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TEXT:清水理史 | ||||||||||||||||||||
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有線LAN、無線LANに次ぐ、家庭内の第3のインフラとして注目されているのがPLCだ。電力線をそのまま使えるという手軽さ、家電製品との親和性の高さから高い注目を集めている。 | ||||||||||||||||||||
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PLC(Power Line Communication)は、文字どおり、電力線をネットワークの伝送媒体として利用する通信方式だ。 一般的な家庭の場合、家庭内のどの部屋にも壁コンセントが用意されており、そこに50Hz/60Hzの電力が流れている。PLCは、この電力線に2MHz~30MHzの帯域の信号を重畳することで通信にも利用する技術だ。通信速度は方式によっても異なるが、最大190~200Mbpsの通信が可能となっている。 PLCの最大の特徴は、その手軽さだ。前述したように、電力線は家庭内の各部屋を相互に接続しているため、特別な配線は一切必要なく、コンセントにアダプタを接続するだけで利用できる。現在発売されている製品の場合、接続設定も簡単で、通信に利用する二つのアダプタを隣接コンセントに接続して、本体のボタンを押すだけで暗号化などの接続設定が完了する(セット製品の場合は初期設定済み)。 国内では2006年12月に利用認可が下りたばかりの規格で、まだ製品は少ないが、松下電器産業のHD-PLC方式などの製品がすでに発売されている。なお、PLCにはHD-PLCに加えて、HomePlug、UPAといった複数の規格が存在するが、相互互換性は確保されていない。 このため、複数の規格が混在するような環境では干渉によって極端に通信速度が低下したり、正常に接続できなかったりする場合がある。戸建て住宅では問題は少ないが、集合住宅では各住戸で別々の規格が使われる可能性もあるので注意が必要だ。同様に、ほかの家電製品などの影響を受けやすく、まだ課題も多い。 |
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PLCの利用イメージ | ||||||||||||||||||||
PLCでは家庭内の電力線を伝送媒体として利用する。コンセントにアダプタをつなぐだけで、各部屋を結んだネットワークを構築可能だ | ||||||||||||||||||||
三つのPLC方式 | ||||||||||||||||||||
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PLCの速度が低下する要因は? | ||||||||||||||||||||
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配線が不要なこと、つなぐだけで使える手軽さを備えていること、これらのメリットを考えると、PLCは家庭内のネットワーク環境としてはもっとも有力な方式と言えるだろう。 しかし、パフォーマンスという点では、注意しなければならないこともある。これは、PLC自体のパフォーマンスが低いという意味ではない。たとえば、松下電器産業が提唱するPLCの方式「HD-PLC」の通信速度は最大190Mbpsとされている。190Mbpsと言っても、あくまで理論上のリンク速度であり、アダプタのLANポートが100BASE-TXであることも踏まえれば、実際の速度(実効スループット)はこれより低くなる。とはいえ、公称スループットはUDPで80Mbps、TCPで55Mbpsとなっており、IEEE802.11nの無線LANと実力的には拮抗していると考えてよい。 では、何に注意しなければならないかと言うと、PLCは接続環境によってパフォーマンスが大きく左右されるということだ。接続するコンセントの位置などによって、通信速度は大きく変化する。 具体的なパフォーマンスは右グラフのとおりだ。筆者宅(木造3階建て)の1階のコンセントにHD-PLCのマスター(親機)を接続し、ほかの部屋のコンセントにターミナル(子機)となるアダプタを接続、FTPによる速度を計測してみた。 無線LANの場合、アクセスポイントの近くのほうが速度が高い傾向が見られるが、PLCの場合、必ずしもそうとは限らない。たとえば、マスターと同一室内のコンセントにターミナルを接続した場合は最大速度が約35Mbpsだったのに対して、異なる部屋にターミナルを接続したときに約40Mbpsと、より高い速度で通信できる場合もあった。 また、同じ部屋のコンセントでも、一方は40Mbpsを超える速度で通信できるのに、もう一方では20Mbps台と速度に大きな違いが見られるケースもあった。これは、前のページで紹介したL1/L2相をまたがる通信が主な原因だ。このため、PLCを利用する場合は自宅の分電盤をよく確認し、各部屋のコンセントがどの系統に接続されているかを知っておく必要があると言えるだろう。 |
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BL-PA100KTでテスト 松下電器産業から発売されている国内初の高速PLCアダプタ「BL-PA100KT」。HD-PLC方式に対応しており、実効速度で50Mbps前後の通信が可能。コンセントにつなぐだけの手軽さが魅力 |
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