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TEXT:橋本新義 |
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メモリ編 |
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大容量メモリを確保して64bit時代を謳歌せよ |
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Windows 7の登場とともに、大容量メモリを使用できる64bit環境への移行が急速に進みつつある。LGA1156版Core i7/i5もリリースされ、ついにDDR2メモリからDDR3メモリへと主役が移ろうとしている現在、メモリの種類・容量を検討し、Windows 7に最適なメモリを探る必要がある。 |
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Windows 7時代に突入し64bit環境も身近な存在に |
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Windows 7の登場により、PCパーツの情勢が変わりつつある。その中でもメモリは価格面で大きな影響を受けたパーツだ。Windows Vistaのときも同様の傾向にあったが、新OSの登場が迫るとさまざまな理由から主力メモリの価格が上昇する。この影響により、DDR3メモリとDDR2メモリの価格が急接近しており、あえて将来性の低いDDR2を選ぶ理由が薄れつつある。
また、Windows 7の登場を契機にメーカー各社の64bit環境への対応が急速に進んだことから、大容量メモリを使用できる64bit環境への移行を意識するユーザーが増えつつある。Windows 7 64bit版の利用可能なメモリ量は、Home Premiumが16GB、ProfessionalとUltimateは192GBと、扱うデータ量が増えつつある昨今、実質3GB強しか使用できない32bit OSでは、もはや快適な環境を得るのは難しいだろう。
さらに、Windows 7はVistaよりも軽快に動作すると評判だ。その真偽を確認するために、実際に筆者が512MBという少ないメモリ容量で両OSを使い分けたところやはり明らかな差があった。これはWDDM 1.1対応グラフィックスドライバによるWindows Aero有効時のメモリ使用量の削減や、バックグラウンド動作するサービス数の減少などの効果による。そして、Windows 7は必要十分な容量のメモリと組み合わせ(検証では4GB使用)て使った場合、Vistaのようにメモリを積極的にストレージ用キャッシュとして利用する。前述のようにWindows 7ではVistaよりもインテリジェントなメモリ管理が行なわれているので、快適度は格段に変わってくるだろう。
現在のメモリは2GBモジュールがお買い得ラインに乗っており、スタンダード用途なら4GB、さらに快適度アップを狙うなら8GB環境を目指したい。 |
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Windows Vistaからの改善が見られるWindows 7のメモリ管理方法 |
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タスクマネージャーから、それぞれのOSの空きメモリ容量と起動プロセス数を計測した。Windows 7の起動プロセス数は、Vistaよりも5個少なくなっているが、空きメモリ容量はVistaとほぼ同じ。XPは空きメモリが多いが、実はキャッシュ使用量も少ない |
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各Windowsの空きメモリ容量と起動プロセス数 |
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空きメモリ容量(MB)※ |
起動プロセス数 |
Windows 7 |
2,576 |
29 |
Windows Vista |
2,660 |
34 |
Windows XP |
3,742 |
24 |
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※搭載メモリ量が4GBの場合
【検証環境】
CPU:Intel Core 2 Quad Q6600(2.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5B Deluxe(Intel P965+ICH8R)
メモリ:Corsair Memory CM2X2048-6400C5(PC2-6400 DDR2 SDRAM、CL=5、2GB×2)
ビデオカード:NVIDIA GeForce 8800 GTリファレンスカード
HDD:日立GST Deskstar 7K1000.B HDT721032SLA360(Serial ATA 2.5、7,200rpm、320GB)
OS:Windows 7 Ultimate 64bit版、Windows Vista Ultimate SP2 64bit版、Windows XP Professional x64 Edition
測定条件:OSインストール後10分経過後の値 |
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DDR3とDDR2の価格差が縮まりDDR3が主役に |
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DDR2メモリモジュールが高騰 最安クラスのDDR3が狙い目に |
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Windows 7の動向と合わせて注目したいトピックが、DDR3メモリとDDR2メモリの価格差の縮小だ。ここでは、現状それぞれのメモリの代表的な規格であるDDR3-1333とDDR2-800の2GBモジュールを軸に話を進めていこう。
