Serial ATA 3.0とUSB 3.0を満載したフルスペックモデル
- LGA1366
- Intel X58+ICH10R
- ATX
- ASRock
- X58 Extreme6
- 実売価格:27,000円前後
6コアのIntel Core i7-980X Extreme Editionに対応し、USB 3.0とSerial ATA 3.0対応ポートをそれぞれ6基サポートすることから「Extreme6」と名付けられたIntel X58搭載マザーボード。USB 3.0コンローラとしてルネサスのμPD720200を3チップ、Serial ATA 3.0コントローラにはRAID 0/1対応のMarvell 88SE9128を1チップ、RAID非対応のMarvell 88SE9120を2チップ実装。いずれもブリッジチップを介してIOHもしくはICH10Rに接続されているようだ。一見、USB 3.0とSerial ATA 3.0を満載しただけのキワモノに見えるが、しっかりと性能を出せるように帯域を確保しているので安心。また、8+2フェーズ構成のVRMは、高品質コンデンサを実装するなど、OC用途を見据えた仕様となっていることにも注目。マルチGPUにも対応し、前代未聞の多機能を誇るX58マザーボードとなっている。
【1】バックパネル
4基のUSB 3.0ポート、4基のUSB 2.0ポートに加え、Serial ATA 3.0対応のeSATAポートを装備するなど、バックパネルインターフェースはかなり充実している
【2】8+2フェーズ構成のVRM
8+2フェーズ構成のVRMが搭載されており、DuraCapと名付けられた長寿命を誇る日本製固体電解コンデンサが使われているのが特徴。また、省電力ユーティリティによるフェーズコントロール機能を備え、消費電力を低減することもできる
【3】3-wayのマルチGPUに対応
マルチGPU機能は、CrossFireXに加え、SLIもサポート。いずれも16+16の2-wayおよび16+8+8の3-wayでの動作に対応している
【4】USB 3.0をフロントに出せる
3.5インチベイに装着できるベイアクセサリが付属し、USB 3.0ポートをPCケースの前面から2基使用可能に。機能性へのこだわりは徹底している
【5】全12基のSerial ATAポート
ICH10Rがサポートする6基のSerial ATA 2.5ポートに加え、Serial ATA 3.0対応ポートが6基追加されている。合計12基が横並びにレイアウトされており壮観だ
ココが最強!
・6基のSerial ATA 3.0ポートを搭載
・6基のUSB 3.0ポートを搭載
・OC&省電力機能も完備
Specification
対応CPU:Core i7●メモリスロット:PC3-16000 DDR3 SDRAM×6(最大24GB)●グラフィックス機能:-●ディスプレイ:-●拡張スロット:PCI Express 2.0 x16×3(x16/x16/-またはx16/x8/x8で動作)、PCI Express x1×2、PCI×2●主なインターフェース:Serial ATA 3.0×6、Serial ATA 2.5×6、eSATA(Serial ATA 3.0)×1(1基のSerial ATA 3.0ポートと排他利用)、Ultra ATA/133×1、USB 3.0×6(2基はピンヘッダで実装)、USB 2.0×4●LAN:1000BASE-T×1
【問い合わせ先】
ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.asrock.com/
Serial ATA 3.0ポートの帯域をキチンと活かし切れているか検証
本機にはRAID 0/1、JBOD対応のMarvell 88SE9128が1チップ、RAID非対応の同88SE9120が2チップと、合計3個のSerial ATA 3.0コントローラが搭載されており、対応ポートが基板上に6ポート用意されている(各コントローラは2ポート分サポート)。しかし、これだけあるとしっかり性能を出せるように帯域が確保されているのか心配になってくる。と言うのも、帯域が足りない設計を採用したマザーボードも何食わぬ顔で売られていたりするからだ。そんなわけでこれらコントローラにSerial ATA 3.0対応SSDを接続し、転送速度を測ってみた。結果は、比較用のICH10R(Serial ATA 2.5)に接続した場合に比べて、書き込み速度が多少遅くなっているものの、読み込み速度でSerial ATA 2.5の最大転送速度(300MB/s)を上回る結果が出ており、一応帯域が確保されていることが分かる。また、接続の問題なのか本機では88SE9128のほうが、88SE9120よりも性能がよいようなので、前者を優先して使用したいところだ。なお、USB 3.0についても同様のテストを行ない、こちらもしっかりと帯域が確保されていることを確認できた。
Serial ATA 3.0(6Gbps)対応のMarvell製定番コントローラ。88SE9128は上位チップであり、RAID 0/1とJBODをサポートしている。今回の検証では性能も88SE9120を上回っていた。なお、現状Serial ATA 3.0の転送速度は、対応SSD以外ではあまり効果がないことに注意したい
省電力機能のIESを有効化してアイドル時の消費電力を低減したい
本機には省電力ユーティリティ「ASRock IES(Intelligent Energy Saver)」が付属している。下のグラフのとおり、アイドル状態において有効時と無効時で5Wほど差が出るなど、その効果は無視できない。省電力化を図りたい人は活用するとよいだろう。
大きく「IES」と書かれたボタンを押すことで、省電力機能をON/OFFできる。ぜひ有効化して消費電力を抑えたい
ハードウェアモニタリング機能も備えたOCユーティリティが付属
オーバークロック機能が充実しているのも本機の特徴。BIOSセットアップから詳細な設定が可能なほか、付属ユーティリティ「OC Tuner」を使えばWindows上から各種クロックや電圧を設定することができる。さらに、温度やファンの回転数を表示するモニタリング機能も統合されており、使い勝手は良好だ。
ライター滝 伸次の評価:
フルスペックで使い勝手も優れる
- インターフェースの充実度:★★★★★
- OC向け機能の充実度:★★★☆☆
- ユーティリティの充実度:★★★☆☆
USB 3.0とSerial ATA 3.0を詰め込んだだけのキワモノ系かと思いきや、そんなことはない本格的な作りで正直驚いた。機能のわりには実売価格が安く、コストパフォーマンスも優秀。実用性重視の人にも十分オススメできるマザーボードであり、近年まれに見る機能満載ぶりが光る、付加価値の高い1枚である。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-975 Extreme Edition(3.33GHz)、メモリ:Corsair Memory CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×4 ※3枚のみ使用)、ビデオカード:XFX GX-260N-ADF9(NVIDIA GeForce GTX 260)、SSD:Micron Technology Crucial RealSSD C300 CTFDDAC256MAG-1G1(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版