コア数や動作周波数にはこだわらない
CPU
大型ファンを搭載できる一部のケースを除き、一般的なMini-ITXケースは冷却能力が低く、装着できるCPUクーラーの自由度も低い。また、マザーボードによってはTDPに制限を設け、ハイエンドCPUをサポートしないものもある。ゲームPCなどを自作するのでなければ、コア数や動作周波数にはこだわり過ぎず、価格が手頃で発熱が小さなCPUを選択するべきだ。
ポイント
・マザーボードが対応するかどうかを確認
・消費電力が低い低発熱モデルに注目
・グラフィックス機能の有無にも注意
グラフィックスコアの動作周波数が高い
- ゲーム・HTPC向け
- Intel
- Core i5-661
- 実売価格:18,500円前後
Intel H55/57シリーズのディスプレイ出力機能を使うには、グラフィックス機能を内蔵するCore i5シリーズなどを組み合わせる必要がある。Core i5-661はその中でもっともグラフィックスコアの動作周波数が高く、描画性能に優れる。
対応ソケット:LGA1156●動作周波数:3.33GHz●同時処理スレッド数:4●3次キャッシュ:4MB●プロセスルール:32nm●TDP:87W
TDP 45Wながら4コア搭載で高性能
- ゲームPC向け
- AMD
- AthlonⅡ X4 615e
- 実売価格:13,500円前後
AMDのCPUの中でモデルナンバーの最後に「e」が付いてるものは低消費電力モデルだ。このCPUもそうしたタイプで、動作周波数はやや低いものの、4コア搭載でも45Wと発熱が非常に小さく、小型ケースでも熱がこもりにくい。
対応ソケット:Socket AM3●動作周波数:2.5GHz●同時処理スレッド数:4●3次キャッシュ:なし●プロセスルール:45nm●TDP:45W
薄型で大口径ファンに対応するモデルに注目
CPUクーラー
Mini-ITXケースは内部が狭いので、背の高い大型モデルの取り付けは物理的に不可能。また、マザーボード上のコンデンサなどが固定具に干渉し、うまく設置できないことも多い。多くのケースのスペック表には搭載可能なクーラーのサイズが書いてあるので、確認の上で購入しよう。なお、Intelのリテールクーラーは高さが非常に低く、多くのケースでそのまま使える。
ポイント
・ケース内部のスペースを確認
・CPUソケット周辺の状況も注意
・ダメならリテールクーラーでガマン
ファン込みで厚さ58mmの薄型モデル
- 静音PC向け
- サイズ
- Big Shuriken
- 実売価格:3,000円前後
6mm径の太いヒートパイプとフィンを組み合わせた薄型のヒートシンクに、12cm角/12mm厚の薄型ファンを組み合わせたCPUクーラー。高さは何と58mmと非常に低く、Mini-ITX対応ケースでも余裕を持って設置できる。
対応ソケット:LGA775/1156/1366、Socket478/754/939/940/AM2/AM3● ファン:12cm角×1(650~1,600rpm、PWM対応)●本体サイズ(W×D×H):125×135×58mm●重量:405g
ネジでガッチリ固定できる薄型モデル
- ゲームPC向け
- Prolimatech
- Samuel 17
- 実売価格:3,500円前後
薄型ながら6本のヒートパイプと多数のフィンで構成される高性能な小型CPUクーラー。冷却ファンは別売りで、12cm角タイプを取り付け可能。マザーボード背面からバックプレートとネジを使ってしっかりと固定できる。
対応ソケット:LGA775/1156/1366、Sockket AM2/AM3●ファン:なし●本体サイズ:121.2×120×45mm●重量:410g
高性能カードの搭載には障害が多い
ビデオカード
Mini-ITXマシンの場合、ケース内部の余裕、拡張スロット数、電源出力、冷却能力など、さまざまな要因から高性能ビデオカードの搭載は難しい状況にある。どうしてもハイエンドカードを搭載したいなら、大きめのミニタワータイプを選ぶとよい。スリムタワータイプの場合、1スロットタイプが限界だが、1スロットサイズでミドルレンジGPUの搭載を実現した製品もある。
ポイント
・拡張スロットの数や奥行きの余裕を確認
