ショップブランドPCに学ぶ配線テクニック
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ショップブランドPCの配線テクニックを参考にしよう
PCを組み立てるとき、配線はとても重要なものである。配線が汚いとエアフローを阻害してしまい、その結果ケース内温度の上昇を招いてしまう可能性が高い。また、CPUクーラーやケースファンなどにケーブルが接触するなどのトラブルを起こすケースもある。しかも、組み立てた後で配線をまとめるのはめんどうなことも多いので、できるだけ組み立て時にきれいに配線しておきたい。
では、実際にケーブルをきれいに配線するにはどうしたらよいのか? 基本的にはよけいなケーブルをバンドなどでまとめ、各種パーツやエアフローのジャマにならないようにするだけでよい。しかし、ここではさらに一歩先の配線方法を紹介したい。
それには、ショップブランドPCの配線が非常に参考になる。専用のケーブルやパーツなどを使用していることのあるメーカー製PCと違い、ショップブランドPCで使用されているパーツ類は、自作PCに近い。しかも、ケーブルが原因となり得るトラブルを避けるため、配線にもかなり気を配られている。これを参考にすれば、よりよい配線を自作PCにも導入できるというわけだ。
ここではドスパラのBTOブランド「Prime Galleria」シリーズの配線テクニックと、配線に便利なアイテムを紹介してみよう。

PCショップであるドスパラが展開しているBTOブランド「Prime Galleria」シリーズの配線テクニックを参考にした

ケーブルをまとめるのには、パーツの梱包に使われている針金などを使用するのも有効な手段だ

ビデオカードなどの拡張カードはブラケットとスロットの間に空間があり、この下を通すと配線をきれいにまとめられる
ショップブランドPC「ドスパラ Prime Galleria HX」の配線テクニックを見る


ATX電源など、メインのケーブルはタイラップでしっかりまとめている

CPUクーラーなどの短いケーブルはタイラップではなく、結んで長さを調整

フロントUSBやオーディオなどのケーブルは、テープを使ってケース底面に固定

PCI Express x16用電源など、ケース内を横断するケーブルはコネクタの根元側でまとめている

ストレージ用の電源ケーブルなどは、ケースのフレームに固定

テープでコネクタを固定することで不意の脱落を防止している。こちらで紹介しているラッチ付きコネクタを使うのも手だ
シンプルにケーブルを結束
- アイネックス
- ケーブルバンド KC-006
ケーブルバンド ロング
KC-005 - 実売価格:300円前後(KC-006)、400円前後(KC-005)

ケーブルなどを結束するための樹脂製バンド。長さ10cmのノーマルタイプ(50本)と、16cmのロングタイプ(25本)がある。使い切りタイプで、再利用はできない。
簡単にやり直せるマジックテープ式
- アイネックス
- ケーブルタイ
面ファスナー KC-007 - 実売価格:500円前後

マジックテープにより、ケーブルをまとめられるバンド。軟らかい素材でケーブルを傷付けにくく、再利用も可能なのでケーブルをまとめ直すのも簡単。6本入り。
ケース内部に貼り付けて使える
- アイネックス
- ケーブルマウンタ
KC-011 - 実売価格:500円前後

両面テープにより、ケース内に貼り付けることができるケーブル結束アイテム。ケース底面や側面など、任意の場所に固定してケーブルをまとめることができる。5個入り。
裏面配線ケースを使えば内部もすっきり
ケーブル類の配線がめんどうくさいというユーザーには、裏面配線に対応したケースをオススメしたい。ケース内のケーブルのほとんどを裏面に持っていける上、裏面側ではケーブルをきっちり配線しなくともマザーボード側はすっきりした配線となり、ケーブル類がエアフローに影響を与えにくくなるという大きなメリットがある。もちろん、見た目もよい。
ただし、電源ユニットのケーブル長によっては物理的に届かなくなる可能性があり、ムリに配線しようとするとケーブルが切れたり、コネクタを破損させたりする場合があるので注意。その場合は素直に表面から配線しよう。また、裏面のケーブルは多少配線がまとまっていなくとも構わないとはいえ、あまり雑にまとめ過ぎるとサイドパネルが閉まらなくなるということもあるので、ある程度はきれいにまとめておくようにしよう。

裏面配線対応ケースの裏面。配線が多少汚くても、マザーボード側のエアフローにはほとんど影響を与えない

マザーボード側の様子。ほとんどのケーブルが裏面に配線されているため、すっきりしている
低価格な裏面配線対応ケース
- サイズ
- SCY-T33-BK
- 実売価格:4,500円前後

実売価格が4,000円台の低価格なミドルタワータイプのATXケース。この価格帯ではめずらしく裏面配線に対応。標準搭載ファンは背面に12cm角1基のみと少ないが、前面、天板、側面に計4基のファンを増設可能で、冷却性能はとても高い。
【問い合わせ先】
アイネックス:042-467-7676
http://www.ainex.jp/
サイズ:support@scythe.co.jp
http://www.scythe.co.jp/