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ATXケースカタログ

TEXT：長畑利博

多数の冷却ファンを搭載したハイエンドゲーマー向けケース

Thermaltake

M5 VJ2000BNS

実売価格：12,000円前後

問い合わせ先：sales-jp@thermaltake.com（日本サーマルティク）
URL：http://www.thermaltake.co.jp/

　ケース内部にまでブラックの塗装が施されたタワー型ケース。ハイスペックパーツを詰め込んでも余裕を持って冷却できるよう、エアフローを重視している。

　注目すべき点としては、マザーボードベースの裏に7cm角のファンが1基標準で取り付けられており、CPUクーラーと合わせてサンドイッチ方式でCPU周辺部を冷やせるようになっている。このほか、天板、前面、背面に3基の12cm角ファンが標準で用意されている。こうした冷却重視の仕様であるため、ケース内の動作音は外に漏れやすい。

　内部レイアウトは電源を本体底面に置く方式。本体サイズが大きいこともあり、マザーの配置や取り付けなどの作業は行ないやすいが、マザーボードや電源によっては、電源ケーブルなどが届かない可能性もある。電源の吸気は本体底面の吸気口から直接外気を取り込むため、電源に熱がこもりにくい。吸気口には防塵フィルタとクッションを備え、ファンの振動やホコリ対策が行なわれている。ドライブベイやシャドーベイは工具なしで機器を取り付け可能なスクリューレス仕様。HDDのロックは片側だけで固定する方式のため、非常に簡単だ。

　一方で、全体的に工作精度が今一つの上、筐体に使われている鋼材も薄めで、剛性不足だ。このため、サイドパネルなどにがたつきが見られるのが残念。

SPECIFICATION
◆ベイ：5インチ×4、3.5インチ×2、シャドー×5
◆標準搭載ファン：12cm角×1（前面）、12cm角×1（背面）、12cm角×1（天板）、7cm角×1（マザーボード背面）
◆追加搭載可能ファン：12cm角×2（側面）
◆フロント端子：USB×2、ヘッドホン、マイク
◆サイズ（W×D×H）：190×488×431mm
◆重量：5.73kg

マザーボードベースの裏に7cm角ファンを搭載。回転数は1,500rpmで、このサイズにしては低め。天板にも12cm角ファンを備える

バリエーションモデルとしてサイドクリアパネルモデルの「M5 VJ2000BWSE」（実売価格1万3,000円前後）も用意されている

ファンケーブルは長めに設計されており、4基まとめて一つのペリフェラル電源コネクタでまかなえる

底面吸気タイプの電源を使用すればケース底面から直接外気を取り入れることができる

リムーバブルHDDケースを備える大型タワーケース

ZALMAN

GS1000

実売価格： 20,000円前後

問い合わせ先：03-5215-5650（アスク）
URL：http://www.zalman.co.kr/

　拡張性の高いタワーケース。一番の特徴はフロントパネルの下部に設置されたリムーバブルHDDケース。フロントパネルには2枚の開閉式ドアが用意されており、ここからHDD（最大6台）の抜き挿しが可能だ。また、下側3台分については、HDDトレイの後端部分にSerial ATA対応ケーブルをつなぐための基板が用意されている。これを接続することで、ホットスワップ対応のリムーバブルHDDケースとしての利用が可能だ。

　上部の3台分はこの基板は装備されておらず、直接マザーボードからHDDにケーブルをつなぐ方式。その代わりIDEタイプのHDDも取り付けできる。

　ケース内部はExtendedATXにも対応できる大型タイプで、奥行きのあるマザーボードでも余裕を持って取り付け可能だ。シャーシの素材にはスチールを採用。鋼材自体の厚みもあり、剛性は非常に高い。また、フロント、サイドカバーにアルミ、天板部には光沢プラスチックを採用しており、外観の質感も高い。

　電源はケース底面に配置する方式。電源の吸気は本体の底面から行なえるほか、市販の12cm角ファンを底面に取り付けることもできる。電源の各ケーブルはマザーボードの裏側を通して配線できる。マザーボードベースとパネルの間に比較的余裕があるので、配線後にサイドパネルを閉じる作業も行ないやすい。

SPECIFICATION
◆ベイ：5インチ×4（5→3.5インチ変換アダプタ×2付属）、シャドー×6
◆標準搭載ファン：12cm角×1（背面）、12cm角×1（天板）
◆追加搭載可能ファン：12cm角×1（天板）、12cm角×2（底面）
◆フロント端子：USB×2、IEEE1394×1、ヘッドホン、マイク
◆サイズ（W×D×H）：220×580×560mm
◆重量：12kg