売り上げランキングに見る人気マザーの傾向
下の表は、4月中旬時点のBCNランキングから、実売で1万円から2万5,000円までのマザーボードの売り上げTOP10を抽出したものだ。一目で分かるのは、ASUSTeKとGIGABYTE製品に人気が集中している点。対応CPU別で見るとほぼCPUの人気どおりで、IntelのメインストリームCPUであるCore i7対応のIntel P55マザーが上位を占めている。 AMD CPU用のマザーとしては、DirectX10.1 に対応したグラフィックス機能を統合したAMD 785Gマザーがチャートイン、コストパフォーマンスを重視するユーザーの支持を得ているようだ。次ページからは、以上のような市場動向や最新製品状況を加味しつつ、編集部が独自の視点で選んだ、今買うべき本命マザーを紹介していくので、ぜひとも製品選択の参考にしてもらいたい。

1ASUSTeKとGIGABYTEがチャートを二分

1万円から2万5,000円までのマザーボードでは、実績のあるASUSTeKとGIGABYTEに人気が集中している。もう少し上の価格帯だとMSIが、下の価格帯だとMSIに加えてIntelなどがチャートインしてくる。
2人気はCore i7対応のP55マザー
Clarkdale対応のH55マザーも健闘

チャート上位を独占するのは、やはりCore i7対応のP55マザーで、機能と価格のバランスが取れた製品が人気だ。Clarkdale対応のH55マザーもなかなか健闘しており、microATXタイプが人気だ。
3AMD CPUマザーでは
グラフィックス機能統合型のチップセットマザーが人気
AMD CPU用マザーはグラフィックス機能を持つ統合型チップセット搭載マザーが人気を集めている。現在のチャートではAMD 785Gがランクインしているが、この価格帯ではその性能の高さから、発売されて間もないAMD 890GXに人気が移りつつある。

DirectX 10.1対応のグラフィックス機能を持つAMD 890GX
4USB 3.0搭載マザーボードが人気だが……
USB 3.0を搭載したマザーボードの人気が上がってきているが、非搭載モデルでも依然人気の高いマザーもある。似たスペックのマザーで、USB 3.0搭載/非搭載モデルではそれなりの価格差があるので、とくに必要としない人は非搭載モデルを選んでいるということだ。必要となれば拡張カードで機能を追加することもできるので、必ずしも対応製品を選ぶ必要はない。
- LGA1156
- Intel P55
- DDR3
- ATX
ASUSTeK
P7P55D-E
実売価格:18,000円前後
問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ) URL:http://www.asus.co.jp/
バランスのよい仕様で人気のP55マザー
発売以来、常に売り上げランキングの上位に位置している人気のP55マザー。その人気の理由は、価格と機能のバランスのよさにある。ほどよいオーバークロック機能とそれに対応する品質を持つ上、USB 3.0、Serial ATA 3.0といった最新の機能を搭載。上位機種のようにPCI Expressブリッジチップは搭載されていないが、その分価格が抑えられており、USB 3.0 およびSerial ATA 3.0を常時フルスピードで使う必要のない人にはお買い得となっている。人気のマザーボードということでユーザーが多く、情報が多いのも本機の魅力。多くの人にオススメできる、まさにド本命マザーボードだ。
本命のワケ
- 価格と機能のバランスがよい
- ASUSTeKならではの高品質設計
- ユーザーが多く情報も多い
誰にでも安心してオススメできるマザーボード。マニュアルやユーティリティ類も親切で初心者にも二重丸。このマザーボードを買って後悔する人は少ないだろう。

IO Level UP機能でUSB 3.0をフルスペック活用

基板上に用意されたボタンを押すことでIO Level UPを有効化することができる
USB 3.0(5Gbps)のコントローラチップをP55のPCI Express 2.0 x1バスで接続した場合、帯域幅の制限により転送速度が2.5Gbpsに制限されてしまう。そのため、本機ではコントローラチップの接続先をCPUに変更してフルスペックで利用できるようにするIO Level UP機能を搭載している。IO Level UPを利用した場合、ビデオカードのバス幅がx8に制限されてしまう点には注意が必要だが、下のテスト結果のとおり、転送速度は確実に向上する。3Dゲームなどはあまりせず、USB 3.0の速度を上げたい人は試してみるとよいだろう。なお、IO Level UPでは、Serial ATA 3.0の接続先をCPUに変更することもできる。
CrystalDiskMark 2.2 USB 3.0デバイス接続時のスコア

Specification
対応CPU:Core i7、Core i5、Core i3、Pentium(LGA1156)● メモリスロット:PC3-17600 DDR3 SDRAM×4( 最大16GB)●グラフィックス機能:-●ディスプレイ:-●拡張スロット:PCI Express 2.0 x16×1、PCI Express 2.0 x4(x16形状、10GT/s) ×1、PCI Express 2.0 x1(2.5GT/s) ×3、PCI×2●主なインターフェース:Serial ATA 3.0×2、SerialATA 2.5×7、eSATA(Serial ATA 2.5)×1、Ultra ATA/133×1、USB 3.0×2、USB 2.0×6、IEEE1394(S400、6ピン)×1●RAID:0/1/0+1/5(Intel P55)●LAN:1000BASE-T×1


VRMは12+2フェーズ構成。余裕を持ってCore i7を動作させることが可能だ

メモリが問題で起動しない場合にメモリのSPD値を無視した設定で起動を試みることができる「MemOK!」に対応。ASUSTeKならではの安心機能だ
主な拡張機能の有無
USB 3.0 | Serial ATA 3.0 |
---|---|
NEC μPD720200 ![]() |
Marvell 9123 ![]() |
2ポート | 2ポート |
ATI CrossFireX | NVIDIA SLI |
○ | ― |
【検証環境】マザーボード:Intel Core i7(2.8GHz)、メモリ:Corsair Memory CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM、CL=9、2GB×4 ※2枚のみ使用)、ビデオカード:ATI Radeon HD 5770リファレンスカード、システムHDD:Western Digital WD Caviar Black WD1001FALS(SerialATA 2.5、7,200rpm、1TB)、USB 3.0対応外付けHDD:バッファロー HD-H1.0TU3(1TB)、OS:Windows 7 Ultimate 64bit 版