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TEXT:長畑利博 | ||||||||||||||
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今回の特集では製品紹介で組み立てのポイントとして精度、剛性、メンテナンス性の三つを記載した。それぞれの項目は10段階評価とし、精度に関しては各パーツの面取り、サイドパネルのかみ合わせ、拡張カードの取り付けで歪みがないかなどを中心にチェックしている。剛性については、一般的な指標となる本体材質や鋼板の厚みといったポイントだけでなく、補強材の入り方なども評価に加えている。メンテナンス性については、マザーボード、拡張カード、HDD、光学ドライブなどの各パーツの取り付けやすさのほか、今回の製品ではすべて電源レスモデルを選択しているため、電源ユニットの取り付けやすさも評価に加えた。 さらに本項ではこうした組み立てやすさのポイントに加えて、静音性や各パーツを搭載したときの冷却性能についてのチェックを行なっていく。 |
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テストはWindows起動10分後のほぼ無負荷状態のアイドル時のデータと、PCMark05を実行中の騒音レベルや各種温度の最大値をそれぞれチェックしている。静音性の計測については、本体内部に各パーツを取り付け、本体斜め上方12cmの距離から騒音を計測した。この位置での計測にしたのは、実際にPCを運用する場合は机の上や下などに設置することが多いことから、人間の耳の位置に近い配置にするためだ。 今回のテストは比較的スタンダードで、騒音が大きめのパーツを選択することにより、ケース自体の遮音性能をチェックすることを意図している。電源ユニットにはファン回転数を手動設定可能なCLG-660AHを使用し、回転数が最小になるよう設定、電源ファンが空気の流れに可能な限り影響しないようにした。また、今回のテストではCPUファンの回転数制御はPWMに任せているため、ケースの冷却性能が高ければ高いほど、CPUファンの騒音が抑えられていることになる。 テスト結果を見ると、防音装備が充実しているP180 V1.1と、鋼板が厚く、大口径低速ファンを搭載したPOSEIDONの静音性が高い。また、P180 V1.1はアイドル時の音は静かだが、高負荷時の騒音が大きい。この製品ではHDDや電源ユニットのファンを遮音して静音性能を確保しているが、高負荷になるとCPUクーラーの回転数が上がり、ケース上部の冷却用ファンからその音が漏れるのが原因だ。OWL-602D IV(B)/N、Centurion 534も比較的静音性が高い。両製品とも12cm角の大口径ファンが1個ということがこの結果につながったと思われる。 一方、騒音が目立つのがCRYPTO DIR-CAX-Bだ。冷却性能重視のコンセプトにより、1,800rpmという、12cm角としては高速なファンを搭載したのが理由として挙げられる。ほぼ同じ筐体構造を持つCenturion 534がそこそこ静かなのとは対照的だ。SP-PALU/SとCBS02SVNPは比較的騒音の目立つ結果となった。SP-PALU/SとCBS02SVNPはケースの基本構造が同じで、バタフライ開閉方式のため、本体パーツが細かく分割されていることと、ファン取り付け用の空気口が多く、そこから音が漏れやすかったためだと思われる。なお同じ構造でもSP-PALU/Sのほうがやや数値が高いのは、ファンの数が違うためだ。 |
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ケースの冷却能力をチェックするため、マザーボードなどのモニタリング機能を用いてパーツの温度を計測した。計測箇所はCPUとHDDの2カ所で、各温度の計測にはフリーソフトのSpeedFanとマザーボード付属のツールを使用している。 結果はCPUについてはほとんどの製品が横並びに近い数値となったが、これには理由がある。今回使ったPentium Dのリテールクーラーは前述のようにPWMによりCPUファン速度を自動的に変更しているが、ファンの回転数が上がるしきい値が65℃前後になっているため、65℃を超えるとCPUファンの回転数が上がる。これが原因で負荷が上がっても、温度が68℃前後を中心として安定する傾向にあるのだ。そこで騒音レベルも合わせてチェックしながら見てみると、Tuniq2の冷却能力が高いことがうかがえる。高負荷時の騒音レベルも46.4dBとほかの製品と比べても低め。同製品がCPU周辺に特殊なダクトを採用していることが理由であろう。ほかの製品ではLEXA、POSEIDON、Armor Jr. VC3000BNS、CRYPTO DIR-CAX-Bの冷却性能が高い。この中では、POSEIDONとArmor Jr. VC3000BNSの騒音レベルが低く、冷却性能と静音性を両立させていることが分かる。12cm角ファンなどの大口径低速ファンを使用することで、冷却性能を確保しているということだろう。 続いてHDDの温度を見てみる。今回のテストでは、複数のドライブベイがある場合、ファンに近い位置のベイにHDDを取り付けるようにしている。HDDはケースのファン配置の影響を受けやすい。こちらのテストもフロントファンと電源ファンの空気の流れが一直線となるTuniq2の結果がよい。さらにHDDの近くにファンが配置されているLEXA、POSEIDON、Armor Jr. VC3000BNS、SP-PALU/S、CRYPTO DIR-CAX-Bなどの冷却性能も悪くない。その一方でHDD周辺にファンのないOWL-602D IV(B)/N、CBS02SVNPなどはHDDの温度が高めになる結果となった。なお、Centurion 534は製品版ではフロントファンタイプになるため、改善される可能性もある。 トータルでの冷却性能を見てみるとTuniq2が優秀だ。CPUの周辺にエアを流し込む専用ダクトを配置し、さらに拡張カード近辺にも大型ファンを取り付けるなどの仕組のおかげだと思われる。続いてPOSEIDON、LEXAと続く結果となった。POSEIDONの場合、ファンの配置などはフロントファン×1、リアファン×1の非常にシンプルな構成だが、サイドパネルが大きく開いており、そこから空気が流れ込むことにより、冷却効果と静音性の両立を確保しているのだろう。LEXAは3基の12cm角ファンに加え、ケース上部に設置された8cm角ファンの冷却効果がこの結果につながったと考えられる。 |
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発売日:12月28日
特別定価:2,310円
発売日:2022/11/29
販売価格:1,800円+税
発売日:2019/05/29
販売価格:1,780円+税
発売日:2019/03/25
販売価格:1,380円+税
発売日:2018/02/28
販売価格:980円+税
発売日:2017/03/17
販売価格:1,680円+税
発売日:2016/09/23
販売価格:2,400円+税
発売日:2016/03/29
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発売日:2015/12/10
販売価格:1,280円+税
発売日:2015/06/29
販売価格:2,500円+税
発売日:2015/06/29
販売価格:2,500円+税
発売日:2015/02/27
販売価格:980円+税
発売日:2014/12/05
販売価格:1,280円+税
発売日:2011/12/22
販売価格:980円+税
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