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TEXT:Ta 152H-1 | ||||||||||||||
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電源に求められる性能として、出力がシステムが必要とする電源容量を満たしていることが必須だ。電源容量が不足した場合、システムが起動しない、ハングアップするなど不安定な動作をするといった症状が出る。また、総合出力の容量ではなくて、各電源系統が必要な容量を満たしているかどうかが重要になる。 PCのシステムは拡張を想定すれば容量の大きい電源を選びたくなるが、必要以上の大容量電源を選べばよいわけではない。電源には効率があり、どんな負荷(出力)でも効率が一定なら、効率のよい大容量電源を購入すればよいが、現実には負荷が低い場合でも電源自体が消費して熱となる電力はあまり小さくならず、かなりムダな発熱をしている。必要な電力が小さいシステムで大容量電源を使えば、それだけムダにしている電力が増えるのだ。 結論は、使用するシステムの消費電力に適合した出力を持つ電源を選択するのが最善ということになり、電源に関しては大は小を兼ねるということはない。出力容量、出力形態が要求を満たした上で、効率のよい電源を選べるならそのほうがよい。電源の信頼性は重要な性能項目で、使用環境(とくに温度や負荷率)によって電源の信頼性は大きく変わってくるし、回路部分がしっかりしていても、冷却ファンが壊れて異常な高温になってしまって壊れるといった可能性もある。 よい電源を見きわめることは難しいが、少なくとも中身がスカスカで放熱用ヒートシンクが貧弱、入力部のフィルタを省略しているといった手抜き設計品は、安価であっても購入を避けたいものだ。 |
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クアッドコアのCPUとSLIやCrossFireに対応するには、やはりマージンを見込んで700Wクラスから上の電源を選びたい。また、DC12Vの出力も4、5系統程度持ち、各系統ごとに15~20A程度の出力電流を確保できることが望ましい。 当然出力コネクタがSLIに対応した2系統のPCI Express用電源が欲しいし、ビデオカードの消費電力はCPUと同等以上なのだから、独立した大きな電流を取れるよう、それぞれの系統が独立していることが望ましい。ということで、できればDC12Vの各系統とコネクタとの関係について明示されている製品を見付けたい。 実際のところCPUやグラフィックスチップはアイドル時とフル稼働時では大きく消費電力が異なるし、またすべてのデバイスのピークが重なるとも限らないので、通常の使用環境では500Wクラスの電源でも稼動する確率は高いが、動作マージンを考慮するなら、もう一回り出力の大きな電源を選ぶようにしたい。 このクラスになってくると電源自身の消費電力も大きなものになる。加えてアイドル状態で動作することも多いので、なるべく低負荷のときから効率の高い電源を選びたい。700W~1kWクラスの電源は比較的新しい製品が多く80PLUSに適合した製品も多いので、そうした製品の中から選ぶのもよい。 このクラスの大出力電源は高級品扱いされているので、まだ比較的良心的な製品が多いが、内容的には安っぽい作りの製品が存在しないわけではない。安定したハイエンドゲーム環境のためにはビデオカードやCPUとともに、電源もしっかりとコストをかけるポイントとして考えておくべきだろう。 |
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ビデオカードへの電力供給 GeForce 8800 GTXクラスのSLI環境では、ビデオカードだけで数百Wを使用する。ただし、常にそれだけ使用しているわけではない |
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8ピンのコネクタも登場 最新のハイエンドビデオカードでは、6ピンだけでなく、8ピンのPCI Express用コネクタも登場。今のところ変換コネクタを使えば十分ではある |
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これはCase1と重なる部分が多い。というのもHDDに必要な電源もやはりDC12Vだからである。と言うより現在のPCでもっとも重要な電源系統がDC12Vなのだ。これはマザーボードやHDDの制御基板上にあるオンボードレギュレータの多くがDC12Vから電力を得ているからである。 電力供給をするためのラインの電圧が高いと流す電流を小さくできる。電流が大きいと抵抗成分による損失(回路自体によって消費される電力)が増えるため、電流が小さいほうが伝送効率がよいのだ。また、DC-DCコンバータでは入力電圧と出力電圧の差が大きいほうが効率よく変換できる。ということでHDDもDC5Vを直接使える部分はともかく、制御回路やモーター駆動のための電源はDC12Vを使っている。加えてHDDにはモーターを駆動するために、起動時に大きな電力を必要とするという性質がある。このため多くのHDDを収納するシステムでは、わざわざHDDの起動タイミングをずらしたりしているが、通常のPCではそうした機能は搭載していない場合が大半である。 ということでHDDを大量に搭載するシステムでは、DC12Vの供給能力に気を付けたい。実際、電源容量が足りないためにHDDのスピンアップに失敗するという現象はめずらしいものではなく、またそこからシステムの動作が不安定になるといった事態を誘発する可能性も高い。 マザーボードとCPUで1系統ずつDC12Vを使うのだから、3本目のDC12Vを独立して取ってこれること、またそれがペリフェラル用の出力コネクタに使われているという構成になっていることなどが重要になってくる。 |
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HDDに重要なのはDC12V 多くのHDDを取り付ける場合は、配線の系統にも注意したい。分岐ケーブルによる増設もよいが、1系統から取り過ぎるのはトラブルのもとである |
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現在、デスクトップPC用として販売されているものの多くが静音性をウリ文句の一つにしており、12cm角ファンで低速・静音ながら、十分な風量を確保した製品も一般化している。実際、電源自体の性能のよさと静音性にはあまり相関はない。静音かつ性能がよい電源もあれば、静音性だけを重視してムリな作りをしている電源もある。 静音性は電源が内蔵するファンと密接にかかわってくる。静かなファンを選ぶことと、電源の性能や寿命に影響を与えないように十分な冷却を行ない、なおかつムダにファンを回転させない制御をすることを実現して初めて静音電源と言えるのだが、実際には安いファンを回転数を落として使い、アイドリング時は静かだが発熱量は増えるとうるさくなるという製品もめずらしくない。 静音性については実際に製品を使ってみないと判断できない部分が多い(宣伝文句に偽りありという製品が多い)が、総じて大型のファンをゆっくり回せば、冷却性能を落とさずに静音化することはできる。底面に大きな冷却ファンを取り付けて、背面は吐き出し用メッシュだけにした電源が増えたのはこのためで、これは結構効果がある。 次のページからは内部構造を含めて、各製品のチェックを行なっているが、ここで挙げたような、自分なりの評価ポイントを持って見ていただきたい。 |
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安くても静音 低価格製品として前ページで取り上げたサイズのCoRE PoWER 400Wは、安価ながら12cm角ファンを搭載しており、静音性は良好だ |
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ファンの向きにも注目 取り付けるPCケースの構造にもよるが、電源側のファンの配置もよく確認しておきたいポイントだ。向きによっては熱がこもってしまうことも |
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