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省電力CPU時代到来 ファンレス電源を使いこなす
TEXT:橋本新義
ファンレス電源導入の際のポイント
 前ページで紹介したように、ファンレス電源は、本来は発熱の大きい電源ユニットをファンレスにするという、技術的に非常に難しいパーツだ。言い方を変えれば、非常にデリケートなパーツとも言える。そのため購入時には、通常のファン搭載電源に比べてとくに注意したい点がいくつか発生する。

 まっ先に検討すべきは、形状だ。とくに、完全ファンレスタイプでは、ケース背面側にヒートシンクが張り出す構造の製品があるが、こうしたタイプの製品では、ケースとの物理的な相性によって、取り付けが非常に難しくなったり、物理的に干渉して取り付けができなかったり・・・といった場合も出てくる。また、ファンレス電源は単純に奥行きが長いものも多く、ミニタワーケースなどでは光学ドライブと干渉し、搭載できないものも出てくる。この辺りの調査を慎重に行なうのも重要ポイントの一つだ。

 また、いわゆる準ファンレス電源のうち、前のページで紹介した「補助ファン付きタイプ」では、製品によって温度に対するファンの回転数の違いが比較的大きい。この辺りは信頼性を重視するか、静音性を重視するかのバランスのため、一概にどちらがよいとは言えないが、Webサイトや箱に書かれた温度と回転数の対応表などであらかじめ調査をしておきたい。

 また、ファン付きの電源と同じく、出力端子の数や構成も重要なポイントだ。とくにファンレス電源では、比較的出力が小さいこともあり、PCI Express用6ピンコネクタ(ビデオカード用電源コネクタ)などが搭載されていない製品や、+12V出力が1系統のみの製品(ファン付き電源では、2系統以上の製品が主流となりつつある)もある。
購入の際はココをチェック!
ファンありタイプは回転数をチェック
準ファンレス製品では、ファンの実際の挙動が製品によって大きく異なる。箱などに温度とファン回転数の対応を示すグラフがあればチェックしておこう
ケースとの物理的な相性に注意
性能で満足できる製品でも、ケースに入らなければ使えない。とくに背面側にヒートシンクを搭載した製品では、ケースに引っかからないように注意すべし
電源の変換効率を確認
前のページでも書いたように電源の変換効率は発熱に直結する。高効率をうたった電源は高価なものが多いが、予算と相談してなるべく効率の高い製品を選びたい
交換サービスなどを活用する
一部の店鋪では、一定期間内なら製品の交換が可能になるサービスを有償で行なっている。静音性の評価は個人差が大きく、満足できなかった場合を考えるとこのようなサービスは有用だ
image最近の電源ユニットでは見る機会の多い、温度と回転数のグラフ。準ファンレスタイプでは重要な情報となるので、よく確認したい
image電源ユニットを入れる際に、思わぬ物が障害となるケースもある。ヒートシンクが張り出すタイプは、くれぐれも慎重に調べて購入すべし
ファンレス電源取り付けの際のポイント
ケースファンはしっかりと選ぶ
ファンレス電源を使う上で重要なのは「電源ユニットに入る空気の温度を下げる」こと。とくに背面に装着するケースファンは最重要なので、静音性や風量は十分に吟味したほうがよい
ケーブルをまとめてエアフロー改善
よけいな熱を電源に入れないもう一つの工夫は、余った電源ケーブルなどをまとめておくこと。作業としては地味だが、しっかり行なうとケース内全体の温度に影響する
PCを置く場所もきちんと考える
PC単体のエアフローだけでなく、実際に使用する室内の環境も重要だ。密閉された空間や、壁際などはなるべく避け、風通しのよい場所や、空調機器を備えた場所で運用すべきだろう
温度を監視する
ファンレス電源を取り付けた後は、マザーボード付属のモニタリングソフトや、フリーソフトの「SpeedFan」などでCPU温度、ケース内温度をチェック
imageファンレス電源の場合、ケースファンの装着は必須と考えてよい。性能と稼働音を考えると、低速回転の12cm角ファンにほぼ決まるのが実情だ
image意外と重要なのが余ったケーブルの処理。ケーブルタイやヒモなどでしっかり止めておこう。光学ドライブのSerial ATA接続も検討したい
ファンの位置と数の違いによるエアフローを検証
 ファンレス電源を実際にCore 2 Duoシステムで使った場合、どの程度の静音化が可能なのか実験してみた。

