最速製品は150MB/sオーバー 消費電力の低下も進む
現在主流のHDDは、500GBプラッタを採用した製品が多く、それを超える容量のプラッタを採用した製品は少ない。今回テストした製品の中で500GBプラッタを超えている製品は、WD Caviar Green WD20EARS-00MVWB0のみが現在唯一の667GBプラッタを採用している。また、WD VelociRaptorやBarracuda7200.11、Deskstar 7K2000は500GB未満のプラッタを採用した製品となる。これらを踏まえてベンチマーク結果を考察していきたい。
まず、実環境での使用感の参考になると言われている、PCMark Vantageの結果を見ていく。このテストでのトップは10,000rpmのWD VelociRaptor WD6000HLHXだ。続くのは、WD Caviar Black、Blue、WD VelociRaptor WD3000HLFS、Barracuda XTの4製品だが、WD6000HLHXの8,200 強という値は圧倒的だ。このテストでは、回転数に伴うランダムアクセス性能が大きく影響する。5,400rpmのEcoGreen F3、WD Caviar Greenや、5,900rpmのBarracuda LPのスコアが5,000前後なのはそれが理由だ。
続いて一番下の図のCrystalDiskMarkだ。ここでは、大きなファイルをリード/ライトしたときに効果を発揮する、シーケンシャル速度の性能に着目する。ここでトップだったのは、リード/ライトとも現在最速の150MB/sオーバーのスペックを持つ、10,000rpmのWD6000HLHXである。本製品は、1世代前のWD3000HLFSと比較して約20%ほど高速化が図られ、さすがに最新世代のハイエンドドライブというところ。次点は、500GBプラッタを採用した7,200rpm製品群である。これらの製品は、回転数が高いだけあって、5,400rpmのEcoGreen F3、WD Caviar Greenや5,900rpmのBarracuda LPのワンランク上の速度を実現している。とくにリード/ライトともに140MB/s前後の速度だったSpinpoint F3、WD Caviar Black、Blue、Barracuda XTの4製品は、7,200rpmの製品の中でも頭一つ抜けた存在だ。また、667GBプラッタを採用したWD Caviar Green WD20EARS-00MVW B0にも注目だ。この製品は同シリーズの500GBプラッタ製品と比較して、約20%の高速化が図られているだけでなく400GBプラッタ、7,200rpmのDeskstar 7K2000とほぼ同等の速度と、5,400rpmながらかなり健闘している。
最後は消費電力。基本的に内蔵するプラッタ枚数が少なく、回転数が低いドライブほど省電力ということになる。ダントツに消費電力が低かったのが、667GBプラッタのWD20EARS-00MVWB0。この製品は、容量2TBながらプラッタ枚数はわずか3枚で、これが好成績につながっている。また、同シリーズの500GBプラッタ製品やEcoGreen F3も優秀だ。
WD VelociRaptor WD6000HLHXのCrystalDiskMarkでの結果。コンシューマ向けHDDとしては最高峰の実力を証明する、シーケンシャルリード/ライト150MB/s超のスコアをマーク
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-940(2.93GHz)■マザーボード:GIGABYTE GA-X58A-UD7(rev.1.0)(Intel X58+ ICH10R)■メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX6GX3M3A1333C9(PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×3)■ビデオカード:NVIDIA GeForce 8600 GT■リファレンスカード、システムSSD:東芝 THNS512GG8BBAA(Serial ATA 2.5、MLC、512GB)■OS:Windows 7 Ultimate 64bit版