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PCサウンド飛躍の一手

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臨場感を求めるならサラウンドで決まり

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TEXT：藤本健

前後左右の音の波に包まれる

臨場感を求めるならサラウンドで決まり

PCサウンドを語る上で、サラウンドを忘れるわけにはいかない。PCを使えば、DVD-Videoはもちろん、Blu-ray DiscやHD DVD、最新の3Dゲームをサラウンド環境で楽しむことができる。しかし、その環境の実現には大きなハードルがあるのだ。

空間に余裕のないPC環境のサラウンドとは？

■	手軽にサラウンドを実現するならバーチャル

　サラウンドの基本は、フロント3チャンネル（レフト、センター、ライト）にリア2チャンネル（リアレフト、リアライト）、そしてサブウーファーを加えた5.1チャンネルシステムだろう（サブウーファーは重低域のみを受け持つため、0.1チャンネルと表記する）。サラウンドフォーマットが違っても、この基本は同じだ。

　つまり、Dolby DigitalでもDTSでも、サラウンドソースを再生するには物理的にスピーカーを6本以上用意しなければならない。PCユーザーにとってハードルが高いのは、まさにこの部分だ。たとえば、リビングの大画面テレビやプロジェクタでホームシアターを楽しむなら、部屋の隅やソファの背後にスピーカーを配置するのはさほど難しくない。しかし、ディスプレイの近くで操作するPC環境では、リアスピーカーの設置が困難だ。

　そこでお勧めしたいのが、バーチャルサラウンドだ。同じ音でも、顔の前で鳴るのと後ろで鳴るのとでは、聞こえ方がまるで異なる。同じように右と左もやはり違う。これは、人間の耳が顔の左右に前を向いて付いているためだ。音の鳴った位置によって、左右の耳に届くまでの距離は変わり、直接音か反射音かで周波数成分も異なる。顔の右で音が鳴れば、右の耳にはすぐ直接音が届くが、左の耳には反射音が遅れて届く。こうしたズレを経験することで、人間は音の鳴る位置を知覚しているのだ。

　ということは、音の遅れや周波数成分の違いを再現すれば、フロントスピーカーだけでも左右や背後の音を作り出すことができるわけだ。これは大雑把な説明だが、バーチャルサラウンドはこうした演算を行なって、仮想的に複数の音源を作り出す技術だ。

　すでに「Dolby Virtual Speaker」や「Dolby Headphone」といったバーチャルサラウンド機能がDVD再生ソフトに組み込まれているが、単体で対応した製品を購入すれば、PCだけでなくAV機器やゲーム機などを接続することもできる。PCサウンド環境を改善する一つのアイディアとして、導入を検討してみてはいかがだろうか。

リアルとバーチャルの違い

ユーザーを取り囲むようにスピーカーを設置。臨場感に優れるが物理的なスペースが必要で、ケーブルの配線まで含めると敷居が高い

フロントスピーカーのみでサラウンド環境を実現。製品によってはセンタースピーカーに多数のドライバーユニットを装備していることも

代表的なバーチャルサラウンドフォーマット

Dolby Virtual Speaker

フロント2チャンネルで仮想5.1チャンネルサラウンドを実現する規格。直接音と反射音の音響特性を分析して、側面や背後から聞こえる音を左右の耳それぞれに用意する。一方の耳のための音が他方に聞こえないように、逆相の音で打ち消す仕組（クロストークキャンセル）も使われている。

Dolby Headphone

ステレオヘッドホンで仮想5.1チャンネルサラウンドを実現する規格。技術的な概念はDolby Virtual Speakerと大きく変わらないが、小さい部屋から映画館まで3段階のルームシミュレーションを行なうことで、密閉型ヘッドホンでも広い空間と頭外に定位した音源を感じることができる。

狭いスペースでも大迫力が楽しめるバーチャルヘッドホン

ZALMAN

ZM-RS6F

実売価格：7,000円前後

問い合わせ先：03-5215-5650（アスク）
URL：http://www.zalman.co.kr/

ヘッドホン内部に物理的に六つのドライバーユニットを持つことで、仮想的に5.1チャンネルサラウンドを実現したユニークな製品。左右それぞれに、センター、フロント、リアのドライバーを順に並べることで、立体感を演出している。アナログ5.1チャンネル出力を持つサウンドカードなどに直接接続して使用する

Specification
ドライバーユニット：非公開
周波数特性：50Hz～20kHz
音声入出力端子：ヘッドホン（ミニ）×3
本体サイズ（W×D×H）：非公開
重量：316.8g

パイオニア

SE-DIR800CII

実売価格：22,000円前後

問い合わせ先；0070-800-8181-22
URL：http://www.pioneer.co.jp/

Dolby Headphoneに対応した密閉型ワイヤレスヘッドホン。トランスミッタ部との通信は赤外線で、Dolby Digital、DTS、AAC、PCM（32/44.1/48kHz）などのフォーマットに対応している。PCなどとの接続は、付属の光ファイバーケーブルを使ってS/P DIFで行なう

Specification
ドライバーユニット：4cm
周波数特性：12Hz～22kHz
音声入出力端子：LINE IN（RCA）、S/P DIF IN（光角型）、S/P DIF IN（同軸）、ヘッドホン（ミニ）
本体サイズ（W×D×H）：ヘッドホン非公開／トランスミッタ 209×104×50mm
重量：約250g／約520g

PCとUSB接続可能な2.1チャンネルシステム

BOSE

Companion 5

標準価格：59,850円（11月20日発売）

問い合わせ先：03-5489-0955（ボーズ）
URL：http://www.bose.co.jp/

同社の独自DSP「TrueSpace」により、2.1チャンネルスピーカーで5.1チャンネルサラウンドを実現できる。USBポートを装備し、PCとUSB接続することで外付けUSBサウンドデバイスとしても動作する

Specification
ドライバーユニット：5cm×2＋13cm
音声入出力端子：LINE IN（ミニ）、USB、ヘッドホン（ミニ）
本体サイズ（W×D×H）：スピーカー 147×97×225mm／ベースモジュール 173×425×218mm
重量：850g／850g／8.3kg

広いリスニングポイントでサラウンドを味わえる

niro1.com

NIRO 420SYSTEM

標準価格：58,000円

問い合わせ先：0120-261-454
URL：http://www.niro1.com/jp/

フロントスピーカーの内部に五つのドライバーユニットを内蔵し、その指向性とDSP処理によってバーチャルサラウンドを実現する。リスニングポイントが固定されないのが特徴

Specification
ドライバーユニット：約5cm×5＋約20cm
音声入出力端子：LINE IN（RCA）×2、S/P DIF IN（光角型）×3、S/P DIF IN（同軸）、ヘッドホン（ミニ）
本体サイズ（W×D×H）：スピーカー 534×96×86mm／サブウーファー 264×300×278mm／アンプ 200×296×55mm
重量：2.5kg／7.4kg／2.2kg

5.1chサラウンドを手持ちのヘッドホンで

日本ビクター

SU-DH1

実売価格：9,000円前後

問い合わせ先；0120-2828-17
URL：http://www.jvc-victor.co.jp/