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TEXT:北川達也 |
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SSDによる高速化の波が低価格帯にまで波及 |
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SSD/HDD編 |
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ストレージの選択肢には、容量が大きくコストパフォーマンスに優れるHDDと、高性能だが容量が小さく価格も高いSSDの二つがある。限られた予算を有効に使うには自分の用途に合った製品選びが大事だ。
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コストパフォーマンスのHDD 小容量だが高速なSSD |
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HDDやSSDの使い方は、OS起動やアプリケーション動作のためのメインストレージ向けと、ファイル保存用のデータストレージ向けに大別される。メインストレージとしての性能はPCの使い勝手に直結するので、予算内でできるだけ高性能な製品を選択するのが基本。また、データ用の場合は性能も重要だが、容量や信頼性、省電力性など、必要とされるものが変わってくる。
これを前提に考えた場合、まず1台目のメインストレージを選ぶなら、性能を追求してSSD、という選択肢が有力になる。しかし、SSDはどうしても容量の小ささと価格の高さが導入の壁になる。そこでお勧めしたいのが、最新の500GBプラッタを採用した7,200rpmのHDDである。このタイプの製品は、容量1TBの製品でも7,000円前後で購入でき、ランダムアクセス速度こそSSDに劣るが、シーケンシャル速度なら安価なSSDと同等の速度が出るため、チョイリッチパーツとして申し分のない性能を持っている。
データストレージ用と割り切って使うのならば、5,400rpmの省電力タイプもオススメだ。消費電力が小さいため、常時起動のPCやNASで使うには最適。また、発熱の小ささは故障率の低さにもつながってくる。
一方、性能に優れるSSDは、容量は小さいものの、実は1万円クラスで購入できる製品がかなりある。しかし、SSDはNANDメモリの実装数がスピードに直結する製品が多いため、小容量の製品ではあまり性能が出せないことも多い。それでもランダムアクセス性能の高さはHDDの比ではないので、OS起動用や特定のアプリケーション用として割り切って使うのならば、選択肢の一つとして大いにアリだ。 |
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SSDは、読み出し性能が非常に高い。32GBモデルなら1万円以下でも販売されているが、容量単価を考えると64GB以上の製品がお得なことが多い点にも注目したい |
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バランスのよさで選ぶなら
7,200rpm HDD |
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HDDの性能は、回転数とプラッタ容量によって決まる。現在、もっともコストパフォーマンスが高いのが、最新の500GBプラッタを採用した7,200rpmのHDD。このタイプが、メインストレージとしてもっともバランスがよい。さらなる性能を求めるのなら、安価な小容量モデルを2台購入してRAID 0で運用するのもよいだろう |
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容量あたりの価格を重視したいなら5,400rpmのHDDがもっともコストパフォーマンスが高い。1.5TBモデルが1万円前後で購入できる。省電力性などにも優れる |
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チョイリッチSSDレビュー |
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1万円クラスの最新SSD 2製品を比較 |
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SSDは、現在、性能を重視したハイエンドモデルと価格を重視したバリューモデルに2極化しつつある。バリューモデルのSSDは、ハイエンドモデルと比較して書き込み性能は劣るが、読み出し性能は同レベルのものが多い。ここで比較しているIntelのX25-VやCFD販売のCSSD-SM32WINなど、1万円強で購入できる記録容量30GB/40GBクラスの製品がバリューモデルに相当するだろう。
実際に検証してみたところ、Windows 7の起動時間は、X25-V、CSSD-SM32WINともに7,200rpm HDDのWestern Digital WD Caviar Blackよりも10%以上高速だ。これからも分かるようにバリューモデルのSSDは、小さなファイルの読み書きが中心となるOSやアプリケーションの起動用システムドライブとしては十分な性能を発揮する。これは、実環境に近いベンチマークであるPCMark Vantage HDD Test Suiteの結果にも反映されている。X25-Vは、WD Caviar Blackの約7倍のスコアで、CSSD-SM32WINでも3倍近いスコアとなっている。X25-V/CSSD-SM32WINともにHDDより劣っているのは、CrystalDiskMark 2.2のシーケンシャルライト/ランダムライト 512KBの速度のみしかない。読み出し速度に関しては、さすがSSDといった速度を発揮している。 |
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【SSD/HDD編共通検証環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E6600(2.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5Q(Intel P45+ICH10R)
メモリ:ノーブランド PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB×2、ビデオカード:NVIDIA GeForce 8600 GTリファレンスカード
システムHDD:日立GST Deskstar T7K500 HDT725025VLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、250GB)
SSD:Intel X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH160G2C1(Serial ATA 2.5、MLC、160GB)×2
OS:Windows 7 Ultimate 64bit版
高負荷時の条件:HDTune 4.01実行中の最大値 |
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Intel |
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X25-V Value SATA SSD SSDSA2MP040G2C1 |
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実売価格:12,500円前後 |
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問い合わせ先:0120-868686(インテル)
URL:http://www.intel.co.jp/ |
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Intel PC29AS21BA0 |
MLC |
2.5インチ |
プライマリ ハードディスク:6.3 |
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Specification
容量:40GB
キャッシュ容量:32MB
インターフェース:Serial ATA 2.5
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上位機種のX25-Mから搭載NANDメモリ数を半分にして低価格化を図った製品。ライト速度こそ40MB/s強とHDDよりも遅いが、シーケンシャルリードやランダムアクセス速度は非常に速く、OS起動用には最適だ。Trimにも対応している |
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CFD販売 |
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SSD WIN CSSD-SM32WIN |
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実売価格:10,000円前後 |
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問い合わせ先:052-619-1560
URL:http://www.cfd.co.jp/ |
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Initio INIC-1811T |
MLC |
2.5インチ |
プライマリ ハードディスク:6.9 |
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Specification
容量:32GB
キャッシュ容量:なし
インターフェース:Serial ATA 2.5
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外部キャッシュを搭載していないため、4KBのランダムライトは遅めだが、200MB/sを超えるリード速度とSSDの中でも最安クラスの価格が魅力の製品。シーケンシャルライト速度もHDD並みの速度を実現している。こちらもTrim対応モデル |
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