 |
 |
TEXT:宇野貴教 |
 |
大容量メモリと64bit Vistaで |
 |
 |
 |
コンピューティングは新たな段階へ |
|
 |
メモリ価格の下落はとどまるところを知らず、ノーブランドの2GBモジュールが4,000円を切るところまできた。こんな大容量メモリ時代だからこそ、そのすべてを活かし切れるOSが必要だ。そこで注目したいのが64bit版のWindows Vistaである。 |
 |
メモリが安い今こそ64bit Vistaを使いたい! |
|
 |
2GBのメモリモジュールが驚異的な値下がりを記録し、2GB×2枚の4GBでも8,000円前後で購入できるようになった。1GBモジュールとの価格差もどんどん縮まっているため、これからメモリを購入するのなら断然2GBモジュールがオススメである。自作ユーザーであれば、デュアルチャンネル動作のために同一モジュールを2枚装着するはずで、つまり搭載量は4GBになる。ここで問題なのは、現在主流の32bit OSでは、メモリを4GB搭載してもOSからは3GB強しか認識できず、残りのおよそ1GBを有効に利用できないという点だ。そこで注目したいのが、64bit版Windows Vistaである。

64bit Vistaならメモリアドレス空間の上限が大きく解放されるため、4GB以上のメモリを搭載してもフルに利用できる。扱える最大量もHome Basicなら8GB、Home Premiumで16GB、BusinessとUltimateなら128GB超と余裕があり、メモリ搭載量の制限に引っかかる心配はないと言ってもよい。メモリ価格が大幅に下がった今こそ、64bit Vistaに移行する大きなチャンスなのだ。 |
 |
 |
 |
32/64bit Vistaの最大搭載メモリ量の違い |
 |
32bit Vista
|
Home Basic |
4GB |
Home Premium |
4GB |
Business |
4GB |
Ultimate |
4GB |
64bit Vista |
Home Basic |
8GB |
Home Premium |
16GB |
Business |
128GB超 |
Ultimate |
128GB超 |
|
 |
32bit Vistaでは4GBまで |
 |
 |
 |
64bit Vistaならメモリをフル活用できる |
 |
 |
 |
Vistaに限らず、32bit OSではメモリは4GBまでしか使えない。OS上からはさらに1GB少ない3GB程度しか認識できず、せっかくの大容量メモリにムダができる |
 |
|
 |
64bit Vistaを使えば4GB以上のメモリをフルに活用できるが、これ以外にも32bit Vistaと比較してさまざまなメリットが存在する。

たとえば、64bitネイティブのアプリケーションなら、32bitアプリケーションを64bit Vistaで使うよりも高速に動作する場合があり、とくに追加投資をすることなく快適度をアップできる。

また、32bit Windowsでは各アプリケーションが使えるメモリが2GBまでという制限があったが、64bit Vistaではこれも撤廃されている。デジタルカメラ画像のRAW現像やDTM、ビデオ編集などの大量のメモリを使用する用途なら、64bit Vistaのメリットがはっきりと実感できるはずだ。 |
 |
 |
 |
広大なメモリ空間を使えて大満足!
4GB超のメモリをフルに活用できる。現在Intelチップセットは8GBまでサポートという製品が多いが、その最大までメモリを搭載しても、64bitならすべて活用できる |
 |
 |
 |
対応アプリが高速に動作して快適
64bitネイティブのアプリケーションであれば、32bit版より高速に動作する。アプリケーションの最適化度合いによるが、10~20%近く向上する場合もある |
 |
 |
 |
セキュリティが強固だから安心
たとえば、32bitウイルスの攻撃は64bit Vistaに通用しない。同様に、32bit ActiveXは64bit IEで動作しないため、悪意のあるサイトに情報を盗まれることもない |
 |
 |
 |
32/64bit、どちらも動いて便利
64bit Vistaは32bitアプリケーションへの対応性が高く、大半が問題なく動作する。ハードウェアを制御するものなど一部動作しないものもあるので、確認しておこう |
 |
|
 |
POINT
1. パッケージ版よりDSP版
2. メモリとセットで購入したい |
|
 |
64bit Vistaの魅力が分かったところで、早速導入を考えている人も多いだろう。しかし、64bit Vistaの入手方法は、パッケージ版とDSP版で二つのパターンがある。

まず、Vistaはすべてのエディションで64bit版が用意されているのだが、市販されているパッケージ版でインストールDVDが同梱されているのはUltimateのみだ。そのほかのエディションの64bitインストールDVDは、パッケージ購入後にWebサイトから実費(1,050円)で申し込まなければならない(※1)。それならパッケージ版のUltimateを購入すればよいかと言うと、インストールDVDは32bitと64bitの2枚が同梱されているものの、ライセンス数は1なので32bit版と64bit版を同時に使うことができない。その上、実売5万円近いというのもネックだ。

