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TEXT:橋本新義 |
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1万円以下で最強のCPUはどれだ!? |
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激安ランキング |
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価格帯別のCPUランキングの最後となるのは、1万円以下の製品がエントリーされる激安CPUだ。このクラスの製品は、デュアルコアだけでなくクアッドコアも投入されるなど、ここ数年性能の底上げが著しいが、今回はそれを強く実感させる激戦となっている。 |
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トータルバランスに優れるAMD製品が有利な結果に |
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このランキングでエントリーされている製品は、1万円以下で販売されているCPUの中で、IntelとAMDそれぞれから、比較的上位の製品と下位の製品、なおかつコストパフォーマンスに優れ、人気のあるものという点から選んでいる。
まずはランキングの結論から紹介したい。第1位には、AMDのAthlon II X2 250を選んだ。このクラスでは、もともとコストパフォーマンスに優れるAMD製CPUのほうが有利ではあるが、このCPUは前世代で目立っていたIntel製CPUと比較した際の弱点を克服し、非常にバランスのよい製品となっている。
第2位は、IntelのCeleron E3200だ。Intel製CPUのみならず、もっと言えば現在のデュアルコアCPUの中で最安価の製品でありながら、CPU単体ではバランスよく高い性能を持つ。ただし、プラットフォームレベルで比較すると、総合的なコストパフォーマンスがAthlon IIシリーズに一歩譲る点で2位となった。
第3位は、AMDのAthlon II X4 620。価格としては条件ギリギリだが、このクラスとしては唯一のクアッドコアCPUであり、マルチスレッドに対応したソフトウェアでは圧倒的なCPU性能とコストパフォーマンスを発揮する点が魅力だ。その意味で1位や2位とは対照的に、性能に特化した点での選出と言える。 |
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★ No.1 AMD Athlon II X2 250 |
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バランスに優れた隙のなさが魅力
低価格ながら動作クロックの高さ(3GHz)による高い性能に加え、消費電力の低さやチップセット内蔵GPUの性能など、総合的バランスに優れる点が魅力のデュアルコアCPU。一芸に秀でているわけではないが、AMD 785G搭載マザーボードと組み合わせた状態での隙のなさが魅力だ。 |
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★ No.2 Intel Celeron E3200 |
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超低価格ながら性能は十分
Intel製CPUとしてだけでなく、デュアルコアCPUとして最安価の製品。45nmプロセス製造による発熱の低減と2次キャッシュ容量の増加で性能が順当に向上し、Pentiumシリーズを脅かす存在となっている。オーバークロック耐性なども高く、使いこなしの楽しさも備えたモデルだ。 |
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★ No.3 AMD Athlon II X4 620 |
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クラス唯一のクアッドコア
クアッドコアCPUでありながら1万円を切る価格で、ヘビーユーザーから熱い支持を受けるヒット製品。マルチスレッド処理に対応したアプリケーションが増加している写真や動画関連の処理を低価格なPCで楽しみたい場合は、このクラス唯一の選択肢と言ってよいほど強力なCPUである。 |
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低価格PCを構成する主要パーツ |
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LGA775 |
LGA1156 |
Socket AM3 |
CPU |
Pentium Eシリーズ
Celeron Eシリーズ
4,500円~ |
Pentium Gシリーズ
9,000円前後 |
Athlon II X2/X4シリーズ 5,500円~ |
チップセット(GPU内蔵) |
Intel G41(搭載マザー)
5,500円~ |
Intel H55(搭載マザー)9,000円~ |
AMD 785G(搭載マザー)6,000円~ |
メモリ |
DDR2-800 1GB×2
4,000円~ |
DDR3-1333 1GB×2
6,000円~ |
DDR2-800 1GB×2
4,000円~ |
合計 |
14,000円~ |
24,000円~ |
15,500円~ |
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CPU性能だけでなく、代表的なプラットフォームでの性能で比較 |
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さて、今回のランキング結果の判断基準についてここで紹介したい。
本誌ではこれまで、価格とCPU単体での性能比較を行なうことが多かったが、今回はCPUメーカーの純正チップセットを採用したマザーボードに搭載した状態での「プラットフォームとしての性能」とコストパフォーマンスを中心としてランキングを選定している。
これは、ClarkdaleコアのPentium G6950などが登場してきたことで、CPU単体の性能でランク付けをするのが難しくなってきた点や、昨今は低価格PCでも性能だけでなく、省電力性やHD動画の再生支援機能といった、さまざまなバランスのよさが重視される傾向にある点などを考慮したことによるものだ。
なお、このクラスのCPUでは、一般的にチップセット内蔵(Pentium G6950の場合はCPU内蔵)のグラフィックス機能が使われるため、PCの構成もそれに準拠したものとしている。具体的には、Pentium G6950では内蔵GPUを(マザーボードはGIGABYTE GA-H55-UD3H)、それ以外のIntel製CPUではIntel G45搭載マザーであるASUSTeK P5Q-EMを、AMD製CPUでは、AMD 785G搭載/DDR3対応マザーであるMSI 785GM-E65を使用した。
上の表では、もっとも安価にPCを構成するための代表的なパーツとして、Intel G41マザーや、AMD 785G搭載/DDR2対応マザーでの例を紹介しているが、今回の性能比較とは条件が一部異なる(とくにIntel G41マザーを使った場合、動画再生支援機能が劣るためCPU負荷率が高くなる)ことに注意していただきたい。今回の比較ではピーク性能を検証するのを目的としている。 |
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CPU+オンボードグラフィックス性能の傾向 |
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チップセットを含めたプラットフォームでは、内蔵グラフィックス機能の性能の高さからAMD系のCPUが有利。Pentium GシリーズやCore 2 Duoは、CPU性能がよくてもコストが高く付いてしまう |
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低価格なれど汎用性抜群の正当派マシン |
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ランキングNo.1のAthlon II X2 250をピックアップし、AMDプラットフォームの強みを活かしたバランス型PCを組んでみた。ポイントはメモリ。DDR3 SDRAMは今後の流用にも期待できる点から、マザーは少し高価でもDDR3対応製品を選びたい。HDDはコストパフォーマンスの高い1GBモデルを組み合わせた。DDR3 SDRAMの2GB×2枚セットは8,000円台後半なので、3万円強という構成だ。 |
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CPU
AMD Athlon II X2 250 |
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マザーボード
MSI 785GM-E65
実売価格:11,000円前後 |
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HDD
Western Digital
Caviar Green WD10EADS
実売価格:7,300円前後 |
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下位モデルのAthlon II X2 240を使い、最安価のショップで購入すれば、さらに数千円安くすることも可能だ |
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Athlon II X2シリーズのラインナップ |
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製品名 |
動作周波数 |
コア数(スレッド数) |
システムバス |
2次キャッシュ |
3次キャッシュ |
Athlon II X2 250 |
3GHz |
2(2) |
4,000MHz |
1MB×2 |
- |
Athlon II X2 245 |
2.9GHz |
2(2) |
4,000MHz |
1MB×2 |
- |
Athlon II X2 240 |
2.8GHz |
2(2) |
4,000MHz |
1MB×2 |
- |
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製品名 |
仮想化機能 |
製造プロセス |
TDP |
コードネーム |
実売価格 |
Athlon II X2 250 |
○ |
45nm |
65W |
Regor |
6,500円前後 |
Athlon II X2 245 |
○ |
45nm |
65W |
Regor |
6,000円前後 |
Athlon II X2 240 |
○ |
45nm |
65W |
Regor |
5,500円前後 |
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