頂点を目指すユーザーに最高のGTX 480カードを
- GeForce GTX 480
- GDDR5 1.5GB
- DirectX 11
- PCI Express 2.0 x16
- MSI
- N480GTX Lightning
- 予想実売価格:65,000円前後
独自設計の大型基板、新型のTwin FrozrIIIクーラーを搭載したオーバークロック仕様のGeForce GTX 480搭載カードだ。コアクロックが750MHz、メモリクロックが4GHz(定格はそれぞれ700MHz、3.696GHz)、OCモデルとして見ればこの製品よりも高いクロックを設定している製品もある。しかしLightningの場合、このクロックで使うと言うよりも、ユーザー自身がさらなるOCを極めるための製品と位置付けられる。各種テスター用の接点や秘められた性能を解き放つディップスイッチ、そしてOC用ユーティリティなど、購入者がワクワクするOC向け機能が満載だ。また、回路を見ても16フェーズ電源回路やミリタリークラスコンポーネントは当然のこと、低発熱で大容量な「CopperMOS」や、導電性高分子を採用した固体アルミ電解コンデンサ「Proadlizer」など、さらに上を狙うための高性能コンポーネントが惜しみなく採用されている。
Specification
コアクロック:750MHz
ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1.5GB(384bit)
メモリクロック:4GHz
【問い合わせ先】
MSI:web@msi-computer.co.jp(エムエスアイコンピュータージャパン)/
http://www.msi-computer.co.jp/
Twin FrozrIIIを搭載する初のモデル
LightningのTwin FrozrIIIは基板と合わせて3層の構造。基板裏のヒートシンクにはProadlizerの採用を強調するための窓、エアフローを考慮したスリットなど装備
裏面のヒートパイプは位置に合わせて太さを変え、効率よく熱を移動させる。ヒートシンクは基板全体を覆う特大サイズ。表面のファン2基は9cmに拡大した
DisplayPortとHDMIを装備
出力端子はHDMIとDisplayPort、DVI-I×2基。Mini HDMIが採用されていたGTX 480のリファレンスデザインとは異なる独自のレイアウトだ
GPUとメモリの電源は別系統
大幅なOCに対応するため、補助電源コネクタは8ピン2基に6ピン1基と要求が高い。2基の8ピンはGPUに、6ピンはメモリへと電源系統を分けているのも特徴だ
ココが最強!
・大幅なオーバークロック仕様
・16フェーズ電源回路をPWMで制御
・スペックからは想像できない静音性
ベンチマーク結果
3DMark VantageはDirectX 10における3D性能を計測するベンチマーク。ExtremeでX10000を超えるシングルGPUビデオカードはまれな存在だ。ロストプラネット 2ベンチマークはDirectX 11のデフォルト設定で計測。ヘビー級タイトルだが1,680×1,050ドットで60fps近いスコアを出しているのは心強い。消費電力はこれだけのOCモデルながらリファレンス仕様のGTX 480(アイドル時162.4W、高負荷時394.4W)よりも低いことに注目。動作音はアイドル時、高負荷時ともにこのクラスのビデオカードとは思えない静音性を示している。
マザーに匹敵する16フェーズ電源回路
電源回路は16フェーズ構成。一般的なGTX 480搭載カードのフェーズ構成は6+2フェーズだが、Lightningではうち12フェーズをGPUに、3フェーズをメモリに、残る1フェーズをPLLへと振り分け、高クロック動作における安定性向上を狙っている
専用ツールでPWMをON/OFF
ユーティリティにはおなじみのOCツール「After Burner」および専用の「Lightning Tweaker」が付属する。Lightning Tweakerを起動すると、PWMの制御が可能となり、同機能のON/OFFが手動で制御できる
DirectX 11の新機能とは
ゲームにおいては注目の新機能はテッセレーションとDirectCompute。前者はポリゴンをGPUがより細かく分割して、凹凸などの表現をより精密に描くことができる機能だ。DX11ゲームの多くはDX11版とDX10/9版を切り換え可能で、その効果は歴然だ。また、後者はGPUを非グラフィックス用の演算に活用できる。たとえば、AIや物理演算などがより高度に、高精度に再現できることになる。
Unigine Heaven Benchmarkでテッセレーションの効果を確認。テッセレーションOFFはこれまで見慣れた表現だが、ONにするととたんにレンガや石のブロックの一つ一つが質感を持った緻密な表現となる
ライター石川ひさよしの評価:
性能と静音性を両立したスペシャル版
- パフォーマンス:★★★★★
- 静音性:★★★★★
- コストパフォーマンス:★★★☆☆
N480GTX Lightningは、MSIの最新技術と基板設計を投入した真のハイエンドビデオカードと言ってよい。一見、OCユーザー、それも自身でさらにOCを追求するユーザー向けの製品と思えるが、静音性も素晴らしく、パフォーマンスを求めつつ静音にも気を配りたいという方をも納得させるカードだ。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz)、マザーボード:ASUSTeK RampageII GENE(Intel X58+ICH10R)、メモリ:Patriot Memory PSD36G1600KH(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD5000AAKS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版、暗騒音:31dB、動作音測定距離:10cm、アイドル時:OS起動から10分後の値、高負荷時:3DMark Vantage実行中の最大値