CPUの発熱の頂点に達したPentium 4/D時代の水冷キットブームを覚えている読者も多いことだろう。水冷クーラーは、空冷クーラーに比べ冷却能力に勝る半面、「接続/取り付けがめんどう」、「非常に高価」などの理由により、上級者向けとされてきた。
ところが、最近では安価かつ取り付けが簡単な水冷クーラーが登場し、注目を浴びている。特徴は、冷却液を冷やすラジエータと、ポンプやタンクを内蔵した水冷ヘッドがあらかじめ配管されており、冷却液を充填する必要がない点だ。小型な分、本格的な水冷ユニットに比べて冷却能力は劣るものの、買ってきてすぐに使える手軽さが魅力的。ここでは一般的な一体型水冷クーラーの導入方法を紹介する。この夏は、空冷とは一味違う冷却に挑戦してみてはどうだろうか。

小型化/簡易化された最近の水冷クーラー

最近はポンプと水冷ヘッドを一体化したチューブ接続済みの小型水冷クーラーが高い人気を集めている。1万円前後と手頃な価格で購入できる上に品質も高く、初心者でも安心して使える

一般的なCPUクーラーのヒートシンクにあたる部分が水冷ヘッド(水枕)だ。ヘッドに伝わった熱を冷却液が吸収し、ラジエータに運ぶ。冷却液はラジエータで冷却され、再びヘッドに戻る
水冷CPUクーラーの取り付け方の例
(CoolIT Systems Vantage A.L.C.の場合)

- CoolIT Systems
- Vantage A.L.C.
- 予想実売価格:17,000円前後
- 問い合わせ先:03-5215-5650
(アスク) - URL:
http://www.coolitsystems.com/
水冷ヘッドに小型の液晶ディスプレイを装備した水冷式CPUクーラー。CPU温度やファン回転数などを確認できるほか、ファンの動作モードを3段階に切り換えられる

[1]バックプレートを取り付ける
まずは、マザーボードの裏面にバックプレートを取り付ける。CPUソケット周辺にある4カ所の穴に、バックプレートのネジ穴が来るようにする

[2]水冷ヘッドを固定する
水冷ヘッドに固定具を装着し、CPUの上に乗せる。片手でヘッドを軽く押さえ、もう一方の手で取り付け具のネジを押し込むようにしながら、バックプレートに仮止めする。グリスを塗るのを忘れないようにしよう

[3]電源ケーブルを接続する
水冷ヘッドの4ピンコネクタを、マザーボード上の4ピン電源端子に挿す。これで、マザーボードへの取り付けは完了だ

[4]マザーをケース内に設置する
水冷ヘッドを装着したマザーボードをPCケースに入れる。ラジエータのフィンが曲がらないように、片方の手でラジエータをしっかり持ち、ケースに当ててしまわないように注意しよう

[5]ラジエータを固定する
マザーボードをネジ止めしたら、ラジエータの12cm角ファンをPCケースにネジ止めし、水冷ヘッドのネジをドライバーでしっかり締める。もとの背面ファンはあらかじめ取り外しておこう。背面ファンまわりに余裕のないケースの場合、干渉する可能性が高いので注意

[6]ファンケーブルを接続する
あとはラジエータのファンケーブルを、水冷ヘッドの3ピン端子と接続すれば完成だ

[7]取り付け完了!