その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:鈴木雅暢 | ||||||||||||||
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Core i7では、効果的なパフォーマンスアップの手段として、Hyper-Threadingが搭載されている。Pentium 4シリーズに途中から採用され、最近ではAtomにも搭載されているSMT(Simultaneous Multithreading=同時マルチスレッディング)技術だ。Hyper-Threadingでは、OSに一つのコアを二つのコア(論理コア)として見せかけることで、1コアに2スレッドを同時に取り込む。もともとコア内部では、命令実行のパイプライン化により各種回路が多重化されている。それらを活かしてもう1スレッドを同時に処理しようというのがHyper-Threadingの発想だ。 同時に、パイプライン化によって長くなった命令処理のレイテンシを隠蔽するという効果もある。アプリケーションレベルでマルチスレッドに対応していることが条件だが、トランジスタを大きく増やすことなく最大30%程度のパフォーマンスアップが期待できる利点がある。 |
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通常スレッドはコアごとに一つ割り当てられるが、Hyper-Threadingでは1コアあたり2スレッドを同時に取り込んで実行できる。トランジスタや電力の大幅な増加なしに効率よくパフォーマンスを向上させることができる | ||||||||||||||
Core i7の4コア+Hyper-Threadingは、OSからは8コアとして認識される。タスクマネージャ(パフォーマンスタブ)の8コア表示は壮観 | ||||||||||||||
Hyper-Threadingの効果がどのように現われているか、ベンチマークテストで確認してみよう。まずはSandra 2009のProcessor Architechだ。これはキャッシュやメモリなど、コア外部の影響をほとんど排除したコア内部の純粋な演算性能を見るテストで、マザーボードのBIOSでHyper-Threadingの有効/無効を切り換えてテストを行なった。Core i7-940でHyper-ThreadingをONにすると、整数演算で約14%、浮動小数点演算で約63%、OFFの状態よりも性能アップが確認できた。Core i7-965 Extreme Editionでもほぼ同傾向である。 CINEBENCH R10ではどうだろうか。すべてのCPUコアを使うx CPUのレンダリングでは、Hyper-Threadingを有効にすると、無効時に比べて約17%の性能向上が確認できた。逆に、CPUコアを一つだけ使う1 CPUのレンダリングではHyper-Threading ONのほうが若干スコアが低下している。これはスレッド振り分けのオーバーヘッドが出ているのだろう。17%という数字は「4コアの2倍」と考えるともの足りないが、8コアに見せかけているのはあくまでもスレッドを八つ同時に取り込む手段で、2倍というイメージは捨てたほうがよいだろう。コア内部にもHyper-Threadingを意識した拡張を行なっているとはいえ、コアを一つ増やすよりもずっと少ない拡張だ。クロックもコア数も同じでこれだけの性能アップと考えれば悪くない。 |
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Core i7は、「Intel Turbo Boost Technology(以下、Turbo Boost)」と呼ばれる自動オーバークロック機能を搭載している。このTurbo Boostを有効にすると、CPUの動作条件(電流、電力、温度)に余裕ができた場合に、その余裕の範囲内でアクティブなコアの動作クロックを上昇させる。 これと似た機能はモバイル向けのCore 2シリーズにも「Intel Dynamic Acceleration Technology(IDAT)」として導入されているが、Turbo Boostはそれよりもずっとインテリジェントでその効果も高い。IDATは2コアのうち片方がアイドル状態にならないと作動しないために実質的に有効な場面がほとんどないが、Core i7のTurbo Boostでは、4コアのいくつかがアイドル状態になった場合だけでなく、完全にアイドル状態のコアがなくとも、電流、電力、温度という三つのポイントに余裕があれば作動する。常に余裕の範囲内でターボされるため、オーバークロックとは言っても危険なものではなく、EIST(Enhanced Intel SpeedStep)の発展形のようなものと考えて構わないだろう。 このTurbo Boostを可能にしているのが、CPUコアとは独立して実装されたPCU(Power Control Unit)というマイクロコントローラによる高度な電力管理機能だ。PCUは四つのコアそれぞれの電流、電力、温度の状態をリアルタイムで監視し、コアの省電力状態を細かく制御しており、ターボできるかどうかの判断もこのPCUが行なう。Turbo Boostによるクロック上昇はCPU倍率の変更で行なわれ、上限はモデルごとにあらかじめ決められている。現行モデルの上昇幅は2~4コアがアクティブな状態で133MHz(倍率+1)、1コアのみがアクティブな状態のみで266MHz(倍率+2)だ。また、Core i7-965 XEでは上限倍率などをBIOSで任意に指定できるようになっているが、これにはBIOSの対応が必要で、対応していないマザーもある。 |
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実使用時において、すべてのコアに高い負荷がかかる場面は限られており、コアには温度や電力面で余裕があることが多い。その余裕分をアクティブなコアに振り分けるのがTurbo Boostだ | ||||||||||||||
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さて、Turbo Boostの効果がどれほどのものか、BIOSで有効/無効を切り換えてテストした。今回利用したASUSTeKのRampage II Extremeでは上限の任意設定はできないため自動設定のみで利用した。まずSandra 2009のProcessor Architechだが、Core i7-965 XEで最大4.6%、Core i7-940では4.7%、Turbo Boost有効時のほうが高速だった。CINEBENCH R10の1 CPUはCore i7-965 XEで4.3%、Core i7-940で1%。x CPUではそれぞれ3.4%、3.7%の高速化を確認した。 Turbo Boost時の詳細な振る舞いについてはまだ不明な点があるものの、今回利用した限りでは高負荷時には常にクロックが133MHzアップされている印象で、実質的には定格クロックより133MHz上のパフォーマンスが得られると考えてもよいかもしれない。 |
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