クアッドコアを使うためのケース選び 1/2 | 最新・クアッドコア自作の極意

トップ
> 第1特集
> 最新・クアッドコア自作の極意

クアッドコアCPUの魅力に迫る

人気CPUのオーバークロック性能を比較

Core i7よりも低消費電力なXeon 5500シリーズの実力を検証する

お値打ちCore i7マシンを自作する 1/2

お値打ちCore i7マシンを自作する 2/2

最強・最小のクアッドコアマシンを作ろう!! 1/2

最強・最小のクアッドコアマシンを作ろう!! 2/2

クアッドコアCPUアップグレード指南 1/2

クアッドコアCPUアップグレード指南 2/2

その他の特集（2011年）

激突！Bulldozer vs. Sandy Bridge

震撼性能！　Sandy Bridgeに死角なし!!

＊ユーザー登録からアンケートページへ進んでください。

＊プレゼントの対象は「最新号購入者」のみとなります。

TEXT：保坂陽一

余裕を持ってクアッドコアを使うための

ケース選びの必須項目

簡単に買い換えるわけにいかないPCケース選びは、とくに慎重に臨みたいところ。しかし、デザインの好みなどもあって、選択肢はユーザーによって大きく異なる。そうした中でもクアッドコアを使う上で覚えておきたい共通項を確認しよう。

■	内部空間は後で拡張できない

　今時のPCケースなら、ケースファンの一つや二つ付いているのは当たり前だろう。よほどの省電力・低発熱構成でもない限り、内部で発生した熱のケース外への強制排出は必須であり、それが間に合わない場合は、どんどん内部に熱がこもってしまう。暖められた空気をCPUクーラーに吹き付けても、冷却効果は上がらないのだ。

　AntecのSOLOに代表される静音重視ケースは今でも人気だが、現在のハイエンドクアッドコア環境、とくにCore i7などで使うには少々厳しいものがある。静音重視ゆえにケースファンが少ないということもあるが、内部の狭さだけは後でアレンジのしようがない。空間に余裕がなく、電源やビデオカードとCPUが近くなると、パーツ間の熱干渉も強まって悪循環になる。それ以前に、最近のマザーボードは大型のものが多く、組み立てるのにも苦労することだろう。

　そんな事情もあって、最近はメッシュパネルなどを多用したものや、電源部をCPUと引き離して配置したものが多い。そうしたケースは大型になりがちなので、扱い難いという人もいるだろうが、各部の温度を計測してみると、その効果は確かに確認できる。ケースを換えるだけで5℃も温度が変わるなら、パーツの寿命の面から見ても意味は大きいのではないだろうか。ExtendedATXに対応した大型ケースなどは、それだけで一定のエアフローと拡張性が確保されていると見てもよい。

　なお、ここで比較しているCM 690やSST-TJ09は、標準状態での計測であり、それぞれ各部にファンの追加が可能だ。こうしたアレンジが効くケースであれば、この先さらなるマルチコアCPUが登場しても対応できるはずである。もちろん、剛性や静音性なども重要なポイントだが、十分な冷却能力と内部空間が確保されたものを選びたい。

ギリギリの空間しかないSOLO
スタンダードな配置ではあるが、大型ビデオカードを挿すと、シャドーベイの一部が使えなくなる。最新クアッドコア環境にはもう少し余裕が欲しい

ココに注目！

CPUまわりの冷却能力は十分か？

クアッドコアマシンに見合った拡張性を備えているか？

新旧・性格の異なる三つのケース、クアッドコアで使うとどうなる？

Antec

SOLO

実売価格：12,000円前後

問い合わせ先：03-5812-5820（リンクスインターナショナル）
URL：http://www.antec.com/world/jp/

ATX

電源別売り

密閉静音タイプの超定番
高い剛性と、多くの静音ギミックを備えたロングセラーモデル。今でも人気の高い製品だが、内部はお世辞にも広いとは言えず、付属ケースファンも背面の一つのみとなっている

CoolerMaster

CM 690

実売価格：12,000円前後

問い合わせ先：support@coolermaster.co.jp（クーラーマスター）
URL：http://www.coolermaster.co.jp/

ATX

電源別売り

お手頃価格の冷却重視ケース
各部にメッシュ構造を備え、冷却性能を高めたモデル。付属ファンは前後の2基のみだが、上下左右の各部に増設が可能となっている。電源は底部配置でCPUまわりの空間も余裕あり

SilverStone

SST-TJ09

実売価格：30,000円前後

問い合わせ先：03-5298-3880（ディラック）
URL：http://www.silverstonetek.com/

ExtendedATX

電源別売り

側面吹き抜け構造の大型アルミケース
フルアルミのExtendedATX対応ケースで、かなり余裕のある構造。シャドーベイは両サイドが吹き抜けになっており、HDDのマザーボード側への熱干渉を抑える仕組になっている

CPU裏まで冷やせるCM 690

アルミ＋広い空間を持つSST-TJ09

決して大型ではないが、マザーボード上部の空間に余裕があり、天板にファンがなくとも冷却効果とメンテナンス性を確保。CPU背面にもファンの装着が可能など、将来性も抜群と言える。今回使用した際は、サイドファンの振動音がやや気になった

材質による放熱効果はもちろん、ビデオカードなどもしっかり冷却する構造。高価で設置スペースも必要だが、クアッドコアのみならず、まだまだ上も狙えるケースである。ちなみに、付属のケースファンはいずれも静かで、聞こえるのは各パーツの音がほとんど

【検証環境】
CPU：Intel Core i7-920（2.66GHz）
CPUクーラー：Core i7-920付属品
マザーボード：FOXCONN FlamingBlade（Intel P45＋ICH10R）
メモリ：Corsair Memory TR3X3G1333C9（PC3-10600 DDR3 SDRAM、CL＝9、1GB×3）
ビデオカード：MSI R4870-T2D512-OC（Radeon HD 4870）
HDD：Western Digital WD Caviar Green WD10EACS（Serial ATA 2.5、5,400rpm、1TB）
OS：Windows Vista Ultimate SP1

【検証内容】
検証環境を各ケースに設置し、HWMonitor 1.14にて各部の温度を測定。
各部の値／CPU：もっとも値の大きいCoreの値チップセット：SYSTINの値
ビデオカード：GPU Coreの値
動作音はそれぞれケース正面から20cmで計測。OS起動から10分後の値をアイドル時、高負荷時は3DMark06を動作させた際の最高値。暗騒音は35dB。
外気温は25℃