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ライバルパーツ対決! 買うならどっちだ?
TEXT:鈴木雅暢
パーツ同士の性能差
本当のところが知りたい!
image人気パーツというのは、スペックだったり、流行の機能だったり、何かしら秀でた要素を持っている。しかし、人気パーツ同士の優劣をそういった要素だけで判断するのはなかなか難しい。
トレンドを満たした人気パーツ同士の比較は困難
 毎週のように登場する新製品。その中から人気パーツとして台頭してくる製品は、スペックに秀でていたり、流行の機能を搭載していたり、大きな価格変動の影響で買い得感が高くなっていたり、人気の理由となる何かしらの「キーワード」を持っている。実際、そういったキーワードはPCパーツの選択において間違いなく「アテになる」。パーツのジャンルごとのトレンドをつかむのに役に立つし、そうしたトレンドを理解することは、賢い買い物をするための近道でもあると言える。

 しかしながら、こうしたトレンドを満たした製品というのは、必ずしもジャンルごとに一つだけとは限らない。いや、むしろ一部の例外を除いて、複数の選択肢があるのが普通だろう。どこかのメーカーがヒット商品を出せば、ほかのメーカーもすぐにその特徴を自社製品に取り入れてくる。価格の変動にしても、ライバル関係にある製品は、どちらかが大幅な価格改定を行なえば、もう一方もそれに追従してくる傾向が強い。

 そして、その複数の選択肢から最終的に一つの製品に決めること、これがなかなか難しい。そもそも人気パーツというのは注目されているキーワードを満たしているから人気なのであり、人気パーツ同士の優劣をそういったトレンドやキーワードといった要素だけで判断するのは限界がある。また、スペックや機能を細かく比較しようとしても、アーキテクチャの違いでスペック上の数値を単純に比べることができなかったり、機能がよく似ていて比較しにくかったりすることが多い。結局、最終的にはブランドイメージなどの曖昧な要素で決めてしまうことも多いのではないだろうか。
スペックの先にある真の実力を徹底検証
 そういったトレンドや人気で絞り込んだ後の、実に難しい製品選びに注目したのが本特集である。各ジャンルごとのトレンドを踏まえつつ、人気のパーツから価格帯やスペックの似た製品をピックアップ。厳選したパーツを対象に、実機でテストして検証を行なっていく。スペックや機能が拮抗した製品同士を比較するだけに、その検証についてもおおまかにつかむという程度にとどまらず、複数のベンチマークテストの実施、消費電力や動作音の測定など、多角的な検証を行なうことで、各パーツの性能、個性をより具体的に明らかにしていきたい。もっとも優れた製品はどれか、人気パーツに意外な弱点はないのか、PCパーツ選びの参考になれば幸いである。
image客観的な数値で比較
性能を知るには条件を統一し、比較してみるのが一番だ。評価が偏らないように、できるだけ複数のベンチマークテストを使って比較していく
image気になる消費電力も測定
最近のPCパーツにとっては消費電力も重要な要素だ。これも条件を統一してワットチェッカーで測定した実際の消費電力を比較する
パーツ同士の比較が難しい
四つの理由
「1」動作クロックが同じでも……
 CPUの性能の目安となるスペックとしては、動作クロック、コア数、キャッシュ容量などがある。とりわけ動作クロックは性能やグレードの目安として使われることが多いが、アーキテクチャ(CPU内部の命令処理の仕組)が異なれば、どの要素も直接比較する意味をなさない。

 たとえば、同じIntelのCPUでも、Core i7とCore 2 Duo、Atomを動作クロック2GHzで統一して比較したとしても、性能も消費電力もまったく異なってくる。消費電力の目安であるTDP(熱設計電力)というのも実におおまかな目安に過ぎず、本当の消費電力は実際に測定してみなければ分からない。
imageCPUのラインナップは動作クロックでグレード分けされているが、あくまでもアーキテクチャ、コア数が共通であるという前提がある
「2」同じ容量だったとしても……
 最近注目を集めているSSDだが、過渡期の製品であることもあって、同じ容量のモデルであっても性能や体感的な快適さは製品によって異なってくる。スペックとしては最大リード/ライトの性能などが公表されているが、これも単純なシーケンシャルリード/シーケンシャルライトの数値でしかなく、より重要なランダムアクセスの性能や、低価格品で問題になっているレスポンス低下現象(いわゆる「プチフリ」)が起こるかどうかなどは判断できない。キャッシュ容量や搭載コントローラを公表していない製品もあるなど、スペック表記自体もバラバラで非常に比較がしにくくなっている。
imageSSDの最大リード/ライト性能表記だけでは真の性能は分からない。まだ過渡期の製品だけに、スペックの表記そのものも各社バラバラだ
「3」同じ価格帯でも……
 AMDのGPUとNVIDIAのGPUではまったくアーキテクチャが異なっており、スペックの比較は意味をなさない。たとえば、シェーダーユニットの数はNVIDIAのGeForce GTX 275が240基に対し、ATI(AMD)のRadeon HD 4890は800基もある。だからと言って後者が圧倒的に速いかと言えばそんなことはなく、定番ベンチマークテストの3DMarkのスコアで言えば似たようなものであり、同価格帯で販売されている。価格で選べばよいかと言えばそれもまた違い、実際のゲームでは最適化の問題などもあって有利不利が変わってくる。複数のゲームタイトルで検証しないと真の実力は分からない。
imageNVIDIAとATI、どちらかのGPUに最適化されているゲームでは、3DMarkなど汎用的な性能を計測するテストと大きく異なる結果が出ることも
「4」定格出力に差はないが……
 電源ユニットは「~W電源」などと呼ばれ、定格出力が大きな目安となっている。しかし、同じ600Wの定格出力でも、PCパーツの多くでもっとも重要な+12V系の出力は製品ごとに大きな差があり、実際にどれだけのパーツに安定して電力を供給できるかは製品によってまったく異なる。仕様表には各系統の内訳が記載されており、それが目安にはなるが、実際に各系統の電圧が正しく安定して供給されるかといったところまで知るには、実際に測定してみるしかない。また、動作音を~dBで公表している製品も多いが、測定環境が統一されているわけではないので、その数値は製品間の比較には使えない。
image電源ユニットの仕様表には各電圧(V)の最大電流(A)、定格(総合)出力(W)などの情報が記載されているが、安定度までは読み取れない
 
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