用途に応じて選ぶ4タイプ
電源の規格にも注意
Mini-ITX対応ケースには、大きく分けて四つのタイプがある。まず一つ目は拡張性に優れる「ミニタワータイプ」。拡張カード用のスペースが広く取られており、シャドーベイの数も多め。大型のケースファンを搭載できるので冷却能力も高く、電源もATXタイプを搭載可能だ。発熱の大きい高性能パーツを組み込むゲームマシンや、ストレージ容量が重要なサーバーマシンに向く。「キューブタイプ」はミニタワーの背を低くしたような形状で、HDD搭載数こそ少ないが、冷却性能などはミニタワーに準ずるものが多い。
上記の二つより底面積を小さくしてスリム化を図ったのが「スリムタワータイプ」。拡張性は低めで、5インチベイと3.5インチシャドーベイが一つずつという構成が一般的。電源はSFXタイプが多く、拡張スロットにLow Profileを採用するものもある。シンプルな構成のHTPCなどを作りたい場合にはこのタイプを選ぶとよい。冷却能力にはあまり期待できないので、組み込むPCパーツのグレードは控えめに。
最後が省スペース性を最優先した超小型の「コンパクトタイプ」。こうしたケースを使えば、液晶ディスプレイの裏や本棚の隙間にも設置できる。ただし拡張性は非常に低く、シャドーベイも2.5インチドライブのみの対応で、拡張スロットはなしという製品もめずらしくない。冷却能力はスリムタワーよりも低いため、Atom搭載マザーボードなど、発熱が小さいものを選ぶ必要がある。
スリムタワー/コンパクトタイプには電源が付属することが多いが、構造や固定穴の関係でほかの電源に交換できないことがある。その場合、パーツ構成を付属電源に合わせて調整しなければならないことに注意したい。
1.なぜ今Mini-ITXなのか?
Mini-ITXケースでも大きさはさまざま
今回取り上げたオススメケースのうち、代表的な4機種を並べて大きさを比較した。大きいもののほうが拡張性が高く汎用性に優れるが、設置スペースは大きくなる
2.内部スペースをチェック
背の高いCPUクーラーに注意
ほとんどのMini-ITXケースではCPUのまわりのスペースが狭く、Intelのリテールクーラーのような薄型モデルでないと取り付けられない。CPUクーラーを選ぶ際は背の高さを必ずチェック
ビデオカード用のスペースも確認
奥行きが短い、あるいは拡張スロットが一つ分しかないケースだと、高性能ビデオカードは装着できない。また、ケースによっては幅の狭いLow Profileタイプにしか対応しないものもある(左上)
3.電源の状況をチェック
搭載できる電源はケースによって異なる
左からACアダプタ、SFX電源、ATX電源。出力ではATX電源が一番大きく、接続するパーツの構成の自由度も高い。ACアダプタは出力を考えるとAtomベースが限界だが、ファンがないので静か
4.冷却能力をチェック
大型になるほど冷却能力は高くなる
大口径ファンを搭載できるミニタワータイプはMini-ITXながらも冷却能力に優れる。ケース自体が小さくファンを搭載しにくいコンパクトタイプは冷却能力が低い