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PCケース選びの基礎知識 1/2

PCケース選びの基礎知識 2/2

購入前にもう一度チェックしたいポイント 1/2

購入前にもう一度チェックしたいポイント 2/2

今回レビューする12製品を一挙紹介 1/3

今回レビューする12製品を一挙紹介 2/3

今回レビューする12製品を一挙紹介 3/3

その他の特集（2011年）

高級 vs. 低価格！液晶ディスプレイ群雄割拠

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PCケース選びの基礎知識

TEXT：保坂陽一

最近のPCケースのトレンドをチェック！

■	独自機能満載！でも低価格は当たり前

　前述のように、最近の売れ筋のPCケースは1万円台で電源ユニットなしのものだ。電源付きの安価な製品からすると数千～1万円程度の追加出費となってしまうが、それだけの価値あるしっかりとした製品が多く、末永く使うことを考えれば、決して高価ではないはずだ。

　材質では軽量で、放熱性に優れたアルミケースは減少傾向で、価格もほとんどのものが2万円以上と高価。売れ筋の価格帯では剛性の高いスチール製のシャーシに、樹脂製ながら高級感を演出したフロントマスクを採用したものが多くなっている。重量があると移動の際はめんどうであるが、それだけ制振性能もアップするということで、静音面にも貢献する。

　また、12cm角の静音ファンなどを備えた製品はもはや一般的。一時は大型のダクトを設けて放熱性を高めた製品が増えていたが、最近では逆に密閉性を高めることで静音性を高めた上で、ケースファンによる効率的なエアフローを構築、冷却性能との両立を図ったものが人気だ。なかには水冷ユニットなどの取り付けを可能とした製品も増えているが、これを利用するかどうかは個人の好みだろう。

　これらとは別に、ハデなLEDや大型ファンを多用した、いわゆるゲーマー向けの製品も増えてきている。こうしたものは確かに強力な冷却性能を備えるが、長く使うことを考えると、メンテナンス性なども考慮しておきたい。　

デザインとコストの両立
写真の左はフルアルミケース、右はフロントパネルにのみアルミを採用する樹脂製のケースだが、ほとんど差が分からない。コストパフォーマンスを考えると……

細部までしっかり冷却
HDDの冷却も最近のトレンド。より効率よく風を当てるために、シャドーベイをフロントファンのすぐ後ろに配置する製品が増えているようだ

密閉静音重視タイプ
最近の一番人気はこのタイプ。Antecのケースに代表される、開口部を少なくした静音ケースだ。もちろん、単に密閉性が高いわけではなく、小さなダクトをうまく配置し、内部にはしっかりとしたエアフローを構築。最小限のファンを効率よく使用している。見た目はシンプルなものが多いが、むしろ国内ではそれがユーザーウケするポイントにもなっているようだ。

Antec

P182

実売価格：18,000円前後

問い合わせ先：03-5812-6120（リンクスインターナショナル）
URL：http://www.antec.com/world/jp/

密閉性を高めた静音ケース。マザーボード、シャドーベイ、電源の各設置部を区切り、内部での熱の干渉を抑えている。水冷ユニットの装着も可能だ

強力冷却タイプ
12cm角のファンを複数備えたり、より大型のファンを備えたりしたケースも増えている。発熱の大きいハイエンドビデオカードなどを安心して使いたい人に人気だ。こうした製品には透明なアクリルパネルやLEDなどを使用して、見た目にハデなものが多い。なかには静音をうたうものもあるが、左の静音重視タイプとはやはり違う。強力な冷却性能を持つわりに静か、と考えておくほうがよいだろう。

サイズ

Wind Tunnel

実売価格：15,000円前後

問い合わせ先：support@scythe.co.jp
URL：http://www.scythe.co.jp/

25cmのファンをサイドパネルに二つ備えたモンスターケース。HDDやビデオカードを強力に冷やしてくれるだけでなく、メンテナンス性も高い

ネットでは分からない

店頭でのケースの見きわめ方

■	よいPCケースが欲しければPCショップに足を運ぼう

　最近ではPCパーツの通信販売も一般的になっている。PCケースは大きいこともあって、なおさら通信販売は便利であるが、購入前にはなるべく店頭で実物に触れておきたいところだ。ケースの剛性や精度といったものは、写真だけではなかなか判断し難い。もちろん、今回のようなレビュー記事も参考にしていただきたいが、やはり百聞は一見にしかずだ。安価でもこれは意外とよいぞ！という自分なりの1台を見付けるには必須と言える。さまざまな製品に触れてみよう。

ショップでは実際に触れることができる。内部のチェックはもちろん、サイドパネルがない場合も、店員さんに相談すれば見せてもらえるはずだ

とりあえず持ち上げてみる

持つだけでいろんなことが分かってくる

ケースの重量や剛性は、持ち上げてみるだけでかなり分かる。持った瞬間、歪むような感覚があるものは、おおむねフレームや外装の強度にコストがかけられていない。ただ、そういった製品でもHDDなどを増やしていくと、それ自体がケースの補強になることもある。また、サイドパネルの強度が低くても、シャーシはしっかりしている、という製品もあるので、その辺りもチェックしておきたい。

サイドパネルの立て付けを確認

固いからダメというわけではない

サイドパネルの取り外し、取り付けがスムーズであれば、それだけで気持ちがよいものだ。サイドパネルの厚みや剛性などは静音性能にもかかわってくる。しかし、立て付けが悪いからと言って、すべてがダメというわけではなく、あえて固めの立て付けにすることによって、制振性能のアップを狙ったものがあることも忘れてはならない。もちろん、それが両立できているものがベストなのは言うまでもないだろう。

フロントパネルは本当に使いやすいか

デザインで選んで大丈夫？

PCケースにとってデザインは最優先事項という人もいるだろう。しかし、実際に使ってみてどう思うかは別問題だ。とくにフロントがトビラ式になっているものの場合、光学ドライブなどにアクセスするたびにトビラを開けることになり、結局めんどうになって開けっ放し、などということはよくあることだ。そうなるとせっかくのデザイン性もだいなしである。自分の使い方はよく考えたほうがよいだろう。

剛性や作りを見る

各部の歪みや精度をチェック

「持ち上げてみる」の続きとなるが、フレームの精度（切断面の処理など）や、歪みなど、細かい部分もよく見ておきたい。最近は少なくなったが、いまだに組み立て中にフレームで指を切るといったPCケースはなくならない。そのために作業中は手袋などをしておくことが推奨されるわけだが、やはりめんどうなものだ。また、ドライブベイや拡張スロットなどに歪みがあるものは、パーツの追加・変更時に苦労する。