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TEXT:宇野貴教 |
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ワイド液晶のメリットは何と言っても解像度にある。現在、スタンダード解像度の製品はSXGAが主流で、この上のクラスになるとUXGAしかない。また、上位モデルに位置する製品のため価格も一気に上がってしまう。これに対して、ワイド液晶はUXGAに匹敵するWSXGA+の製品が多く登場しており、製品のバリエーションも画質重視のものからコストパフォーマンス重視のものまで豊富だ。つまり、SXGAを超える解像度を求めるなら、選択肢の幅が多いワイド液晶が有利というわけである。
もちろん、無条件でワイド液晶がよいと言うわけではない。19型ワイドは低価格だが解像度が1,440×900ドットで、横幅が160ドット広くなるものの総ドット数はSXGAより少ない。SXGAから乗り換えると縦が狭くなってしまうのだ。ワイド液晶を購入する際は、こうした実効的な広さを考慮しておく必要がある。 |
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17型、19型というディスプレイのサイズは、表示面積の対角線の長さで決められている。そのため、たとえば19型から19型ワイドへ買い換えると、横に広がった分だけ縦の表示面積と解像度が小さくなってしまう。ワイド液晶への移行は、「ふた回りサイズアップ」を目安に行なおう。 |
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違和感のないワイド液晶への移行例 |
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17型 SXGA
1,280×1,024ドット
337.9×270.3mm |
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20.1型ワイド WSXGA+
1,680×1,050ドット
433.44×270.9mm |
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19型 SXGA
1,280×1,024ドット
376.3×301.1mm |
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22型ワイド WSXGA+
1,680×1,050ドット
473.8×296.1mm |
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20.1型 UXGA
1,600×1,200ドット
408×306mm |
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24.1型ワイド WUXGA
1,920×1,200ドット
518.4×324mm |
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※表示面積は例です。 |
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液晶ディスプレイの画質はカタログスペックでは判断しにくい。そのため、実際に店頭にある展示品を見て、輝度や色みなどを確認するのがベターと言える。この「実際に見て確認できる」というメリットは液晶ディスプレイではかなり重要な要素で、ほかの周辺機器よりも店頭買いする価値は十分あると言えるだろう。
一方、通販のメリットはほかの周辺機器と同様、最安値を付けた店を簡単に調べられることにあり、とにかく安く買いたい人には有効な手段と言える。また、22型を超えるディスプレイはサイズも重量も手で抱えて持ち帰るのはかなりつらい。宅配が前提の通販で購入するほうが断然楽だ。 |
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実際に見て買う
色合いや輝度ムラなどの画質はカタログスペックからは分からない。実際に目で見て、納得のいく製品をチョイスできるのが店頭買いの強み |
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比較サイトでチェック
通販は価格.comなどの比較サイトを使うことで予算を抑えられる。大型製品のため、送料がいくらかかるのか、しっかり確認しておきたい |
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デルのオンラインストア
デルの直販サイトでは、定期的に極端な大幅値引きが行なわれている。機会を逃したくないなら、メールサービスに登録しておくと確実だ |
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ディスプレイの調整と聞くと、まっ先にカラー調整を思い浮かべるだろうが、その前にまず設置位置の調整を行ないたい。パネルと目の距離が近過ぎたり角度が上向き過ぎたりすると、ドライアイで疲れやすくなってしまう。ゆったり長時間使える場所に設置しよう。液晶パネルと視点の距離は、パネルサイズにもよるが最低でも50~60cm程度の距離を置きたい。距離に余裕を持つことにより、視野角による色の変化を抑えるという効果もある。
フォトレタッチやデザイン用途で正確な色を必要とする場合、コントラストや明るさ、色温度などの調整を行なっておく必要がある。より高い精度を求めるならカラーキャリブレータなどの高価な機材が必要になるが、液晶本体のOSDメニューのみでも十分調整は可能だ。あらかじめ黒から白へのグラデーション画像をグラフィックソフトで作成しておくと調整が楽になる。RGBを個別に調整できるディスプレイなら、さらに赤、青、緑の画像があるとよいだろう。 |
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視線が上向き |
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視線が下向き |
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視線が上を向いていると、目の表面が乾きドライアイになりやすくなる。また、首にも負担がかかって肩こりなどを誘発し、疲れやすくなる |
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視線を落とすと本を読むときのように自然な姿勢になるため疲れにくい。また、パネル面と正対するように、チルト角を調整して利用したい |
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明るさ/ブライトネス
最近は輝度の高い液晶ディスプレイが多くなり、初期設定ではWebブラウズやテキスト編集時などにまぶしく感じることが多い。目に負担がかからない程度に明るさを落として使うのがよいだろう |
色温度
通常の昼光色蛍光灯を利用しているなら、色温度は6,500K(またはsRGB)に設定すればよい。表記がケルビン値ではなく「暖色」や「薄青」といった製品もあるが、この場合は標準的なものを選ぶ |
コントラスト
コントラストの調整は、まずOSDでコントラストを最大にし、ここから段間的に落としていって黒と白の両方がハッキリする位置に合わせる。黒と白のグラデーション画像を用意すると便利だ |
プリセットモード
フォトレタッチ、動画鑑賞、テキスト閲覧など、各用途に適した輝度とカラー設定などがプリセットモードとして用意されている製品がある。ワンタッチで設定を切り換えられるので、ぜひ活用したい |
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ノートPCの外付けディスプレイ用としてもワイド液晶は有効だ。ノートPCの場合、グラフィックス表示にチップセット内蔵機能を利用している製品が多いが、新しめのチップセット(たとえばIntel製品なら915G以降)なら、ほとんどがワイド解像度をサポートしている。
モバイルノートPCでもデスクトップ同様の広い画面が使えるようになるわけで、快適な環境構築にきわめて有効な手段と言える。Dsub 15ピンのアナログ接続の機種が大半なので、WUXGAのような高解像度液晶だと画質劣化が気になる。ディスプレイケーブルはできるだけ高品質なものを使うとよいだろう。
そのほかに注意するべきポイントとしては、ノートPCの液晶と同時に表示してデュアルディスプレイ環境を構築しようとすると、外部ディスプレイの解像度が制限されることがある。WUXGAのような高い解像度のディスプレイをノートPCにつなぐ場合、ノートPC側の液晶をOFFにしてシングルディスプレイで使うとよいだろう。 |
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古めのノートPCではワイド解像度に対応できない場合がある。ディスプレイ側にアスペクト比固定機能があれば、引き伸ばされずに表示される |
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