 使用機材は表中に加え、背面のケースファンは、SOLO付属の12cm角ファンを低速(1,200rpm)で使用。HDDはゴムプッシュによる取り付けとした。CPUクーラーのファンにはサイズのS-FLEX SFF21E(12cm角、1,200rpm)を使用。フロントファンは「Xinruilian RDL9025S」(9cm角、2,000rpm)である。この構成で各所のファンの取り外しを行ない、Windows起動3分後のアイドル時のCPUコア温度と、3DMark06をデフォルト条件で実行した際の最大温度を記録した。
image
検証環境
CPU:Core 2 Duo E6600(2.4GHz)
CPUクーラー:サイズ 忍者プラス
マザーボード:BIOSTAR TForce P965 Deluxe(Intel P965)
メモリ:Micron PC2-4200 DDR2 SDRAM 512MB×2
ビデオカード:GIGABYTE GV-NX76G256D-RH(GeForce 7600 GS、ファンレス)
HDD:Maxtor MaxLineIII 7B250S0(Serial ATA、7,200rpm、250GB)
電源:岡谷エレクトロニクス 音無II OTN-FL-400W2
ケース:Antec SOLO
OS:Windows XP Professional SP2
騒音計測距離:ケース正面中心付近から約10cm
暗騒音:34dB、室温:27℃
ファン×3の場合
アイドル時:50℃
高負荷時:65℃
騒音 :42dB
 CPUクーラーとリア、フロントの3基のファンを動作させた標準状態。この状態でも42dBと、かなりの静音性を発揮している。ただし、フロントファンが2,000rpmとやや回転数が高めのためか、少々その音が耳につく。
CPUファン+リアファンの場合
アイドル時:50℃
高負荷時:65℃
騒音:38dB
 今回のお勧め構成だ。ファン×3の場合よりも静音性において大きく優れ、ファンの数が減ったにもかかわらず、冷却性能は同等だ。後述するリアファンのみの状態と比べても、ほぼ静音性は変わらず、CPU温度を効率的に下げることができる。その稼働音は、設置環境によってはほぼ無音と呼んでも差し支えないものである。
フロントファン+リアファンの場合
アイドル時:56℃
高負荷時:74℃
騒音:42dB
 総合的なエアフローには優れているが、CPUファン+リアファンと比較すると温度が若干気になる。かなり静かなシステムの場合、フロントファンの有無が全体の稼働音に大きな影響を与えることが分かる。
CPUクーラーファンのみの場合
アイドル時:56℃
高負荷時:77℃
騒音:36dB
 今回はCPUファンをケース前面側に取り付けた(背面側に置くとケースファンと干渉するため)が、熱がケース内にとどまってしまうためか、思ったほどよい結果ではなかった。ただしこの状態で数時間負荷をかけても、動作自体は安定していた。
リアファンのみの場合
アイドル時:55℃
高負荷時:75℃
騒音:37dB
 CPUクーラーファンのみの場合と比較して冷却性は向上しているが、ファンが外部に露出しているため、騒音がやや大きくなっている。騒音は大差ないが、冷却性能を考えた場合はCPUファン+リアファンの構成がオススメだ。
ファンレスの場合
アイドル時:65℃
高負荷時:100℃
騒音:36dB
 今回の特筆すべき点の一つは、何と完全ファンレスでも問題なく動作した点だ。これはCore 2 Duoの低発熱と、SOLOの通気性の優秀さが相まったものだろう。ただし、高負荷時のCPU温度は100℃と、実用レベルを逸しており、常用はオススメできない。

 結論としては、CPUファン+背面ケースファンの構成が一番バランスがよさそうだ。ファンレス電源付近の熱をすみやかにケース外に排出することでケース内温度を効率よく下げ、また、フロントファンがないため、前面から漏れる騒音が小さくなるというのが大きな利点だ。
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