そこで、これから64bit Vistaを導入するのなら、パッケージ版よりぐっと安価なDSP版を購入するのがオススメだ。DSP版はパーツとセットでなければ購入できないが、安くなったメモリとセットで買えばよいだろう。オススメは2GBメモリ2枚と64bit Vista Ultimateの組み合わせだ。

なお、店頭ではDSP版の32bit版と64bit版の両方が販売されているので、購入時にしっかり確認してほしい。 |
 |
 |
 |
オススメはメモリとDSP版のセット購入
パッケージ版Vistaは、(Ultimateを除いて)64bitのインストールDVDが付属せず、別途申し込んで取り寄せなければならない。DSP版ならこうした手間は不要だ |
 |
 |
 |
64bit Vistaの入手方法 |
 |
パッケージ版 |
Home Basic |
Home Premium |
Business |
Ultimate |
64bit入手法 |
32bit版を購入して後日申し込む(実費) |
32bit版を購入して
後日申し込む(実費) |
32bit版を購入して後日申し込む(実費) |
32bit版に同梱 |
実売価格 |
2万5,000円前後 |
2万8,000円前後 |
3万6,000円前後 |
4万7,000円前後 |
ライセンス数 |
1 |
1 |
1 |
1 ※2 |
|
 |
DSP版 |
Home Basic |
Home Premium |
Business |
Ultimate |
64bit入手法 |
パーツとセット販売 |
パーツとセット販売 |
パーツとセット販売 |
パーツとセット販売 |
実売価格 ※3 |
1万3,000円前後 |
1万6,000円前後 |
2万円前後 |
2万5,000円前後 |
ライセンス数 |
1 |
1 |
1 |
1 |
|
 |
※1 Windows Vistaインストールメディアお申し込みセンターから申し込める(パッケージ版購入者のみ)
※2 32/64bitのインストールディスクが同梱されるが、ライセンス数は一つなので同時使用できない
※3 DSP版の実売価格は、実売1,500円前後のメモリ1枚の価格を含む |
 |
 |
Windows Vista Ultimate α+ 64bit特別パック |
|
 |
Windows Vista UltimateのDSP版に、マウスやゲームなどさまざまなMicrosoft製品が付属する特別パッケージ「Windows Vista Ultimate α+」が、これまでに付属品を変えつつ何度か登場してきた。2007年末に登場した最新版では64bit Windows Vista Ultimateを中核に、製品版とほぼ同等の「Flight Simulator X評価版」、「Windows Live OneCare」が1年間利用できるライセンス、コンパクトなワイヤレスマウスなどが同梱されている。

Ultimate α+はDSP版なのでPCパーツとのセット販売のみだが、通常のDSP版Ultimateとの価格差は2,000~3,000円程度と小さく、お買い得感がきわめて高い。これから64bit Vistaを購入するのなら、ぜひ狙いたいパッケージである。 |
 |
 |
 |
DSP版の64bit Vistaそのものに加えて、ゲームやセキュリティ対策ソフト、マウスなどをセットにした福袋的な内容。実売1,500円前後のメモリ1枚とセットで実売2万8,000円前後 |
 |
 |
 |
DSP版64bit Vista Ultimate
Windows Vistaの機能をすべて使うことができる最上位版。ホビーユース、ビジネスユースともに有用なエディションである |
 |
 |
 |
Windows Live OneCare 1年間無償お試しカード
ウイルス/スパイウェア対策、ファイアウォール、バックアップなどPCの保護とメンテナンスを行なうソフト。お試しと銘打たれているが、全機能が利用でき、製品版とほぼ同じ |
 |
 |
 |
Windows Home Server 120日限定評価版
ファイル/メディアサーバーとして利用できるサーバーOSの評価版。強力なバックアップ機能が魅力。英語版で、試用期間は120日 ※ |
 |
 |
 |
Flight Simulator X評価版
Microsoft製ゲームの代表格とも言える航空機操縦シミュレーションゲームの評価版。内容は製品版と同等で、64bit Vistaでも動作する |
 |
 |
 |
Wireless Notebook Optical Mouse 4000
ノートPC向けの小型マウスだが、チルトホイールやカスタマイズ可能なサイドボタンを装備するなど、本格的なワイヤレスマウス |
 |
 |
 |
ちょっとできるWindows Vista
Windows Vista Ultimateを活用するためのコツを解説した非売品の小冊子。オールカラーで見やすいのがポイント |
 |
※付属のコネクタソフト(クライアント)は64bit Vistaではインストールできないので注意 |
 |
|
|
|
|