その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:芹澤正芳 | ||||||||||||||||||||
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Windows 7のパッケージ版には32bit版と64bit版の両方のインストールディスクが同梱されており、どちらを導入するかはユーザーが選ぶことができる。一方、DSP版は購入時に32/64bitのどちらかを選ぶ必要がある。 こうした事情もあって、どちらを利用するか悩んでいるユーザーも多いだろう。64bit版には、4GB以上のメモリを利用できるという大きなメリットがあり、Windows XP Modeのような仮想環境に多くのメモリを割り当てることができ、大量のメモリを要求する画像処理や映像処理がより快適になる、といった恩恵が受けられる。さらに、32bit版のアプリケーションが動作する機能(WOW64:Windows On Windows 64)も用意されており、64bitシステムと密接にかかわるアプリ以外ならば、ほとんど問題なく動作する。 ただし、ハードウェアを制御するドライバは64bit版が必須だ。これまではこの部分が一番のネックになっていたが、Windows 7では最初から多くのドライバが収録されているほか、Windows Vistaで64bit環境の普及がある程度進んだこともあり、今では多くのメーカーが64bit版のドライバを用意している。手持ちのパーツや周辺機器が動作しない、という事態は少ないハズだ。とはいえ100%ではないので、導入前にはドライバがあるかチェックしておこう。製品によっては、Windows 7の32bit版は対応するが64bit版は非対応ということもある。 64bit対応アプリケーションも着実に増えており、Windows 7ではいよいよ64bit版がメインになっていくだろう。 |
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32bit版は4GBまで(実質3.5GB前後) | ||||||||||||||||||||
64bit版では8GB構成も可能 | ||||||||||||||||||||
32bit版では約3.5GBのメモリしか扱えないが、64bit版では4GB以上に対応。8GBのメモリもキッチリと認識している | ||||||||||||||||||||
Home Premiumのみ16GBまで | ||||||||||||||||||||
64bit版Windows 7の中で、唯一Home Premiumのみ、利用できる最大メモリ量が16GBに制限されている | ||||||||||||||||||||
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64bit版のメリットを語ったところで、実際のパフォーマンスが高いのか気になる人も多いだろう。 ここでは、32bit版と64bit版のWindows 7 Ultimateを用意し、総合的な性能を測定するベンチマークソフト「PCMark Vantage」と、定番のフォトレタッチソフト「Photoshop CS4」による画像処理でパフォーマンスを比較した。メモリの容量は4GBのほか、64bit版では8GBでも測定している。これは前ページで紹介したとおり、64bit版では、4GB以上のメモリが扱えるというメリットが有効に働くか確かめるためだ。 結果はグラフを見れば一目瞭然だが、すべての項目で32bit版を上回っている。PCMark Vantageでは、GamingやCommunicationのスコアでその差がハッキリと出ている。また、Photoshop CS4で8GBのメモリ環境に注目すると、4GBの32bit版に比べてフィルタ処理の完了が30秒以上短縮している。デジカメで撮影したRAWデータを大量に処理する場合、かなりの時間差になるだろう。 同じメモリ容量でも、すべての項目で32bit版より64bit版が優秀な結果になっているのは、一つのアプリケーションに割り当て可能なメモリ容量が多いためだ。実際にこのメリットを有効に働かせるためには、アプリケーション自体も64bitネイティブ対応である必要があるものの、優位性はハッキリと出ている。Windows 7の登場により、64bit対応アプリケーションの数は増えていくと予想されるだけに、手持ちの周辺機器に64bit版のドライバがない、といった事情がなければ、64bit版を導入するのがよいだろう。 また、64bit版は、WOW64(Windows On Windows 64)というエミュレーション機能により、従来の32bitアプリケーションも動作する。エミュレーションと言うと32bitネイティブで動作させるよりもパフォーマンスが低下すると思いがちだが、ほとんど影響はない。もちろん、WOW64も万能ではなく、動作しない32bitアプリケーションもある。 とはいえ、大容量メモリを扱えることによる恩恵はそうとうに大きい。この先、大容量のメモリが登場すればするほど、処理速度は伸びていくことだろう。 |
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大容量メモリが活きるPhotoshop CS4 Adobe Photoshop CS4でRAW画像を開き、画像の拡大やイメージモードの変換、複数のフィルタ処理などをバッチで実行した |
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【検証環境】 CPU:Intel Core i5-750(2.66GHz) マザーボード:GIGABYTE GA-P55-UD3R(rev. 1.0)(Intel P55) メモリ:Corsair Memory XMS3 CMX8GX3M4A1600C9(PC3-12800 DDR3 SDRAM 2GB×4、2/4枚を使用) ビデオカード:ECS N9800GTE-512MX-F(NVIDIA GeForce 9800 GT) HDD:Western Digital WD Caviar Black WD1001FALS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、1TB) OS:Windows 7 Ultimate 32/64bit版 |
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