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TEXT:鈴木雅暢 | ||||||||||||
PCストレージ市場に大異変 | ||||||||||||
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HDDの容量単価がハイペースで下がっていく中、SSDの新製品が続々登場し、その価格も大きく下がってきた。HDDの時代が続くのか、それともSSDへの政権交代があるのか。各社最新製品の性能や消費電力、使い勝手などを徹底検証する。 | ||||||||||||
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1TBのHDDがついに1万円で手に入るようになった。実際に1万円で買えるのは週末セールなどの機会に限られるが、もはや通常価格になるのも時間の問題と言える状況になってきた。ついに1TB標準時代の到来である。 もっとも、HDDの最大容量はこの1TBで一息ついている。すでにSeagateから1.5TBモデルがアナウンスされているが、9月中旬現在、秋葉原の市場にはまだ登場するにいたっていない。ただ、この間にもHDD容量増加のカギとなる記録密度は上昇を続けており、1TBモデルのプラッタ構成は、200GBプラッタ×5枚から250GBプラッタ×4枚へ、そして334GBプラッタ3枚構成へと進化している。日立GSTからは375GBプラッタをうたうDeskstar 7K1000.Bシリーズも登場しており、高速化、低価格化が進んでいる。技術的にはいつ1TBを超えるモデルが登場してきてもおかしくないだろう。 |
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HDDのトレンド | ||||||||||||
1TBモデルが1万円寸前 週末セールなどでは1TB HDDが1万円弱で販売されることがめずらしくなくなった。通常の販売価格が1万円を切ってくるのも時間の問題と言えるだろう |
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プラッタ容量が増加 容量の増加は一段落しているが、高密度化技術は着実に進化し、主流は250GBプラッタから320GB/334GBプラッタに。375GBプラッタをうたう製品も登場している |
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大容量ストレージが作りやすく 容量あたりの価格が非常に安価なため、RAIDを使った数TBという巨大ストレージの構築も比較的手軽にできる。また、速度の向上を狙ってのRAID 0構成にも手を出しやすくなった |
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地味な展開を続けているHDDに代わって勢い付いてきているのが、NAND型フラッシュメモリを利用したSSD(Solid State Drive)だ。Solid Stateとは一般に半導体回路を意味し、広義ではUSBメモリなどもSSDに含めることもできてしまうが、今一般に「SSD」と言えば、「HDD互換のインターフェースを持つ高速なフラッシュメモリドライブ」のことを指す。そのメリットは何と言っても高性能であること。とくにランダムアクセスは圧倒的に高速で、OSの起動やちょっとしたアプリケーション操作などのレスポンスがきわめて良好という特徴を持つ。データの読み書きに機械部品を使わないため騒音が皆無で、消費電力が低く、発熱も小さいというメリットがある。2007年前半に市場に流通し始めて以来、しばらくは高級パーツ的な存在として落ち着いた展開を続けていたが、ここに来て性能、容量、価格、さまざまな面で改良された新製品が続々と登場し、競争が激しくなっている。 容量単価も急激に下がっており、いよいよ本格的にHDDの存在を脅かすところまで迫ってきつつある。とくにHDDの中でも高速なランダムアクセスをウリにする10,000rpmの高速HDDとはそろそろ競合する価格帯になりつつあり、マニア層の多くは現実的な選択肢としてSSDを検討するようになってきた。2.5インチサイズが主流であるためノートPCのユーザーからも大きな興味を持たれている。値下がりが始まる前の2008年春までは価格がかなり高値で安定していたことから「一部の特殊なユーザーだけが好む高級パーツ」という印象もあったが、そろそろ一般ユーザーも意識すべき段階に入ってきたと言えるだろう。 |
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SSDに使われるNAND型フラッシュメモリチップには、フラッシュ1セルに1bitを記録するSLC(シングルレベルセル)と1セルに複数bitを記録するMLC(マルチレベルセル)の2種類がある。MLCのほうが低コストで大容量にしやすいメリットがあるが、1セルあたりの書き換え回数の制限はSLCの10万回程度に対し、MLCでは1万回前後に制限される。SLCでは大容量化に限界があり、最近の新製品はほとんどがMLCを採用したものだが、MLCではメモリセルにかける電圧の緻密な制御が求められるため、書き込み性能が劣るという傾向もある。 もっとも、性能に関してはコントローラの設計やファームウェアによる部分も大きく、必ず「MLCだから遅い」、「SLCだから速い」というわけではなく、製品ごとの差が大きい。その差はまさにピンキリと言え、遅い製品の中には数世代前のHDDより遅いような製品もある。激安の製品はほとんどがMLCで性能も極端に遅かったため、MLCのイメージが悪くなっていた時期もあるが、Intelが発表した「X25-M」はMLCを採用しながらも圧倒的な性能を持つことで大いに話題になっている。まだまだ成熟していないデバイスだけに製品ごとのバラつきが大きく、あくまでも製品ごとに判断する必要があるデバイスであることは頭に入れておく必要があるだろう。 また、SSDの性能面ということでは、従来はカタログ記載のシーケンシャルリード/ライトの性能にランダムアクセスの性能も素直に比例する傾向があったが、MLCの製品が増えてファームウェアで最適化を行なう製品も多くなってきたことから、カタログスペックは似ていてもランダムアクセス性能などを実際に計測するとバラつきが大きかったり、使用感が大きく異なったりする場合もある。この辺りも後のページでじっくりと分析していきたい。 |
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SSDのトレンド | ||||||||||||
MLCの高速/大容量化が進む 高速・低容量・高価なSLCモデルに対して低速・大容量・安価なMLCモデルだが、最近は高速化も進んでいる。とくに書き込み速度の上昇が顕著だ |
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HDD以上に急激な価格下落 SuperTalentやOCZ Technologyなどの安価でそこそこ高速なMLC採用製品が市場に登場したことにより、SSD価格は急激に下落。3、4万円で64GBモデルが買えるようになった |
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コントローラやファームにも注目 SSDはメモリチップの性能以外にそれを制御するコントローラチップやファームウェアによって性能が決まる部分も大きい。ファームウェアの更新で一気に速度が向上した製品もある |
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