3DMark Vantage編
GPUは軒並みDirectX 11に対応したが、市場にはまだ多くのDirectX 10タイトルが流通している。まずはDirectX 10.1ベースのベンチマークソフト3DMark Vantageを用いて従来環境での性能を比較してみよう。
上位モデルに迫るスコア
OC版GeForce GTX 460に注目
3DMark VantageではPerformanceとExtremeの二つの設定で計測を行なった。目安として、PerformanceでP10000を超える製品なら最新ゲームで使えるビデオカードと言える。今回の製品の中ではNVIDIAならGeForce GTS 450以上、AMDならRadeon HD 5770以上のGPUを搭載する製品が相当する。ただし今回掲載したGeForce GTS 450カードは2枚ともOC版なので、通常版だとP10000という大台はギリギリだと思われる。
今回トップスコアを記録したのはGeForce GTX 480を搭載するZOTAC製品で、それにASUSTeKとMSIのRadeonHD 5870のOC版2製品が続いている。また、その下のRadeon HD 5850およびGeForce GTX 470搭載製品は、上位GPU搭載製品と差がかなり付いてしまっているが、価格はぐっと下がって3万円前後と安い。
注目したいのがこれに匹敵するパフォーマンスを見せているGeForce GTX460のOC版。OC率の高いGALAXY MicrosystemsやASUSTeKの製品、MSI N460GTX Hawkなどは非常に優秀だ。ただし価格も3万円に迫るものが多いため、上位GPUとの価格差も考慮すべきだろう。しかしこれを見て分かるようにGTX 460のOCマージンの高さは折り紙付きだと言える。

【検証環境】
CPU:Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz)、マザーボード:Intel DX58SO(Intel X58+ICH10R)、メモリ:Patriot Memory PSD36G1600KH(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD5000AAKS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版、暗騒音:30dB以下、動作音測定距離:クーラーから約20cm、アイドル時の条件:OS起動10分後の値、高負荷時の条件:3DMark Vantage開始からGT1終了時までの最高値
FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK編
注目の大作MMORPG「FINAL FANTASY XIV」。先行公開されているベンチマークソフトではHighとLowの画質オプションどちらかを選択して、スコアを計測することができる。このタイトルはDirectX 9.0cベースだ。
Radeon有利のFFXIVベンチマーク
ただし推奨GPUはGeForce GTX 460
3DMark Vantageであれだけスコアに差が付いていたZOTACのGeForce GTX480とRadeon HD 5870搭載製品のスコアが逆転しており、スコア重視のユーザーにとっては後者が有利と言える。一方、推奨GPUとして指定されているGeForce GTX 460搭載製品は、いずれもLow設定で4,800以上のスコアで、「快適(4,500以上)」を達成している。また、推奨GPUを採用していることは、3D描画の正確さという面でも安心できる。
なお、定格クロックモデルに限って言えば、Ge Force GTX 460の768MB版は、1GB版と比べてメモリバス幅やROP(Rasterize Operation Processor)数が削減されているのだが、スコア差はあまり大きくない。あまり性能にこだわらないのなら低価格なこちらを搭載する製品を選ぶのも十分ありだろう。
推奨認定を受けていないRadeon HD5770も、Low設定で4,600程度のスコアを示している。これ以下となると「普通」、「やや重い」とされるレンジになってくるため、快適とはいかないだろう。なお、High設定でも快適に楽しめるスコアを達成したのはRadeon HD 5870のOC版2製品のみで、敷居はかなり高い。

高性能製品搭載時は電源に注意
ビデオカード購入時に注目したいのが動作の安定性を左右する電源の+12V出力の大きさだが、出力値だけでなく、1系統か複数系統かという点も重要だ。+12Vが20A、2系統と仮定すると、480Wの総合出力だが、1系統で利用できるのは240Wまで。130WのCPUと150Wのビデオカードは別々の系統につながねばならず、もう1枚150Wのビデオカードを使うことは難しい。一方で+12Vが1系統40A(出力は同じ480W)であれば130W+150W+150W=430Wでなんとか使うことが可能になる。

+12V出力の構成は電源の外装やパッケージなどに記載されている。出力や系統数などはここでチェックが可能だ