共振音(ビビリ音)を抑える
★★★★
忘れた頃にやってくるのがビリビリビリ……といったケースの共振音。各部のファンやHDDなどの振動が影響し合って、ケースを振動させるのだ。これを防ぐには、各パーツの振動の伝達を防ぐグッズを活用するほかに、ケースそのものの振動を抑え込むといった手法もある。ケースの上に重しを乗せるというのも一つの手だ。
ファンの振動をシャットアウト
- アイネックス
- ファン固定用 防振ゴムブッシュ
MA-023A

多くのケースではファンの固定にネジを使用しているが、このようなゴムブッシュに交換すれば、ケースにファンの振動が伝わりにくくなる。交換するなら全部のファンを!

ギュッと引っ張ってネジ穴にはめ込む。MA-023Aはソフトタイプなので、取り付けが楽だ
その名のとおりの貼り付け型シリコンパッド
- オウルテック
- 電源用シリコン防振パッド OWL-SILAP1
- 実売価格:750円前後

電源とケースの固定部に挟み込む防振グッズ。電源とケースの間にはネジ止めしてもわずかな隙間が空くことがあるので、それを埋めるだけでも効果はあるだろう。

最近はケースにこうした防振パーツが用意されていることも多いので、チェックしてみよう
家にあるものでもなんとかなる?

サイドパネルの振動が気になるなら、設置部に紙テープなどを貼るというのもよい。ややきつめにガッチリとパネルがハマるくらいがベスト
ダウンクロックで静音化
★★★
最新CPUの性能も常時必要なわけではない。CPUの省電力機能に頼るのも手だが、意識的にダウンクロックしておくことで、CPUクーラーのファン回転数を抑えることもできる。最近の倍率ロックフリータイプのCPUなら、オーバークロックだけでなく、安定したダウンクロックを行なうことも可能である。
もったいないかどうかは自分しだい?

OCもダウンクロックも自在のKシリーズ
ベースクロックを変えずに倍率変更が可能な、IntelのKシリーズ。なにかと遊べるCPUだ

倍率変更にはBIOSが対応するマザーが必要。ミドルレンジクラス以上の製品なら現行はほとんどのものが対応している
システムHDDをSSDに交換する
★★★★
ヒュイーン、カリカリ……といったHDDの音を抑制するには、以前は静音HDDケースを使うのが定番であったが、今なら無音のSSDに換装するのがベター。データ用にHDDを併用する場合は静かな5,400rpmモデルを選ぼう。
速さと動作音では文句なしのSSD

システムHDD用に高速回転タイプのWD Raptorなどがはやったのはまだ最近のこと。あの高周波音にも味があるのだが……SSDは一度使うとやめられない快適さ
【問い合わせ先】
アイネックス:042-467-7676
http://www.ainex.jp/
オウルテック:046-236-3522
http://www.owltech.co.jp/
CPUクーラーをファンレス化する
★★★
高負荷時の発熱の増大であまり話題に上らなくなったファンレス化。しかし、最新の強力なヒートシンクなら、それも夢ではない。下で紹介している二つの製品などは、14cm角ファンの取り付けが可能となっているものの、ファンレスでもかなりの放熱性能を備えており、ケースファンによるエアフローがしっかり確保されていれば、3GHzクラスのCore i7/i5でも問題なく動作する。とは言え、もちろん過信は禁物。温度はよくチェックしておこう。ファンを付けても十分静音なのだから、妥協も視野に入れよう。
薄型ながら確かな冷却性能
- Prolimatech
- Armageddon
- 実売価格:8,000円前後

前後に14cm角ファンを取り付け可能なヒートシンク型CPUクーラー(ファンは付属しない)。LGA1156/1366のみに対応している。
取り付けはめんどうながら価値ある性能
- Thermalright
- HR-02
- 実売価格:8,500円前後

大型ヒートシンクに、12/14cm角ファンを1基取り付け可能。単体でも高い冷却性能を持つ。取り付けのための専用工具が付属するなど、値段分の高級感も感じられる。

うまく設置して、背面、天板の排気ファンが冷却を助けてくれるように調整したい

アダプタで大型ファンを使用する
★★★
14cm角などの大型ファン搭載ケースがうらやましいならファン口径変換アダプタを活用して、静音性アップを狙うのもよいだろう。ただし、大型ファンが取り付けられるだけの空間がなくてはならないが、サイドダクトなどは結構余裕があるのでお勧めだ。
14cm角ファンを12cm角ファン代わりに
- アイネックス
- ファン口径変換アダプタ120→140
FA-1214 - 実売価格:750円前後

周囲のスペースに余裕は必要だが、14cm角ファンを12cm角ファンの装着部に取り付けられるアダプタ。トップフロータイプのCPUクーラーなどでも活用できる。

アイディアしだいで使いみちはいろいろ。取り付けには防振グッズとの併用も考えたい
あえてダクトを封印する
★★★
今やケースと言えば、メッシュパネルを採用した冷却重視ケースが大多数を占めている。デザインはカッコよくても、静音重視派にはなかなかつらいところである。そこでそんなケースをあえて静音タイプに改造してしまおうというわけだ。天板ダクトを防振シートなどでふさぎ、開口部を自分らしくコントロール。オリジナルケースの完成だ。
大きめサイズの防音シート
- アイネックス
- マルチ吸音・防音シート 特大
MA-041B - 実売価格:2,000円前後

サイドパネルやケースの隙間に貼る吸音・防音シート。これでダクトをふさぐことで、遮音性を高め、ケース内の反響を軽減できる。

天板をキッチリふさいで、音漏れをカット。身近なもので代用してみてもよいか?
【問い合わせ先】
Prolimatech:support@scythe.co.jp(サイズ)
http://www.prolimatech.com
Thermalright:support@scythe.co.jp(サイズ)
http://www.thermalright.com/
アイネックス:042-467-7676
http://www.ainex.jp/
【検証環境】 CPU:Intel Core i7-870(2.93GHz)、マザーボード:ASUSTeK P7P55D EVO(Intel P55)、メモリ:Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×2)、SSD:OCZ Technology Vertex Turbo OCZSSD2-1VTXT120G(Serial ATA 2.5、MLC、120GB)、ビデオカード:MSI N465GTX Twin Frozr Ⅱ(NVIDIA GeForce GTX 465)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit版
【測定条件】 暗騒音:36dB、室温:27℃、騒音測定距離:ファンから約5cm、アイドル時:OS起動から10分後の値、高負荷時:PCMark Vantage Build 102のCPU TestとGraphics Testを2回実行した際の値、いずれもバラック状態で計測