LGA1156 CPUを極めるためのスペシャルマザー
- LGA1156
- Intel P55
- ATX
- EVGA
- P55 Classified 200
- 実売価格:35,000円前後
P55 Classified 200は、オーバークロック(以下OC)での使用を前提としたP55マザーボードだ。デジタルPWMコントローラによる10+2フェーズ構成のVRMや、CPUソケットのピンに通常の3倍もの金を使用して導電性を高めるなど、CPUの限界を引き出すための工夫が随所に施されている。また、ハードウェアの電圧テスター機能を搭載しており、付属のテスター棒を使ってCPUコアやメモリなどの電圧値を基板上のLEDパネルに表示させることができる。フルスクリーン動作のベンチマーク中でも、各種電圧を簡単にチェック可能だ。BIOSセットアップのOC関連設定項目も充実しており、詳細なクロック/電圧設定を持つのは当然として、液体窒素などを用いた0℃以下の冷却を想定してのExtreme Coolingモードなど、超マニアックな機能を満載。OCを全力で楽しみたいユーザー向けの1枚となっている。


【1】バックパネル
オーバークロック向けの製品ということでCMOSクリアボタンや、その隣に別売りのオーバークロック用リモコン「EVBot」の接続用コネクタが装備されている

【2】EPS12Vコネクタを2基搭載
EPS12V電源コネクタを2基搭載しており、最大600Wもの電力をCPU用電源回路に供給可能としている。かなりハードなOC状態での負荷テスト中などでも、高い安定性を期待できる

【3】応答性に優れるプロードライザを搭載
アナログ式よりも効率がよいとされるデジタルPWM方式のCPU用電源回路で、低抵抗かつ応答性に優れたプロードライザというコンデンサを実装している

【4】nForce 200を搭載
PCI Expressレーンの数を擬似的に倍増させるスイッチチップのNVIDIA nForce 200を搭載しており、3-way SLIに対応可能。もちろんCrossFireXも構成できる

【5】3倍の金で導電性を向上
CPUソケットのピンは、通常の3倍もの金を含有した金メッキ仕上げとなっている。液体窒素を使用するようなシビアな動作環境でも導電を確実にする
ココが最強!
・高耐久性・高性能のOC向けフルチューン
・10+2フェーズ構成のデジタルPWM回路
・OC関連の便利なギミックを満載
Specification
対応CPU:Core i7、Core i5、Core i3、Pentium●メモリスロット:PC3-20800 DDR3 SDRAM×4(最大16GB)●グラフィックス機能:-●ディスプレイ:-●拡張スロット:PCI Express 2.0 x16×5(x16/x16/-/x16/-またはx8/x8/x8/x8/x8で動作)、PCI Express 2.0 x4(x16形状、10GT/s)×1、PCI Express 2.0 x1(2.5GT/s)×1●主なインターフェース:Serial ATA 2.5×6、eSATA(Serial ATA 2.5)/USB 2.0コンボ×1、eSATA(Serial ATA 2.5)×1、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×2
【問い合わせ先】
EVGA:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.evga.com/
E-LEETを使ってKシリーズのTBを自在に操作
Core i7-875KなどのCPU倍率のロックが解除されたCPUを用いれば、付属のWindows用OCユーティリティ「E-LEET」を使って、Turbo Boostの動作倍率変更によるOCを行なうことが可能だ。実際にCore i7-875Kで電圧などを変更せずに試したところ、定格(1コア動作時27倍、2コア動作時26倍、3コア動作時24倍、4コア動作時24倍)から、「1コア動作時31倍、2コア動作時31倍、3コア動作時30倍、4コア動作時30倍」までオーバークロックすることができた。3DMark06 のCPU Testを見てもらえば分かるとおり、約25%スコアがアップしており、その効果は上々である。倍率変更のOCであれば、ベースクロックの上昇でメモリの比率を下げたりせずにすむので非常に手軽だ。もちろんさらなる性能を求めるなら、ベースクロックも上げざるを得ないがOCの手軽な楽しみ方という選択肢は魅力だろう。

Intel Core i7-875K

Turbo Boostの倍率の上限が解除されているOC向けのCPU。LGA1156プラットフォームでは現在最上位のCPUでありながら3万円ほどで購入でき、コストパフォーマンスが優秀。OCを狙うならぜひ検討したい存在だ
OCに役立つハードウェア機能を豊富に搭載

LED通知機能付きのオンボードスイッチ
電源/リセットおよびCMOSクリアボタンを搭載。起動後は電源ボタンがアクセスランプ、リセットボタンが通電ランプになるのがおもしろい

システムの状態とCPUの温度を表示
起動時のシステム状態をPOSTコードで表示する7セグメントLEDを搭載するが、起動後はCPUの温度を表示するようになり、いろいろと役立つ

三つのBIOS ROMを切り換えて使用可能
三つのBIOS ROMを実装。基板のスイッチからセレクトでき、プロファイルの切り換えもしくはバックアップにと活用することができる

電圧のテスター機能を搭載
メモリスロット脇には各デバイスの電圧が出力されるポイントが用意されており、ここに付属のテスター棒を当てれば、LEDパネルに該当デバイスの電圧が表示される
ライター滝 伸次の評価:
裸で常用したい真のOC向けマザー
- オーバークロック度:★★★★★
- OC向けギミック度:★★★★★
- 定格コストパフォーマンス:★★★☆☆
基板上のオンボードスイッチといったOC向けの便利なギミック類は、マザーボードをPCケースの中に入れてしまうと意味がなくなってしまうので、むき出しのバラック状態で使うのが前提となる。常用OCで実用すると言うよりは、常にチューニングを楽しむためのマザーボードと言える。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-875K(2.93GHz)、メモリ:Corsair Memory CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×4 ※2枚のみ使用)、ビデオカード:XFX GX-260N-ADF9(NVIDIA GeForce GTX 260)、SSD:Micron Technology Crucial RealSSD C300 CTFDDAC256MAG-1G1(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、CPUクーラー:Corsair Memory A50、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版