Radeon HD 6870搭載の戦略モデル
- Radeon HD 6870
- GDDR5 1GB
- DirectX 11
- PCI Express 2.1 x16
- XFX
- HD-687A-ZNFC
- 実売価格:28,000円前後

XFXからAMDの最新GPUであるRadeon HD 6870を搭載した「HD-687AZNFC」がリリースされた。Radeon HD 5800シリーズ同様の2スロットクーラーだが、デザインは若干アレンジされ、カード長も5850並みに短くなっている。Radeon HD 6800シリーズは、トランジスタ数の削減により価格性能比を高めた製品という位置付け。これに伴ってシェーダー数も削減されたため、6870というナンバーから受ける印象ほどには性能は発揮されないが、従来の5770や5830の価格帯で5850以上の性能が手に入るイメージだ。これからPCゲームを始めようという方にとっては、より低コストでPCゲームの高解像度・高画質が体験できることになる。本製品はとくにゲームのバンドルなどはないものの、その分価格も抑えられており、エントリーゲーマーにとってはまさに注目の製品と言える。
Specification
コアクロック:900MHz
ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 1GB(256bit)
メモリクロック:4.2GHz
【問い合わせ先】
XFX:03-6268-9461(NEWX)/ http://www.xfxforce.com/
消費電力減に合わせて内部構造を簡素化

本製品はリファレンスクーラーを搭載したモデル。シロッコファンとアルミヒートシンク、銅製ヒートパイプという組み合わせは従来の5800シリーズと共通。しかしヒートパイプが4本から3本に減らされている
最新の出力端子を搭載

Radeon HD 6870ではディスプレイ出力端子がMini DisplayPort×2、HDMI、DVI-I×2となった。HDMIはフレームパッキング式の3Dに対応した1.4aに準拠している
補助電源は6ピン×2基

補助電源コネクタは6ピン×2。カードの上側に搭載されているので比較的奥行きの短いケースでも装着可能だ。なお、下位モデルの6850は6ピン×1で動作する
ココが最強!
・手頃な価格のハイエンドGPU
・より低くなった消費電力
・カード長も短くなり扱いやすさも向上
ベンチマーク結果
DirectX 10ベンチマークである3DMark Vantageでは、搭載製品が1万円台である5770に対し大幅に高いスコア。ハイエンドGPUの面目を保っている。DirectX 11ベンチマークのDiRT2では画質設定Ultraの高解像度でも快適なスコア。消費電力は5770に対しピーク時で40W強高いが、パフォーマンスを考えれば妥当だろう。動作音に関してはアイドル時は静かだが、ピーク時は50dBを超えてしまっている。低コスト化の影響と見られるが、静音性重視なら今後登場するであろう独自クーラーモデルに期待したい。

基板もリファレンスデザイン。電源回路の位置などで5870との違いはあるが、GPUやメモリの位置は同じ。大きな違いと言えば、CrossFireX用のコネクタが1基である点だ。基本的に5800シリーズを踏襲しており、メモリバス幅も256bitであることから5700系GPUよりも帯域が広く、次元の異なるパフォーマンスを発揮する
回路削減で低コスト化を実現

Radeon HD 6870のGPUチップ。見た目はRadeon HD 5800シリーズとあまり変わりないが、チップサイズは334mm2から255mm2へと大幅に縮小され、ウエハー1枚から採れるチップ数は増加、コストダウンを実現している
定格4.2GHzもチップ自体は5GHz品

メモリチップはHynixのH5GQ1H24AFR-T2C。最大データレートは5Gbpsに対応しており、4.2GHz駆動の本製品では比較的抑えられたクロックで動作していることになる。オーバークロックをもくろむ方は注目だ
PCI Express 2.1って?
AMD製GPUのPCI Expressのバージョンは2.1。一般的なカードにおけるPCI Express 2.0との違いはいくつかのECN(Engineering Change Notice)と呼ばれるオプション機能を追加したところにある。ただし、これらの機能を利用するにはチップセット側でも対応している必要がある。PCI Express 2.1に対応したチップセットがない現状、とくに気に留める必要はない。
ライター石川ひさよしの評価:
安心して使える新世代機
- パフォーマンス:★★★★☆
- 静音性:★★★★☆
- コストパフォーマンス:★★★★★
新GPUを搭載した製品となると、基板デザインや搭載クーラーはどのメーカーも同じ。ならば発売の早さと流通量、価格がポイントとなってくる。これらを満たすXFX製品には注目だ。前世代からやや性能は落ちる6800シリーズだが5700系よりは確実に速い。安価なだけにCrossFireXの構築にも向く。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-980X Extreme Edition(3.33GHz)、マザーボード:ASUSTeK RampageII GENE(Intel X58+ICH10R)、メモリ:Patriot Memory PSD36G1600KH(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×3)、HDD:Western Digital WD Caviar Blue WD5000AAKS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版、暗騒音:31dB、動作音測定距離:10cm、アイドル時:OS起動から10分後の値、高負荷時:3DMark Vantage実行中の最大値