下のグラフは、AKIBA PC Hotline!が調査している秋葉原で売られているノーブランドメモリの価格推移を示したグラフだ。DDR3-1333とDDR2-800の2GBモジュールを対象に、2009年4月から10月までの平均価格と最安値(DDR3のみ)を抽出している。
グラフより、低価格でポピュラーなDDR2は、8月まではDDR3に対して1,000円ほどの価格差を付け優位にあったものの、9月から10月にかけて平均価格が一気に近付いていることが分かる。おそらくWindows 7の影響によるものと思われるが、これにより10月に入ると両者の平均価格差が500円ほど縮まった。また、そのときのDDR3の最安値を見ると、3,000円台前半となっており、ついにDDR2メモリとの逆転が起きている。従来はコストパフォーマンスの点で難があるとされてきたDDR3だが、低価格なDDR3メモリを狙うのであれば、今はコスト的にほぼ問題ないレベルと言える。加えて、DDR2メモリの規格は現状から高速化されることはないので、将来性を考えればとくに理由がない限り、これからはDDR3を選んだほうが賢明だろう。
DDR3メモリは、DDR2メモリよりも駆動電圧が0.3V低くなっており、多少の省電力効果を期待できる。両者には互換性がなく、マザーボードによってどちらを使用できるかが決まるので、購入の際はよく注意したい。 |
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AKIBA PC Hotline!調べ |
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UMAX |
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Cetus DCDDR3-4GB-1333 |
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問い合わせ先:03-3768-1321(マスタードシード)
URL:http://www.umax.com/ |
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価格と品質のバランスに優れた定番DDR3メモリモジュール
コストパフォーマンスの高さで人気のUMAX製メモリ。動作クロックはDDR3-1333と標準的だが、2GB×2枚組で手頃な価格、そして永久保証付きで、人気の高いモジュールだ。 |
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製品名 |
容量 |
実売価格 |
Cetus DCDDR3-4GB-1333 |
2GB×2 |
9,000円前後 |
Cetus DCSSDDR3-2GB-1333 |
1GB×2 |
5,000円前後 |
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CFD販売 |
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CFD ELIXIR W2U800CQ-2GL5J |
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問い合わせ先:052-619-1560
URL:http://www.cfd.co.jp/ |
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ELIXIRブランドで有名な低価格が魅力のDDR2メモリ
ブランド品メモリとしては最安価クラスであることから、非常に人気の高いDDR2メモリ。代理店のCFD販売による永久保証と、多くのマザーボードでの動作検証データが魅力だ。 |
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製品名 |
容量 |
実売価格 |
CFD ELIXIR W2U800CQ-2GL5J |
2GB×2 |
8,000円前後 |
CFD ELIXIR W2U800CQ-1GLZJ |
1GB×2 |
4,500円前後 |
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メモリチップ規格 |
DDR3-1600 |
DDR3-1333 |
DDR3-1066 |
DDR2-1066 |
DDR2-800 |
メモリモジュール規格 |
PC3-12800 |
PC3-10600 |
PC3-8500 |
PC2-8500 |
PC2-6400 |
メモリクロック |
200MHz |
166MHz |
133MHz |
266MHz |
200MHz |
バスクロック |
800MHz |
667MHz |
533MHz |
533MHz |
400MHz |
プリフェッチ数 |
8bit |
8bit |
8bit |
4bit |
4bit |
CASレイテンシ |
5/6/7
/8/9/10 |
5/6/7
/8/9/10 |
5/6/7
/8/9/10 |
3/4/5/6 |
3/4/5/6 |
最大帯域幅 |
12.8GB/s |
10.6GB/s |
8.5GB/s |
8.5GB/s |
6.4GB/s |
標準電圧 |
1.5V |
1.5V |
1.5V |
1.8V |
1.8V |
2GBノーブランドメモリの参考価格※ |
5,000円前後 |
4,000円前後 |
6,000円前後 |
5,000円前後 |
3,500円前後 |
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※2009年10月現在 |
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