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64bit Vista完全導入ガイド
TEXT:宮崎真一
64bit Vistaで仮想環境を試す
64bit Vistaでは、32bit版を大幅に上回る物理メモリを利用することが可能だ。これを活用できる方法の一つとして、最新CPUが搭載している仮想化支援機能にも対応する仮想マシンソフト「Virtual PC 2007」を紹介しよう。
64bit環境で仮想マシンを使うメリットとは?
 64bit環境を利用する上での最大のメリットは、やはり最大メモリ搭載量の上限が事実上なくなる点だ。この大容量メモリ環境を有効に活用できる方法として、MicrosoftのVirtual PC 2007を紹介しよう。このソフトはPCハードウェアをエミュレートし、仮想マシンを構築するもので、Virtual Machine Monitor(以下VMM)と呼ばれる。もとのOS(ホストOS)上に別のOS(ゲストOS)の動作環境を構築した際に、ホストOS上からハードウェアリソースを制御し、ゲストOSに橋渡しする役目をになっているわけだ。

 今回は、4GBメモリを搭載した環境でテストを行なったが、ゲストOSに最大で3,582MBのメモリ容量を割り当て可能だった。ちなみにホストOSが32bitだと同じハードウェア環境でもホストOSが認識するのは3,256MBで、ゲストOSにはうち2,814MBまでしか割り当てられなかったため、とくにメモリ容量については64bitのほうが融通が利くと言える。下で紹介するVirtual PC 2007はゲストOSに32bitしかサポートしないので、一つの仮想マシンに3,223MBを超える容量を割いてもあまり意味がない。つまり、ホストOSに64bitを利用する強みは、仮想マシンを二つ、三つと起動していった際に、より多くのメモリを割り当てられる点になるだろう。
image今回用いた32bit Vista環境では、ホストOSからは3.25GBしか認識できず、仮想マシンに割り当てられる最大メモリは2,814MB
image一方、64bit環境では最大で3,582MBのメモリを割り当てることができた
image仮想マシンを複数起動した場合、それぞれにメモリを割り当てる必要がある。こうした場合は、より多くのメモリを利用できる64bit環境を選びたい
Virtual PC 2007でWindows Vistaをインストール
 では、64bit版のWindows Vista Ultimate 上で仮想環境を構築する手順を解説しよう。Virtual PC 2007はMicrosoftのWebサイトから無料でダウンロードできる。32bit版と64bit版の実行ファイルのうち64bit版を選択して、インストールすれば準備完了だ。

 Virtual PC 2007は、ゲストOSとして64bit OSをサポートせず、Linuxの動作もサポート外。CPUがシングルコア動作で、USB機器も動作しない点は留意しておきたい。

 実際にゲストOSをインストールする前に、まずウィザードに従って仮想マシンの構築を行なう。インストールするOSの種類、HDDやメモリの容量を適宜指定していく。

 次はOSのインストールを行なう。Virtual PCコンソールの[起動]をクリックすると、仮想マシンが立ち上がる。初期状態では光学ドライブを認識しないので、Virtual PC 2007のメニューにある[CD]から[物理ドライブ D:(ドライブレターはホスト側の環境に左右される)の使用]を選択すると、仮想環境から光学ドライブが利用可能となるので、あとは通常のOSインストールと同じ手順で進めていけば環境構築は完了だ。

 仮想マシン環境の操作で一つだけ注意しておきたいのは、OSインストール直後に、ゲストOSからホストOSへ移動する際には、右[Alt]キーを押しながらマウスを操作する必要があること。

 このため、コンソールメニューの[操作]にある[バーチャルマシン追加機能のインストール/更新]を選択しておこう。すると、ホスト/ゲストOS間をマウスで自由に行き来できるようになり、ファイルの受け渡しなどもドラッグ&ドロップでも行なえるようになる。ただし、ゲストOSでは、ビデオカードはDirectXには非対応のS3 Trio 32/64としてエミュレーションされるため、Windows Aeroを利用することはできない。
image1 まずはバーチャルマシンの構築から始める。手順はウィザードに沿って行なうだけといたって簡単
image2 インストールするOSを選択すると、メモリやHDDの容量、それにサウンド関係の設定が自動で決定される
image3 メモリ容量は一度設定した後からも変更できる。ホストOSが 64bit版Vistaなら、最大で3,582MBを割り当て可能だ
image4 物理ドライブの指定だけ行なえば、あとは通常のOSインストールと同じ手順で仮想化環境が構築できる
image5 Virtual PC 2007を利用し、Vista Ultimate 64bit上で Vista Ultimate 32bitが動作している
image6 バーチャルマシン追加機能のインストール/更新を行なうと、マウスカーソルでホストーゲスト間を行き来できるようになる
Intel CPUが搭載する仮想化支援機能「VT」
 Core 2 DuoなどのIntel製CPUには、Intel Virtualization Technology(以下VT)、Athlon 64 X2などのAMD製CPUにはAMD Virtualization(以下AMD-V)という機能が実装されている。これらは“仮想化支援機能”と呼ばれ、複数の仮想マシンを効率的に動作させるために用意されたものだ。

