ファン:14cm角×2(別売りのオプションマウンタ「T60-1」が必要)●本体サイズ(W×D×H):350×334×398mm●重量:1.8kg
ライター 竹内亮介
最近のMini-ITXの隆盛が大変うれしい
小型ガジェットやMini-ITX対応PCパーツをこよなく愛する変質者兼自作PCライター。小さいことはすなわち正義である。
筆者のような商売で絶対に必要な機材の一つが、マザーボードをむき出しで設置するテスト台、通称「まな板」だ。一般ユーザーはあまり縁のない機材だが、ビデオカードやHDDなど各種パーツの着脱がしやすく、検証作業を行なうのに非常に便利な存在だ。
その中でも私がとくにこの製品を好んで使っている理由は、何と言ってもベイが多いこと。ストレージをテストする場合、接続する電源やSerial ATAケーブルが煩わしい。しかし3.5→5インチ、あるいは2.5→3.5インチに変換するモバイルラックを使用すれば、それを差し換えるだけですむ。ただテスト台は一般的に拡張性が低く、こうしたデバイスを搭載できるほどベイに余裕がある製品は意外と少ない。その点このPC-T60は意外なほど拡張性に富でも十分な余裕がある。
上部にある「取っ手」も意外に便利。検証のために部屋を移動するときも、本製品では取っ手をひょいとつかんで持っていけばよいだけだ。
若干複雑な組み立て作業が必要
購入時はパーツがバラバラになっており、自分で組み立てる必要がある。モノクロで分かりにくい付属マニュアルをにらみつつ、試行錯誤しながら組み立てることになるだろう
マザーボードはむき出し状態
マザーボードベースの上にマザーボードをむき出しの状態で設置するので、各種拡張カードやドライブ類を簡単に脱着できるのがテスト台の魅力
取っ手をつかんで片手で移動
テスト用環境がいろいろな場所にあり、機材ごと移動する必要がある場合でも、PC-T60なら取っ手をつかんで気軽に機材を持ち歩けるのがうれしい
ゴムワッシャーなどで防振
3.5インチベイや電源ユニット部分にはゴム製のワッシャーなどが取り付けてあり、振動をテスト台に伝えないような工夫が施されている
しっかりしたアルミフレーム
フレームやマザーボードベースはアルミニウム製で仕上げも美しい。肉厚ではないがきちんとネジ止めすればぐらつくこともない
ここがマニアック
テスト台としては拡張性が高い
普通のテスト台では光学ドライブを1台、システム用の3.5インチHDDを1台搭載できる程度だが、PC-T60ではさらに各種モバイルラックを積んでも余裕がある
ライターでなくとも自作マニアなら
筆者のようなPCライター稼業でなくとも、「買ったパーツをすぐにでも試せる環境が欲しい」と思う人ならぜひにでも導入をお勧めしたい。とくにPCパーツは初期不良交換の期間が短い。正しく動作するかをチェックできる環境を作っておくとなにかと便利だ。
【問い合わせ先】 Lian Li:03-5298-3880(ディラック)/ http://www.lian-li.com/
4基のホットスワップベイを備えたストレージ特化のミニキューブ
- ディラック
- HD MASTER MINI
- 実売価格:20,000円前後
- このパーツはこう使え!
- ・省電力Mini-ITXマザーと組み合わせる
- ・ホットスワップベイでメンテの簡単なサーバーを
Specification 規格:Mini-ITX●カラー:ブラック●付属電源:250W●ベイ:3.5インチシャドーベイ×4(ホットスワップ対応)、2.5インチベイ×1●標準搭載ファン:12cm角×1(背面)、電源ファン●本体サイズ(W×D×H):212×200×330mm●重量:非公開
ライター 石川ひさよし
ホットスワップベイはやはり便利
古くなったPCにFreeNASを組み合わせてNAS化しているが、普通のケースだからHDD障害時には毎回ケースの分解という手間がかかる。手軽にHDDを交換できるホットスワップベイは魅力的だ。
本製品は主にストレージサーバーを組みたい方をターゲットにした製品で、四つのホットスワップベイを備えている。ホットスワップベイの構造は、トレイを利用するタイプ。NASとして販売されている製品のケース部分が単体販売されているというイメージだ。電源は250Wで、容量だけを見れば通常のPCよりも小容量だが、80PLUS Bronze認証の高効率モデルが付属。ホットスワップベイのために内部スペースは狭く、組み立て作業はなかなか難しいところがあり、先の定格出力と合わせて搭載するマザーボードには制約がある。Atomや、最近であればAMD E-350を搭載するような省電力マザーボードを組み合わせるのがよいだろう。なお、そうしたマザーボードはRAID非対応のものが多い。幸い拡張スロット1本が利用できるため、RAID運用したい方は拡張カードで対応しよう。
エンタテイメント向け要素は薄い
フロントインターフェースはUSB 2.0のみ。フロントオーディオ端子はなく、ストレージ用途に特化している
HDDは大型12cm角ファンで冷却
背面に12cm角ファンを搭載。風量ははかなり大きいが、動作音も大きい。ファンガードも装備する
マザーボードは高さに注意
ホットスワップベイの下にマザーが入り込むため、メモリやクーラーの高さに要注意。ホットスワップベイのフレームは取り外し不可
ホットスワップベイ専用基板
ホットスワップベイには2口の4ピンペリフェラルコネクタで電源を供給する
出力は小さいが変換効率は高い
電源は80PLUS Bronze準拠の250W。コネクタも最低限の数しか搭載していない。ファンが小さく動作音は大きめ
ここがマニアック
本格的なホットスワップベイを搭載
ホットスワップベイは4基。ロックにも対応した本格的なトレイを採用する。なおホットスワップ対応はSATAコントローラとOS双方の対応が必要
組み込み作業はなかなか手強い
パーツの相性や組み立て作業の難しさなど上級者向きの面がある。しかし一度組み立ててしまえばホットスワップベイは快適だ
【問い合わせ先】 ディラック:03-5298-3880 / http://www.dirac.co.jp/
【検証環境】 CPU:AMD E-350(1.6GHz)、マザーボード:GIGABYTE GA-E350N-USB3(AMD A50M)、メモリ:ノーブランド PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2、グラフィックス機能:CPU内蔵(Radeon HD 6310)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD5000AAKS(SerialATA 2.5、7,200rpm、500GB)×4(1台をシステムに、3台を通常ドライブとして構成。非RAID)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版