ネットワーク高速化チップを搭載したゲームユース特化型マザーボード
- LGA1366
- Intel X58+ICH10R
- XL-ATX
- GIGABYTE
- G1.Assassin
- 実売価格:50,000円前後

- このパーツはこう使え!
- ・1fpsにこだわってゲーム環境を改善したい人
- ・スロットやUSBに拡張デバイスをつなぎまくる
Specification
対応CPU:Core i7
メモリスロット:PC3-16000 DDR3 SDRAM×6(最大24GB)
グラフィックス機能:-
ディスプレイ:-
拡張スロット:PCI Express 2.0 x16×4(x16/x16/x8/x8で動作)、PCI Express x1×2、PCI×1
インターフェース:Serial ATA 3.0×2、Serial ATA 2.5×6、USB 3.0×8※1、USB 2.0×8※2
LAN:1000BASE-T×1
※1 4基はピンヘッダで実装
※2 4基はピンヘッダで実装
マザーボードベンダーとしておなじみのGIGABYTEからゲーマー向けの1枚が登場した。GIGABYTEはこれまでにも高品質をウリにしたオーバークロック向け製品などを発売してきたが、ゲーマー向けを前面に出したマザーボードを発売するのは初めてだ。ちょっと意外な印象も受ける。
その外観は非常に特徴的なものとなっており、ライフルのマガジンを模したSouth Bridge上のヒートシンクがとくに目立っている。もちろん、見た目だけではなく、NorthBridge側のヒートシンクに簡易温度計となる五つのLEDを内蔵。温度が上がるにつれて光るLEDの数が増える仕組だ。ただ、ちょっと残念なのはLEDがすべて同じ緑色という点。たとえば高温時のLEDの色が異なるようにすれば、ケースから漏れる光の色で温度上昇を識別しやすくなったと思う。おもしろい機能だが、まだまだ工夫の余地を感じる。

ミリタリーコンセプトのデザイン
South BridgeのICH10Rには、ライフルのマガジンを模したヒートシンクを搭載。全体的にメカニカルさを強調したボードデザインだ

温度状態を表示するLEDも搭載
North Bridge上のヒートシンクには温度状態を示す5個のLEDを搭載。具体的なしきい値は不明だが、試した限り、平常利用では2、3個の点灯

多機能ブラケットも付属
付属のブラケットアクセサリはUSB 3.0のフロントインターフェースのほか、ワンタッチでオーバークロックを行なうQuickBoostボタンを装備する
ゲーマー向けLANチップ搭載でネットワーク性能が向上

10個のWebサーバーにつないで、そのデータ転送速度の平均を算出するテストの結果。Killer NICはTCP通信をとくにチューンしているわけではないが、LANコントローラの特性としても良好なものを持っているようだ
実ゲーム内のレイテンシも改善

5カ所のサーバーに接続して、各5分間動き続けた場合のPingの平均値。安定して10ms以上のレスポンスタイム向上が見られる。この数字に重要性を感じられるユーザーであれば本製品の価値がよく理解できるだろう
Killer NICとSound Blaster X-Fiをオンボード搭載

一方で、マザーとしての機能面の充実は目覚ましい。GIGABYTE製品でもハイエンド製品でのみ採用される16フェーズVRMを採用し、3-way SLIとQuad CrossFireXをサポート。USB 3.0は最大で8ポートを備える。
とくにゲーマー向け製品らしいポイントは、Sound Blaster X-Fi Xtreme FidelityとKiller NICのオンボード搭載だ。前者はクリエイティブメディア製のサウンドカードでおなじみだが、本製品では高品質なヘッドホンアンプなどもオンボードに実装し、よりFPSゲーマーを意識した仕様になっている。また、本製品の目玉と言ってもよい「Killer NIC」は、オンラインゲームのパケット処理優先度を高めるほか、ネットワーク処理中のCPU負荷を下げるなど、オンラインゲームのレスポンスを高めることをアピールするネットワークコントローラだ。これらの搭載で劇的にパフォーマンスが改善する、というほどの効果はないが、ちょっとでもゲームのプレイ環境を向上させたい、というヘビーゲーマーにはうれしい装備と言える。
これまで、どちらかと言うとオーソドックスな方向性で品質・機能を強化してきたGIGABYTEだが、その方向性を引き継いだ上で、外観、機能ともにゲーマー向けのマニアックさを兼ね備えてきた。これが本製品の魅力と言えるだろう。

背面端子はスタンダードな構成
特徴的な外見の本製品だが、バックパネルに関しては至極スタンダードな仕様。USB 3.0ポートを4基備えている

USB 3.0には注意が必要
USB 3.0はバックパネルに4ポート、ピンヘッダで4ポートを提供するが、USB 3.0コントローラはルネサス エレクトロニクス製チップ1個のみ。これにVIA Technologiesの4ポートハブコントローラ「VL810」を2個接続して8ポートを提供する仕組になっている。ポート数は多いがフルに使うとコントローラの帯域幅がボトルネックになりそうだ

サウンドチップも手抜かりなし
Sound Blaster X-Fi Xtreme Fidelityをオンボード搭載し、周辺には品質に定評あるニチコンのコンデンサであるMuse ESとMWが並ぶ

定番のUSB 3.0コントローラ
ルネサス エレクトロニクス「D720200A F1」。すっかりおなじみのUSB 3.0コントローラで、本製品の8基のUSB 3.0ポートはすべてこれに接続される

ゲーム専用というわけではなく
ハイエンドマザーとしても見所が多い
Killer NICやSound Blaster X-Fiの搭載など、いかにもゲーマーに向けた製品。ただ、PCI ExpressスロットやUSB 3.0をやたらと数多く備えるほか、さりげなくPCIスロットもある。ゲーマーでなくとも、いろいろな使い方を見い出せそうな一品だ。
ライター 多和田新也
クセのある製品はどんどん出てほしい

直球勝負のベンチマーク記事を書くことが多いフリーライターだが、こういう“尖った”製品を触るのは本当に楽しい。
ここがマニアック

高性能LANコントローラを採用
Bigfoot Networksが開発したLANコントローラ「Killer E2100」をオンボード搭載。これまで拡張カードで提供されていた本製 品をオンボード搭載したマザーは初
【問い合わせ先】 GIGABYTE:050-3786-9585(CFD販売)/ http://www.gigabyte.co.jp/
【検証環境】 CPU:Intel Core i7-930(2.8GHz)、メモリ:ノーブランド PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3、ビデオカード:NVIDIA GeForce GTX 580リファレンスカード、HDD: Seagate Barracuda 7200.12 ST3500418AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、OS: Windows 7 Ultimate 64bit 版