 Intel VTには、Core 2 DuoなどのIntel VT-x、ItaniumなどのIA-64用であるIntel VT-i、I/O関連機能のIntel VT-dがある。ちなみにIntelの仮想化支援機能はマザーボードのBIOSでVanderpool Technologyとも表記されるが、こちらは開発コードネームとなる。

 従来、VMM動作時にはホストOSとゲストOSのCPUに対する特権命令が競合することがあり、これをVMM側で監視、修正していたため、このオーバーヘッドがパフォーマンスの低下を引き起こしていた。しかし、VT-xには、VMX rootとVMX non-rootという二つの動作モードがある。ゲストOSは通常VMX non-rootモードで動作するが、必要に応じてVMX rootモードに切り換わって制御をVMMに委ねる。これによりVMM側で特権命令を監視、修正する必要がなくなり、その分、パフォーマンスが向上する。またVT-xには、ゲストOSからCPUに対する命令を保存するVirtual Machine Control Structure(以下VMCS)と呼ばれるデータ領域が用意され、複数のゲストOSを起動した場合、これをスムーズに切り換えられる。

 なお、VTはCore 2 Duo E8190、E4000シリーズと、T5600を除くT5000シリーズなどには実装されていないので、VMMを利用する際にはCPUの選択に注意したい。
imageASUSTeKのP35マザーボード、P5K PremiumでVTを利用するには、BIOSのVirtualization Technologyという項目をEnabledにする
 今回、VTの有効/無効をBIOSで切り換えられる環境を用意し、Virtual PC 2007上でゲストOSのパフォーマンスを測定した。

 結果は、VT有効時のほうがスコアが高くなってはいるが、その差はわずか。この原因にはVirtual PC 2007が十分にVTに対応し切れていないことがて挙げられる。Windows Server 2008で新たに実装されるるVMM環境のHyper-Vでは、ゲストOSはホストOSの影響を受けずにマイクロカーネル的な動作を行なって仮想マシンを制御する。このため、オーバーヘッドが減少、パフォーマンスも向上すると見られる。Hyper-VだとIntel VTの恩恵が色濃く表われるのではないだろうか。
image
 また、512MB、1GB、1.5GBと、512MBずつ仮想マシンへのメモリ割り当てを増やし、それぞれSandra Professional XIを用いてメモリの帯域幅についてベンチマークを行なってみたところ、メモリの割り当て容量が少ないほどパフォーマンスが高くなることが分かった。これは、ホストの物理メモリと、仮想マシンのメモリの間で、アドレスマッピングなどを行なうなど、物理メモリをエミュレートしており、割り当て容量が増えるほどオーバーヘッド大きくなるためだと思われる。ここから、実際に仮想環境にメモリを割り当てる際には、利用するアプリケーションなどの環境に応じて、できるだけ割り当てメモリは少なくするのがよいようだ。
image
【テスト環境】
CPU:Core 2 Duo E6850(3GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5K Premium/WiFi-AP
メモリ:ノーブランド PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB×4
ビデオカード:ASUSTeK EN8800GTX/HTDP/768M(NVIDIA GeForce 8800 GTX)
HDD:日立GST Deskstar 7K250 HDT722516DLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、160GB)
ホストOS:Windows Vista Ultimate 64bit
ゲストOS:Windows Vista Ultimate 32bit
Intel VTとAMD-Vの違い
本文中はIntel VT-xの解説にとどまったが、AMD-Vと違いがあるのかを疑問に思う人も少なくないだろう。基本的にIntel VT-xとAMD-Vとの間には互換性はなく、仮想化支援機能の実装方法も異なっている。AMD-VではゲストOSが直接管理するVMXモードに相当するゲストモードや仮想化専用の命令セット、それに仮想アドレスから物理アドレスに変換する際のページテーブルを格納するTranslation Lookaside Bufferにタグを付けたものがCPUに搭載され、高速化が図られている。また、Intel VT-xとの互換性はないが、その差はVMMで吸収されるため、ユーザーはとくに違いを意識することなく利用できる。
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