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TEXT:北川達也 |
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HDD編 |
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本格的なテラバイト時代が到来 |
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速度の面でSSDの後塵を拝し、話題性が減ったHDDだが、着実に高速化と大容量化が進んでおり、容量あたりの単価の安さは、現在でもストレージ中随一だ。ここでは、Windows 7時代のHDDのトレンドを紹介しよう。 |
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■ |
500GBプラッタ世代へと本格的に移行するHDD |
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500GBプラッタを搭載したHDDの登場から約1年。現在のHDDは、300GB台のプラッタを採用した製品から、500GBプラッタへと完全移行しつつある。500GBプラッタを採用した製品は、最初の製品の登場こそ1月初旬と早かったが、その後の動きは鈍かった。一般的に入手可能な7,200rpmのモデルは、長らくSeagate製品しかなく、日立GSTからは、発表すらされないという状況が続いた。しかし、現在では、大手メーカーすべてが500GBプラッタの製品のアナウンスを行なっており、完全移行は時間の問題となってきた。
プラッタの記録密度の向上は、劇的とはいかないまでも着実にHDDの性能を底上げしている。500GBプラッタを採用した5,400rpmのHDDは、ランダムアクセス性能こそ1世代前の7,200rpmのHDDにおよばない。しかし、シーケンシャルリード/ライトなら1世代前の7,200rpmのHDDと同等の性能を実現している。7,200rpmのHDDもWestern Digitalの最新製品、WD2001FASSに見られるように10,000rpmのVelociRaptorに迫る性能を実現した製品も登場している点に注目したい。
また、500GBプラッタの登場は、さらなる大容量化と低価格化を進行させた。現在のHDDの最大容量は、昨年末の1.5TBから「2TB」へと増加。出荷開始が速かった5,400rpmの2TBのHDDは、当初3万5,000円前後でスタートしたが、ここに来て急速に低価格化が進み2万円以下で購入できるようになった。2枚プラッタ構成で1TBの製品も、7,200rpmの製品が昨年末から3,000円近く価格を下げ、現在では、9,000円程度で購入できる。5,400rpmの製品なら8,000円前後だ。HDDは、もはや1TBが当たり前の時代に突入したと言ってよい状況となった。 |
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500GBプラッタモデルは高性能
500GBプラッタの製品は全体的に性能が良好。とくに「WD Caviar Black WD2001FASS」は、10,000rpmのVelociRaptorに迫る性能を実現 |
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2TBモデルが手頃な価格に
着実に低価格化が進んでいるが、注目は、2TBのHDDの急落。この数カ月で1万円近く価格が低下し、最安で1万円台半ばで購入できるように |
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【検証環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E6600(2.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5Q(Intel P45+ICH10R)
メモリ:ノーブランド PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB×2
ビデオカード:NVIDIA GeForce 8600 GTリファレンスカード
システムHDD:日立GST Deskstar T7K500 HDT725025VLA380(Serial ATA 2.5、7,200rpm、250GB)
OS:Windows 7 Ultimate 64bit版 |
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ここに来て急増中なのが、500GBプラッタを採用した7,200rpmのモデルだ。このタイプの製品は、長らくSeagateのBarracuda 7200.12のみしか選択肢がなかったが、現在はこの状況も一変した。Western Digitalから7,200rpmで記録容量2TBの新モデル「WD Caviar Black」の販売が始まり、日立GSTからも、「Deskstar 7K1000.C」シリーズが発表されたからだ。これによって、全社の500GBプラッタ採用モデルが出揃ったことになる。
また、注目したいのは、500GBプラッタを採用したWD Caviar Blackの性能の高さだ。この製品は、一足早く販売が開始されたBarracuda 7200.12よりも高速で、10,000rpmのWD VelociRaptorに迫る高い性能を実現している。1世代前の334GBプラッタを採用した1TBモデルと比較しても、15%程度高速化が図られている。500GBプラッタ採用のHDDはコストパフォーマンスが高く、手軽なPCのアップグレードには最適と言える。 |
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Western Digital |
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WD Caviar Black |
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URL:http://www.wdc.com/jp/ |
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プライマリハードディスク 5.9(2TBモデル)
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7,200rpm |
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大容量キャッシュを搭載する高速モデル
2TBモデルのWD2001FASSは500GBプラッタを採用し、64MBというHDDとしてはトップクラスの大容量キャッシュを搭載する。 |
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型番 |
容量 |
キャッシュ容量 |
実売価格 |
WD2001FASS |
2TB |
64MB |
32,000円前後 |
WD1001FALS |
1TB |
32MB |
10,000円前後 |
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500GBプラッタへ移行したことで俄然注目を集めているのが5,000rpm台のローエンドモデルだ。現在入手可能なのは、5,400rpmと5,900rpmの製品があり、前者はSamsungのEcoGreen F2とWestern DigitalのWD Caviar Green。後者は、SeagateのBarracuda LPがある。いずれも、7,200rpmモデルと比較して、アイドル時の消費電力が低く抑えられており、回転数が低いので、発熱が小さく、静音性に優れている。また、容量単価が安いため、データストレージ用としてコストパフォーマンスが高い。
おもしろいのが、5,900rpmのBarracuda LPである。5,400rpmモデルよりも高い性能を実現しつつ静音性や消費電力の面では同等という点が特徴の製品だ。5,900rpmというのが半端な感じがするが、速度は7,200rpmモデルに迫るレベルを実現している。このため、起動ドライブで使用しても十分な速度を実現しつつ静音性も高いなど、絶妙なバランスの製品に仕上がっている。 |
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Seagate |
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Barracuda LP |
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URL:http://www.seagate.co.jp/ |
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プライマリハードディスク 5.9(2TBモデル)
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7,200rpm |
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性能と消費電力のバランスに優れる
5,900rpmという一見半端に思える回転数を採用するが、1世代前の7,200rpmモデルと同等のパフォーマンスを持つ。 |
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型番 |
容量 |
キャッシュ容量 |
実売価格 |
ST32000542AS |
2TB |
32MB |
20,000円前後 |
ST31500541AS |
1.5TB |
32MB |
11,000円前後 |
ST31000520AS |
1TB |
32MB |
8,000円前後 |
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