・電源の出力やコネクタの数も重要
・用途によってはオンボードグラフィックスでガマン
AMD Radeon HD 5770搭載で1スロット
- ゲームPC向け
- XFX
- HD-577X-ZMF3
- 実売価格:17,000円前後
Radeon HD 5770搭載製品のほとんどは2スロットタイプの大型クーラーを搭載するが、このカードは1スロット仕様。動作クロックはリファレンスどおりで、映像出力端子はDVI-I× 2、Mini-DisplayPort× 1。電源にPCIExpress 6ピンの接続が必要な点には注意。
GPU:AMD Radeon HD 5770●コアクロック:850MHz●メモリクロック:4.8GHz●ビデオメモリ(バス幅):1GB GDDR5(128bit)●対応スロット:PCI Express 2.1 x16
用途とコストによって選択
SSD/HDD
SSDやHDDの選び方は通常の自作PCとあまり変わらない。速度や静音性重視ならSSD、容量重視ならHDDだ。ただ、ケースによっては搭載可能台数が少ないことがあるので、eSATA接続HDDケースなどで補ってやる必要も出てくる。とくにコンパクトタイプではほぼ2.5インチドライブしか搭載できないため、TB単位の容量が欲しいなら外部接続は必須だろう。
ポイント
・速度や静音性ならSSD、容量優先ならHDD
・外付けHDDやNASで役割を補うことも考える
・2.5インチHDDでも7,200rpmモデルなら速度や容量は十分
Serial ATA 3.0対応の超高速SSD
- ゲームPC向け
- Micron Technology
- Crucial RealSSD C300
CTFDDAC064MAG-1G1 - 実売価格:13,000円前後
Crucial RealSSD C300は、市場に流通しているSSDでは唯一のSerial ATA 3.0(6Gbps)対応モデルだ。シーケンシャルリードは公称値で355MB/sと、Serial ATA 2.5の理論的転送速度を超えている。Serial ATA3.0非対応の環境でも非常に高速だ。
コントローラ:Marvell 88S9174●インターフェース:Serial ATA 3.0●容量:64GB●Trim:対応●サイズ:2.5インチ
コスト優先ならDVD、将来性ならBD
光学ドライブ
小型ケースでは、薄型の「スリムドライブ」でないと取り付けられないことが多い。通常の5インチドライブと比べるとやや割高で、DVD±R/RWドライブが6,000円前後、BDドライブは安いもので1万5,000円前後が相場だ。HTPCとして使うのでなければ使用頻度は低いデバイスなので、搭載しない、もしくは外付けにするという選択肢もある。
ポイント
・HTPC向けならBD再生機能付きを選びたい
・5インチドライブと比べるとやや割高
・用途によっては搭載しない方向性も検討
スロットイン対応で簡単ローディング
- コンパクトPC向け
- パイオニア
- DVR-TS08
- 実売価格:7,500円前後
シンプルな機能性のDVDスーパーマルチドライブだ。インターフェースは小型のSlimlineSATAで、マザーボードとの接続にはコネクタ変換ケーブルが必要。スロットインタイプなのでトレイを引き出す必要がなく、スペースも取らないのが魅力だ。
インターフェース:Slimline SATA●キャッシュ容量:2MB●記録速度:DVD±R x8、DVD±R DL x6、DVD-RAM x5、CD-R/RW x24●本体サイズ(W×D×H):128×129×12.7mm
組み込むパーツに合わせて電源も変更
電源
専用電源を使っている場合には交換は不可能だが、ATX電源が搭載可能なら選択肢は多い。とくに内部の狭いMini-ITXケースではプラグインタイプが便利だ。SFX電源も数自体は少ないものの選択肢はいくつかある。また、小型の専用電源の場合は、低消費電力構成であれば、ファンを使わないACアダプタに交換して静音化するという手もある。
ポイント
・ATX電源なら選択肢は豊富
・SFX電源でも交換の選択肢はそれなりにある
・ACアダプタはファンレスで静かだが+12V出力が非常に低い
