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TEXT:鈴木雅暢 | ||||||||||||||
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Core 2 Duoの性能と消費電力は、どれほどのものなのか。今回入手したCPUを使って、ベンチマークテストで検証してみたい。なお、今回編集部が入手したCore 2 Duoは量産出荷前の試作品と思われる。そのため、量産出荷版とはパフォーマンスが異なる可能性があることをご了承いただきたい。比較対象としては、Pentium D、Core Duoそれぞれの最上位モデルに加え、Athlon 64 X2 5000+(Socket AM2)、Athlon 64 FX-60(Socket939)、そして、Athlon 64 X2 4200+のTDP 65Wモデル(Energy Efficient)を用意した。Core DuoのT2600は、Core 2 Duoの2.16GHzとほぼクロックが同じなため、アーキテクチャの違いを比べるのにも最適だろう。テスト環境は別掲したとおりだが、基本的にCPU/プラットフォームに依存するパーツ以外は共通化し、比較しやすいようにしている。 前ページに掲載したSandra Professional 2007aのCPUテストで、Core 2 DuoはSSEの実行性能を見るInteger x8 iSSE2、Floating-Point x4 iSSE2において大変優秀なスコアを出した。また、SSEを使わないDhrystone ALUの項目で同じクロックのCore Duoと比較すれば、ワイド・ダイナミック・エグゼキューションが効果的に機能していることが分かる。ただ、これはあくまでもCPUのポテンシャルを見るテストであって、そのポテンシャルが実際にどれだけ実用に活かされているかは、アプリケーションレベルのテストで確認する必要がある。 |
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その一番手として利用したのが、FuturemarkのPCMark05だ。Windows XPの起動からWebサイト表示、JPEG画像表示、ファイル圧縮/展開、暗号化/解除、ビデオエンコードなど、日常的によく使われるような処理をシミュレートし、スコアを算出するものである。「PCMarks」で示されるスコアがトータルのスコアだが、CPU、HDDなど、それぞれのパーツ別のテストも用意されている。 もちろん、今回もっとも重視すべきなのはCPUの項目だ。Core 2 Duoは非常に優秀なスコアで、2.13GHz動作のCore 2 Duoは比較対象とした多くのCPUを上回るスコアをマークした。ファイルの圧縮/展開、画像/音声の圧縮などでとくに好成績が目立っている。Core DuoとCore 2 Duoのほぼ同クロックの比較では約8%後者が高速だった。Memoryの項目でもCore 2 Duoの強さが目立つ。詳細を見ると、単純なリード/ライトではメモリコントローラをCPUに内蔵するAthlon 64 X2のほうがスコアがよいが、2次キャッシュに収まるような小さいサイズのコピーやランダムリードのレイテンシではCore 2 Duoが圧倒的に強く、プリフェッチの優秀さが影響したと思われる。 ビデオエンコードのテストには、Windows Media Encoder 9を利用。217MBのAVIファイルをWMVファイル(HDクオリティ)に変換するのにかかった時間を計測し、1秒あたりのフレームレートを算出している。ここでもCore 2 Duoが強い。ほかのすべてのCPUを上回っており、ほぼ同クロックの対決ではCore 2 DuoとCore Duoの差は約20%だ。 CineBench 2003は、MAXONの3DCGソフト「CINEMA 4D R8」をベースにしたテスト。レンダリング性能を計測している。エンコードと似たような結果だが、2.13GHzのCore 2 Duoは、Athlon 64 X2 5000+/Athlon 64 FX-60には一歩およばなかった。ここでのCore 2 DuoとCore Duoの差は約15%だ。 3Dゲームのテストには3DMark06を利用した。トータルスコアの3DMarksの差は、CPU TESTのScoreの差が反映されたもの。CPUのScoreは、ゲームロジック、AIと物理演算をマルチタスクで実行するものだが、ここではCore 2 Duoの優秀さはやや影を潜めている。SSEの機能が活かされていないためか、クロックがほぼ同じCore Duoとの差は小さく、Athlon 64 FX-60、Athlon 64 X2 5000+のほうがよいスコアを出している。 |
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消費電力のテストは、システム全体のアイドル時/エンコード時の消費電力をワットチェッカーで計測している。入手したCore 2 Duoと検証に使用したマザーボードの組み合わせではEISTを有効にできなかったため、省電力機能が作動した状態のアイドル時の計測は残念ながらできていない。エンコード時の電力は、Core 2 Duoで133W。さすがにモバイル用のCore Duoの105Wよりは電力が大きいが、TDP 89WのAthlon 64 X2 5000+や、TDP 65WのAthlon 64 X2 4200+の140Wと比べても十分に低い。 最後に、性能と消費電力のバランスを示す電力効率の目安として、エンコード時の電力と、そのエンコードにかかった時間をかけた電力量を算出して比較している。これが小さいほど効率のよいCPUと言える。結果としては、ほぼ、これまで見てきたイメージと合致する。効率がよいのはCore 2 DuoとCore Duo。その次のAthlon 64 X2 4200+までは数値に少し差がある。Pentium D 960は最下位。性能自体は悪くないが、Core 2 Duoの2倍の電力消費という効率の悪さが浮き彫りになった。 Core 2 Duoは、Webサイト表示などのちょっとしたオペレーションから、エンコード、レンダリングといったヘビーな処理にいたるまで、すべてのテストを通じて優秀な結果を示すとともに、モバイル向けCPUにあと一歩まで迫る省電力特性も実証。Coreマイクロアーキテクチャの優秀さをまざまざと見せ付けられた。7月にも予定されているという正式発表を楽しみに待ちたい。 |
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