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PC電源解体新書
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電源の仕組と選び方のポイント
PCの電源とは
 PCの電源の基本的な回路構成は20年以上昔のオリジナルのPC/ATから現在まで変わらず、「フォワードコンバータタイプのスイッチング電源」である。しかし、外形、サイズ、コネクタ、出力容量、出力構成といった部分はPCの発達に対応して変化している。さらに電気製品に対する電磁環境規格や安全規格も以前と比べて強化されており、こちらに対応するためにも変化している。

 デスクトップPCのフォームファクター仕様「ATX」では、電源の仕様を定めている。これがATX電源だ。ATX電源はそれまで流通していたPC用電源のデファクトスタンダードにDC3.3V出力を加え、ATX12Vの電源コネクタを使いやすく安全な角型コネクタとした。ATXの仕様や設計ガイドは強制されていないが、少なくとも外形、コネクタの形状、そして入力および出力の定格といったものはこれらを満たしていないと、一般的なPCのマザーボードやケースに適合した電源にはならない。電源出力がDC12V、DC-12V、DC5V、DC-5V、DC3.3Vの5種類なのはATX仕様制定当時、マザーボードが必要とする電圧の大半がこの値でまかなえたから。その後DC-5Vは用途がなくなり仕様からは外れた。

 PCのシステム構成が進化するにつれマザーボードが必要とする電圧値の種類は増えたが、電源ユニットの出力を複雑化させるのではなくて、マザーボード上にオンボードレギュレータと呼ぶ電源(回路)を搭載して、電源ユニットから供給される電力をそれぞれの回路が必要とする電圧に変換して供給している。この方法ならマザーボードに供給する電源の電圧値は単一で構わないのだが、過去のシステムとの互換性のため多出力構成を維持している。電源まわりを専用設計にできるノートPCなどはマザーボードに供給する電源の電圧値は単一である。
電源仕様の変遷
 Pentium 4が市場投入されたときにCPU用電源にはDC12Vを使うことが設計ガイドとして示された。従来のATX電源仕様ではDC12Vが不足するのでCPU専用にDC12Vを供給する電源系統とコネクタを追加したATX12V電源仕様を定めた。それまで電源はATX仕様の中にすべて書かれていたが、電源についての記述が増加してきたため、ATX12VについてはA TX仕様書とは別にATX/ATX12V Power Supply Design Guide によって規定された。

 ATX以外にもCFX12V、LFX12V、SFX12V、TFX12Vといったフォームファクターの電源も定められているが、これらとATX12Vとの大きな違いは出力容量と筐体サイズであり、出力電圧やコネクタなどには互換性があるので、最新のPC電源の設計ガイドはフォームファクター別ではなく、Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors(PDF)として一つにまとめられている。ただ、ATX12Vの古い仕様に準拠した電源は、コネクタ形状などは現在のマザーボードにも適合するが、出力仕様が適合しない場合も多い。新しいシステムにはなるべく新しい電源を使ったほうがよいだろう。
電源選びの基本ポイント
image変換効率
変換効率は高いほどよい。80PLUSロゴが記された製品は、業界団体の認証機関によって効率80%以上が保証されており、高効率電源の目安になる
image出力仕様
出力は合計値が記されるが、多系統の出力を持つPC電源では各電圧ごとの出力が重要。ほとんどの電源は出力仕様をラベルとして貼り付けている
image出力端子
電源を接続するのはマザーボードだけではない。分岐ケーブルなどで追加も可能だが、必要なコネクタ数と種類を備えているかは確認しておきたい
電源内部コネクタの種類
imageATX2.2 メインコネクタ
マザーボードに電力を供給するコネクタ。以前は20ピンが標準だったが消費電力の増加に伴い、EPS12Vから流用する形で24ピンが規定された。スタンバイ用の電源や、メモリやチップセット、拡張カードの電源はここから供給される
imageATX12Vコネクタ
CPU用のDC12Vを供給するコネクタ。電気的にはメインコネクタとは独立したDC12Vの出力系統を使うように定められている。最近ではCPUの消費電力の増加に伴い、EPS12V準拠の8ピンタイプを採用した電源もある
image4ピンペリフェラルコネクタ
光学ドライブやHDDへの電力供給に使う4ピンのコネクタ。DC12VとDC5Vが1本ずつで、残り2本はグラウンドライン。シンプルな形状であるが、安いコネクタの中には扱いにくいものもある
imageSerial ATA電源コネクタ
Serial ATAでは従来の4ピンペリフェラルコネクタとは別に電源コネクタ規格を定めた。DC3.3Vのラインが追加されたが、大半のHDDは従来製品との互換性のためDC5VとDC12Vで動作している
imagePCI Express電源コネクタ
PCI Expressのビデオカード用電源コネクタ。当初は6ピンのみだったが、CPU以上の消費電力となったハイエンドグラフィックスチップに対応するため8ピンタイプも規定されている
imageFDDコネクタ
現在はあまり使われない、FDD用の一回り小さい4ピンコネクタ。使用する電線もほかの電源系統とは異なり細いものになっているので、大出力のデバイスを接続するのには適さない
出力表の見方を知ろう
image
1 AC INPUT:AC入力の仕様。対応できる電圧と周波数
2 DC OUTPUT:出力できる電源系統と各電圧
3 最大出力電流:各電圧、各系統ごとに取れる最大電流値
4 最大総合出力:クロスレギュレーションのある系統の最大出力
5 Peak Power:瞬間最大出力。連続定格出力が記された製品もある
 総合出力として示される値は、通常は各系統ごとに設計上の最大出力を合計したものより小さい。各系統ごとの電流値とは、そこまでの電流を流すことのできる(出力)回路ということであり、電源そのものが作り出せる最大出力はそれ以前の部分で決まる。

 各電圧ごとに必要とされる出力はシステム構成によって変わる。各系統の出力をきっちりと分割してしまうと、適応できる構成が少なくなり、たとえば300Wの電源をDC3.3V/DC5Vで100W、DC12Vで200Wと分けて作ると、150Wずつ必要というシステムには転用できない。そこで出力回路部分はもっと大きな電流値に対応できるように作っておくのだ。

 DC3.3VとDC5Vは出力回路の一部が共通していることが多く、合計出力はまずその部分に制限される。2系統出力のあるDC12Vについても一つのDC12V回路から分岐されているので、一方が大きな出力を取ると、他方の出力は制限される。さらにDC3.3V、DC5V、DC12Vのメイン出力の合計を制限するのはメインのスイッチング回路部分になるので、これらの合計出力も制限される。

 最大出力と言われるものには連続出力と瞬間最大出力がある。大きな電流が流れると発熱があるので、短時間なら持っても長時間その状態を維持できない、あるいは回路が破壊されるということがある。また、通常許容される出力でも、瞬間的にそれ以上の大出力となる場合、即壊れるようでは困る。瞬間最大出力はこうしたイレギュラーな事態に対応するためのマージンであり、通常の使用状態での必要出力はもっと小さい値に抑えておく必要がある。 
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