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ATXケースカタログ

TEXT：長畑利博

地道な改良で完成度を高めた静音ケースの最新版

Antec

P180B V1.1

実売価格：19,000円前後

問い合わせ先：03-5812-5820（リンクスインターナショナル）
URL：http://www.antec.com/world/jp/

　3層の遮音サイドパネルや、電源を本体底部に配置するレイアウトを採用した静音ケース。発売時期こそ同社のSOLOより古いが、幾度かのマイナーチェンジにより、細かいブラッシュアップが行なわれている。内部のシャーシ構造などは同社の最新静音ケース「P182」と同等と言ってよい。最新マイナーチェンジでの変更点は、背面側に水冷キット用のチューブを通す穴が装備されたほか、マザーボードベース背面に各種ケーブルを通すことが可能となったことなどだ。

　本製品では電源ユニットを本体の底部に配置、電源とシャドーベイ、マザーボードと拡張カードのエアフローを分離することで、冷却効果を高める設計が行なわれている。そのほか、徹底した振動・静音対策も特徴で、シャドーベイや電源ユニット、ケースの足には防振対策のためのシリコンゴムが備えられているほか、サイドパネルの材質もアルミで樹脂をサンドイッチすることでケース内の騒音を漏らさないように工夫されている。

　注意点は、電源ユニットを取り付けるためのスペースが狭いため、奥行きのある大出力電源を積むときは、電源前にあるファンを取り外す必要があること、ATX12Vなどのケーブルがマザーボードのコネクタ位置や電源ケーブルの長さによっては届かない可能性があることだ。

SPECIFICATION
◆ベイ：5インチ×4、3.5インチ×1、シャドー×6
◆標準搭載ファン：12cm角×1（背面）、12cm角×1（天板）、12cm角×1（電源前部）
◆追加搭載可能ファン：12cm角×1（前面）
◆フロント端子：USB×2、IEEE1394（6ピン）×1、ヘッドホン、マイク
◆サイズ（W×D×H）：205×507×540mm
◆重量：約13kg

シャドーベイは取り外し可能で、HDDの制振用としてシリコンゴムが取り付けられている

各種ケーブルがマザーボードベース裏側を通して配線できるようになったので、作業がかなり楽になった。またケース内のレイアウトもシンプルになっている

付属ファンは背面のスイッチで速度の切り換えが可能になった。今回はデフォルトのLow設定で計測

電源前の位置に冷却用のファンが取り付けられている。奥行きのある電源は取り付けが難しい

前面メッシュパネルで冷却能力を強化したエントリーモデル

Antec

Three Hundred

実売価格：10,000円前後

問い合わせ先：03-5812-5820（リンクスインターナショナル）
URL：http://www.antec.com/world/jp/

　ゲーマー向けケースであるNine Hundredを簡略化し、エントリーモデルとしたもの。これにより実売価格は1万円前後に抑えられている。Nine Hundredからの大きな変更点としては、アクリル窓を採用したサイドパネルから一般的なスチール製のものに変わったことと、5インチベイを9基備える構成から、5インチベイ3基＋シャドーベイ6基の構造に変更されたこと。なお、3.5インチベイは用意されていない。また、Nine Hundredでは20cm角だった天板のファンが14cm角に変更、これにより斜めに出っ張っていた部分がなくなり、全体的にコンパクトになったことも挙げられる。

　もとがゲーマー向けケースということもあり、静音性よりも冷却性を重視した設計となっている。フロントにはメッシュパネルを用いて、吸気性を高めており、前述した天板のファンのほか、背面には3段階のスピード調節が可能な12cm角ファンを備えている。さらにシャドーベイの前には2基、サイドパネルにも1基の12cm角ファンが取り付け可能だ。

　電源は同社のP180シリーズ同様、本体の下側に設置するレイアウトだが、空気の流れを調整するための仕切り板などはない。暖かい空気が下から上に流れる効果を利用して、排熱効率を高めていると考えられる。最近のケースではめずらしく、ドライブの固定はネジ止め式。

SPECIFICATION
◆ベイ：5インチ×3、シャドー×6
◆標準搭載ファン：12cm角×1（背面）、14cm角×1（天板）
◆追加搭載可能ファン：12cm角×2（前面）、12cm角×1（側面）
◆フロント端子：USB×2、ヘッドホン、マイク
◆サイズ（W×D×H）：205×465×458mm
◆重量：7.2kg