出力450WはSFX電源としては破格
- ゲームPC向け
- SilverStone
- SST-ST45SF
- 実売価格:9,000円前後
80PLUS Bronze認証を取得した、変換効率に優れるSFX電源だ。定格出力は450W、+12V出力は1系統36Aで、SFXモデルとしてはかなり大きい。ビデオカード用のPCI Expressコネクタも2基装備しており、ハイエンドモデルにも対応できる。
定格出力:450W●ファン:8cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、ペリフェラル×2、Serial ATA×3、PCI Express 6+2ピン×1、PCI Express 6ピン×1、FDD×1
変換基板がきわめてコンパクト
- コンパクトPC向け
- 日本PCサービス
- PicoPSU-150XT SET
- 実売価格:18,000円前後
ATX24ピンコネクタの上にある小さな変換基板とケーブル、そして定格出力150WのACアダプタがセットになったもの。出力が小さめなのでAtomや低消費電力CPUを搭載するマザーボードで使おう。Core iシリーズに組み合わせるのは厳しいだろう。
定格出力:150W●ファン:なし●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX12V×1、ペリフェラル×1、Serial ATA×1(付属ケーブルでペリフェラル×1、Serial ATA×1を増設可能)
足りない機能は外付け機器で補う
外付けデバイス
Mini-ITX対応マザーボートやケースは拡張性に欠けるため、用途によってはある程度外付け機器で機能を補ってやる必要がある。サウンドデバイスや地デジチューナー、光学ドライブといったものはUSB接続モデルで十分代用が可能。ストレージはeSATAやUSB 3.0接続で対応できる。対応モデルは少ないが、将来性や、扱いやすさではUSB 3.0がオススメだ。
ポイント
・HTPC系デバイスは外付けが可能
・ストレージは外付け機器で補う
・転送速度を重視するならUSB3.0に注目
高級オーディオ並みの再生品質をPCに追加
- HTPC向け
- オンキヨー
- WAVIO SE-U33GXV
- 実売価格:14,000円前後
PCとUSBポート経由で接続し、バスパワー動作で音声を再生できるサウンドユニットだ。高品質なオーディオ機器に組み込まれるコンデンサや、音像をなめらかに表現するという「VLSC」回路を採用することで再生品質を向上した。
インターフェース:USB●音声入出力:LINE OUT(RCA)×1、LINE IN(RCA)×1、マイク、ヘッドホン●本体サイズ(W×D×H):137×102.5×30mm●重量:200g
HDDをカートリッジ感覚で交換可能
- コンパクトPC向け
- ロジテック
- LHR-DS02SAU2
- 実売価格:6,000円前後
3.5インチHDDをケースやジャケットなしで挿し込んで固定でき、外付けHDDとして利用できるHDDケース。金属製のフックでしっかりと固定できる「HDコアシステム」を採用する。背面には冷却用の排気ファンを搭載する。
インターフェース:USB 2.0、eSATA(Serial ATA2.5)●対応ドライブ:3.5インチSerial ATA●本体サイズ(W×D×H):50×195×134mm● 重量:340g
【問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)
AMD:0053-165-0441(日本AMD)
サイズ:support@scythe.co.jp
Prolimatech:support@scythe.co.jp( サイズ)
XFX:03-6268-9461(NEWX)
Micron Technology:03-3206-0806(エスティトレード)
パイオニア:03-3206-0806(エスティトレード)
SilverStone:03-5298-3880(ディラック)
日本PCサービス:pc-info@4900.co.jp
オンキヨー:050-3161-9555
ロジテック:0570-022-022